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電磁波とは?周波数との関係や人体へ及ぼす影響について解説!

※本記事は一般的な内容を元に作成しております、詳しくはご利用のメーカー等にご確認ください

普段の生活では目に見えない電磁波ですが、実は私たちの生活の一部に多く溶け込んでいます。

そんな電磁波ですが、そもそもどのような仕組みで発生しているかご存知でしょうか。

また、電磁波には周波数ごとに種類や性質が異なり日常生活で有効利用されていますが、少なからず人体への影響があることも忘れてはなりません。

本記事では、電磁波について解説するとともに種類や性質、人体への影響について解説していきます。

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電磁波とは

電磁波とは、電界と磁界が相互に作用しているものです。

波の漢字が使用されているように、電界と磁界が交互に組み合わさりながら、空間を波のように伝達していきます。

主に、送電線や家電など私たちが普段の生活で目にすることの多い場所などで、電流が発生している場所に電磁波は発生しています。

もちろん、現代社会では非常に多くの人々が手にしているスマートフォンなどからも、電磁波は発生しているのです。

電磁波に似たような言葉に電磁界がありますが、これには明確な違いがあることをご存知でしょうか?

具体的には電力設備で発生しているものを電磁界と呼び、送電線や家電などから発生しているものを電磁波として区別しています。

ここからは電磁波を構成している電界と磁界について、それぞれ解説していきます。

電界

電界とは、電気を押し流す力である電圧が発生している空間の状態のことです。

電界の強さはキロボルト/メートル(kV/m)もしくはボルト/センチメートル(V/cm)で表されます。

電界そのものを目で確認することはできませんが、一定の条件下では電界を目にすることが可能です。

例えば、子供の頃に下敷きを衣服などへ擦り付けた後、頭に近づけたときに髪の毛が持ち上げられた経験をした方も多いはずですが、まさに静電気で髪の毛が持ち上げられている状態には、下敷きと髪の毛の間に電界が生じていることを指します。

これは送電線や家電でも仕組みは同じですが、下敷きと衣服では静電気が発生したのに対して、送電線や家電は電気が発生します。

つまり、電気が発生すると+と−の関係が成り立つため、+と−の間には電位差が生じており、電圧が発生していることになるのです。

そのため、電圧が発生している箇所には、電界が存在していると言えます。

磁界

磁界とは、磁気が発生している空間の状態のことです。

磁界の強さはテスラ(T)もしくはガウス(G)で表されます。

電界と同様に、磁界そのものを目で確認することはできませんが、一定の条件下では磁界を目にすることが可能です。

例えば、小学生などの理科の実験において、強力な磁石の周りに砂鉄を散らしたとき、砂鉄がS極とN極をつなぐように線を描いたといった経験をした方も多いのではないでしょうか。

実は、砂鉄が描いている線そのものが磁界を表しているのです。

世の中には電気が流れると磁石になる電磁石が存在するように、電気が流れる箇所には磁界が存在していると判断できます。

電磁波と周波数の関係

電磁波は空間を波のように伝達して行くことから、電磁波と周波数は非常に強い関係を持っています。

具体的には、周波数の高い低いによって電磁波の性質が異なることから種類が分類されるのです。

性質が異なるため、電磁波の種類ごとに生活の中で有効利用されたりもしています。

主な種類は下記の3つです。

  • 放射線(電離放射線)
  • 光(太陽光)
  • 電波(非電離放射線)

ここからはそれぞれの電磁波について解説していきます。

放射線(電離放射線)

放射線は主にX線やγ線などを指しており、別名では電離放射線とも呼ばれ、3000THz以上の非常に高周波帯の電磁波です。

具体的な種類については下記の表を参照ください。

種類 周波数
放射線
(電離放射線)
X線 3×10の16乗
γ線 3×10の18乗

放射線は3000THz以上の周波数であることからエネルギーが大きい電磁波でもあり、原子や分子レベルで作用し、原子から電子を分離させる性質を持っています。

大量に浴びてしまうと人体の細胞へもダメージを与えてしまう可能性がありますが、レントゲン撮影や材料検査など、人々の生活には欠かせない役割を担っている側面もあるのです。

光(太陽光)

光(太陽光)は主に赤外線や紫外線を指しています。

具体的な種類については下記の表を参照ください。

種類 周波数

(太陽光)
赤外線・遠赤外線 3×10の12乗
可視光線 3×10の13乗
紫外線 3×10の15乗

光は種類によって普段の生活で活躍する場面に違いがあります。

赤外線・遠赤外線ではセラミックヒーターなどの暖房器具やデータの送受信などの通信に使用されており、可視光線は照明器具などに使用されています。

また、紫外線は殺菌などの用途に使用されているのです

電波(非電離放射線)

電波は周波数帯が非常に幅広く、多くの種類がある電磁波であり、別名、非電離放射線とも呼ばれ、3000THz未満の周波数の電磁波です。

具体的な種類については下記の表を参照ください。

種類 周波数
電波
(非電離放射線)
超長波(VFL) 3×10の3乗
長波(FL) 3×10の4乗
中波(MF) 3×10の5乗
短波(HF) 3×10の6乗
超短波(VHF) 3×10の7乗
マイクロ波極超短波(UHF) 3×10の8乗
センチ波(SHF) 3×10の9乗
ミリ波(EHF) 3×10の10乗
サブミリ波 3×10の11乗

電磁波の中では、日常生活で非常に多くの関連性がある電磁波かもしれません。

レーダーや光通信システムをはじめ、電子レンジや携帯電話、電磁調理器などで使用されています。

電磁波が及ぼす人体への影響

目に見えない電磁波ですが、普段の生活では送電線や家電を通じて常に身近に存在しています。

そんな電磁波ですが、人体への影響が懸念されている側面も持っているのです。

主に懸念されている影響は下記の3点です。

  • 刺激作用
  • 熱作用
  • 健康被害

それぞれについて解説していきます。

刺激作用

刺激作用とは、肌がピリピリしたりチクチクしたりする作用のことです。

刺激作用の特徴は周波数が低いほど作用を感じやすくなります。

わかりやすく例えると、低周波治療器が挙げられますが、低周波治療器を使用した際に肌の表面がピリピリしたりチクチクしたりした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

これは正しく刺激作用の一種である訳ですが、電磁波の中でも特に周波数の低い電波を浴びたときに同じ影響を受ける可能性があります。

命の危険があるような人体への影響ではありませんが、周波数の低い電磁波には刺激作用があることを覚えておきましょう

熱作用

熱作用とは、人体の一部を局所的に体温上昇させる作用のことです。

熱作用の特徴は刺激作用とは反対に、周波数が高くなればなるほど作用を感じやすくなります。

熱作用がわかりやすく使用されている例が電子レンジですが、電子レンジでは庫内に配置された物に対して電磁波の熱作用を利用して物を温めているのです。

刺激作用と同様に、命の危険があるような人体への影響ではありませんが、周波数が高い電磁波では熱作用があることを覚えておきましょう。

健康被害

健康被害とは、主にX線やγ線などにより細胞が破壊されてしまうことで起こる細胞のガン化などが想定されています。

X線やγ線は電離放射線と呼ばれていることからもわかるように、細胞レベルで影響を及ぼす電磁波です。

例えば、医療分野では欠かせないレントゲンですが、X線を浴びる量に制限がかけられているように、大量に浴びてしまうと健康被害が出る恐れがあります。

少量のX線であれば目に見える健康被害は出づらいですが、大量に浴びてしまうと細胞のガン化などの健康被害が出る恐れがあることを覚えておきましょう。

電磁波における電波防護指針

電磁波には少なからず人体への影響があることから、人体に対する安全性の基準として総務省により電波防護方針が定められています。

電波防護方針では人体へ可能な限り影響が出ないような電磁波の強さの指針などが示されており、その数値は国際的な指針とほぼ同じ値です。

主な内容としては基礎指針と管理指針から構成されているので、それぞれについて解説しながら、指針の理解に必要なSARの知識についても解説していきます。

参考:総務省電波利用ホームページ

指針の理解に必要なSARの知識

電波防護指針を理解するにはSARの知識を身につけておく必要があります。

SARとは比吸収率と呼ばれ、おそよ100kHz以上の周波数の電磁波が人体へ当たったとき、エネルギーとしてどのくらいの量が人体に吸収されるのかといった評価指標のことです。

単位はワット/キログラム(W/kg)で表されます。

電波防護方針では、このSARを基準に指針が定められているので、ぜひ覚えておきましょう。

基礎方針

基礎指針とは、電磁波が人体に及ぼす影響の刺激作用と熱作用を考慮して、人体への安全性を評価するための基準となる指針です。

SARの基準値はo.4W/kgになります。

例えば、携帯電話などの基地局などからの電波に対してSARの観点から人体への影響を評価すると、約4W/kg以上になると熱作用が認められます。

この熱作用に対して安全率を10倍と設定していることから、基礎指針のSARはo.4W/kgとなるのです。

管理方針

管理指針とは、基礎指針をより正確に満たすために、測定環境を考慮して定められている指針です。

測定環境に関しては電磁波を専門的に扱う人を対象とした管理環境と、それ以外の人を対象とした一般環境に分けられます。

SARの基準値は管理環境では0.4W/kg、一般環境ではさらに安全率が加味された0.08W/kgに設定されています。

管理指針は基礎指針を満たすために、SARの基準値に違いがあることを覚えておきましょう。

まとめ:電磁波の種類と人体への影響を理解し、対策を施しましょう

電磁波は周波数ごとに種類に違いがあり、性質にも違いがあります。

もちろん、日常生活において電磁波を有効活用することで、さまざまなメリットが得られているのも事実です。

しかし、電磁波によって人体への影響があることもまた事実になります。

大事なことは、電磁波について理解するとともに、電磁波が人体に及ぼす影響を理解し、対策を施すことです。

電磁波の対策方法については、別記事にて詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

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