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ガイガーカウンターとは?仕組みや原理について|よくある疑問も解決!

※本記事は一般的な内容を元に作成しております、詳しくはご利用のメーカー等にご確認ください

物質の表面上にどの程度の放射線があるのか、空間にはどの程度の放射線が放出されているのかをチェックするために、ガイガーカウンターを使用したいと考えている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ガイガーカウンターの仕組みや種類の解説に加え、ガイガーカウンターへの疑問や使用時の注意点まで徹底的に解説します。

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ガイガーカウンターとは

ガイガーカウンターとは、放射性物質の崩壊時に発生する粒子や電磁波である放射線を測定する機器のことです。

エックス線とベータ線を測定する用途で使用されることが多く、中性子線は一般的には測定できません。

また、ガンマ線も測定可能ではありますが、感度がよくないことが特徴です。

近年販売されているガイガーカウンターには、設定した放射線量率を超えた際にブザーを鳴る機能、液晶デジタル表示、USB充電機能など、さまざまな機能が組み込まれています。

ガイガーカウンターの仕組み

ガイガーカウンターは、原子が電離する流れの中で生まれる放射線の個数を利用して測定する仕組みです。

具体的に説明すると、ガスが入った筒に高い電圧をかけ、その筒の中に放射線が入るとガスが電離し、その電離によって生じた電子を増幅することで放射線量を測定するということになります。

放射線の個数(放射線量)は、cpm(計数率)に一定数をかけ、μSv/h(マイクロシーベルト/時)に換算した値を表示することで測定することができます。

cpmはあくまで平均値です。

そのため、数回測定を行い、平均をとって放射線の個数(放射線量)を測定するようにしてください。

ガイガーカウンターの種類

放射線を測定する機器のタイプとして、シンチレーション式、半導体式、ガイガーミュラー計数管があります。

その中のガイガーミュラー計数管がガイガーカウンターと呼ばれるものです。

市販のガイガーミュラー計数管には大きくわけて2種類存在します。

まず1つ目に、ガラス製や金属製の筒状の容器に計数ガスが入ったタイプです。

このタイプは、ガンマ線の線量率の測定に使用できます。

※線量率:放射線量

2つ目に、ガイガーミュラー計数管の一端が薄い膜でできた放射線が境界面に達する窓があるタイプです。

この窓から入ってきたベータ線の数を測定して、放射性物質による汚染の検査に使用することができます。

ガイガーカウンターの計測可能放射線量

前述した通り、ガイガーカウンターは、原子が電離する流れの中で生まれる放射線の個数を利用して測定する機器です。

個数のカウントだけができる機器であるため、物質の表面の線量(放射線量)しか計測できません。

産総研の齋藤科長によると、放射線量が過去と比較して増減しているかを比較する際には使用ができる、とされています。

同じ位置や物質で突然数値が上がっていれば、放射線量が増えていることを意味します。

そのため、放射線がどの程度でているのかを参考にしたい場合に使用するべきでしょう。

また、計測した値に設定された係数をかけられる機器であれば、ベクレルやシーベルトの換算を行えます。

そのため、空間線量(空間の放射線量)の目安を測り、参考値として扱うことが可能です。

ただし、内部被曝の計測はできないので注意する必要があるでしょう。

ガイガーカウンターや放射線についてよくある疑問

ガイガーカウンターを使用して放射線を測定していると、疑問が生まれることがあるでしょう。

よくある疑問を2つ紹介しますので、参考にしてください。

場所によって放射線の数値が違う理由

もし、どの場所でも線量(放射線量)が一定である実験室のような場所では同じ数値がでるでしょう。

しかし、自然の中では、地面に浸透したり、植物や建物に付着したりなど、場所によって放射線量が異なってしまいます

例えば、建物であれば、部屋の地面からの高さや大きさ、窓の広さ、コンクリートの種類などで放射線の数値が異なることはもちろん、建物の材料の違いだけでも放射線の数値が異なってしまうのです。

そのため、自然環境では放射線の数値が異なるということになります。

測定した数値が安定しない理由

放射線物質から放出される放射線は、ランダムに出ています。

例えるなら、線香花火です。

線香花火は、一度に同じ方向に出ているのではなく、さまざまな方向にランダムに出ますよね

放射線は同じような仕組みであるため、測定数値が安定しないのです。

そのため、数回測定したり、数人が同時に測定したりして、平均をとることで一定の値を出すことができるでしょう。

放射線は気温や天候や湿度などにより変化するのか

気温・天候・湿度で、ガイガーカウンターが測定する値に違いはありません。

しかし、厳密にいうと、雨天時の屋外の放射線量は少し多くなるといわれています。

なぜなら、空気中に浮遊していた放射性物質がほこりと一緒に地面に落ちてしまうからです。

基本的には放射線の数値は変わりませんが、雨の降り始めには数値が高くなることを理解しておきましょう。

岩石から比較的多くの放射線がでる理由

岩石には、さまざまなタイプがあります。

岩石ができあがった際に、放射線物質をどれだけ含んでいたかによって、放射線量が異なります

例えば、玄武岩と花崗岩を比較した場合、花崗岩の方が3倍程度放射線量が多くなるといわれています。

花崗岩の中には、天然の放射性物が多く含まれているため、他の岩石より放射線の数値が高いのです。

測定値が高くなる場所

測定値が高くなる場所は、大きく5つです。

順にみていきましょう。

1.放射線物質を多く含んだ庭石やコンクリート骨材の砂利がある場所

屋外は自然の放射線が放出されています。

もし放射線物質を多く含んだ庭石などがあれば、石表面の放射線量は多くなってしまいます。

また、屋内であっても、コンクリートの建物の骨材の砂利などに天然の放射線物質の含む量が多ければ、放射線量も多くなると言えるでしょう。

2.地表から高い場所

地表から高くなれば、宇宙線の影響を受けて放射線量が多くなり、数値は上がります。

例えば、地表の数値が約0.08μSv/hであるのに対し、富士山頂で最大13μSv/hとなります。

このように、地表から高くなれば数値が上がることがわかります。

3.レーダー施設、通信施設等がある場所

測定地付近にレーダー施設、通信施設がある場合、数値が上がる場合があります。

測定場所として不向きであるため、別の場所に移動して測定するようにしてください。

4.電子機器が近くにある場所

携帯電話など磁ノイズを放出する電子機器が使用状態で、ガイガーカウンターの近くにある場合、数値が上がる可能性があります。

そのため、測定中は携帯電話等の使用に注意が必要です。

携帯電話は使用せず、しまっておきましょう。

5.強い衝撃や振動がある場合

強い衝撃や振動が加わった場合、一時的に数値があがることがあります。

測定時には衝撃や振動を与えないよう注意しましょう。

また、衝撃や振動が与えられた際には、1分以上待機してから再度測定してください。

自然界に放射線が存在する理由

そもそも地球は宇宙に漂う放射性物質を含んだ星類が衝突して固まって生まれたものです。

現在でも、星類から発生した放射線が常に出ているため、自然界に放射線が存在します。

異なるガイガーカウンターで測定すると違う値が出る理由

ガイガーカウンターは、一般的に機種ごとに測定した値に違いが生まれます

使用されているガイガーミューラー管の性能および特性・感度にもより測定値が異なりますので、理解しておきましょう。

ガイガーカウンター使用時の注意点

ガイガーカウンター使用時の注意点は以下の通りです。

  • 測定器を汚してはいけない
  • 測定開始から時間を置いて数値を読み取る
  • 測定値はガイガーカウンターを向ける方向で数値が変化する
  • 放射線の自然・人口は区別できない
  • cpmで表示するガイガーカウンター測定時は注意

順にみていきましょう。

測定器を汚してはいけない

ガイガーカウンターに放射性物質に付くと、それ以降高い放射線量が表示され、正しい数値を測定できなくなってしまいます。

特にマイカ窓は、一度汚れたり放射性物質が付着してしまうとと綺麗な状態に戻すことが難しいため、注意してください。

また、地面や土の上、草の上にガイガーカウンターを直接置くこともいけません。

ガイガーカウンターを袋に入れて測定するなど、工夫して測定しましょう。

測定開始から時間を置いて数値を読み取る

ガイガーカウンターは、測定場所の放射線量を表示するまでに時間がかかってしまいます。

そのため、測定を開始後、30秒~2分程度時間を置いて数値を読み取るようにしてください。

測定値はガイガーカウンターを向ける方向で数値が変化する

測定した値はガイガーカウンターを向ける方向によって変化します。

また、放射線量は放射線からの距離が遠くなればなるほどと小さくなります。

そのため、測定結果をまとめる際には、測定した場所・日時を記載するだけでなく、ガイガーカウンターを向けた方向や測定対象物からの距離も記録しておきましょう。

放射線の自然・人工は区別できない

ガイガーカウンタは、放射線のエネルギーを知ることができません。

そのため、放射線は自然・人工を区別して測定できないことが特徴です。

放射線の自然・人工をわけて測定したいと考える場合には、別の測定器を使用するようにしてください。

まとめ:ガイガーカウンターは種類に応じて適切に使用する

放射性物質の崩壊時に発生する粒子線や電磁波である放射線を測定するガイガーカウンター。

2011年3月の原発事故以来、メーカー企業には問い合わせが殺到し、品薄状態にありましたが、現在は簡単に手に入れることができます。

そんなガイガーカウンターには、原子が電離する流れの中で生まれる放射線の個数を利用して測定する仕組みがあり、2つのタイプがあることがわかりました。

また、物質の表面の放射線量のみを測定できる一方、計測した値に設定された係数をかけられる機器であれば、ベクレル換算やシーベルト換算を行えることもご理解いただけたのではないでしょうか?

さらに、ガイガーカウンター使用時によくある疑問点や、注意点について解説しましたので、使用する際にはしっかりチェックするようにしてください。

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