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マイクロ波とは?概要や実用例、仕組みなどを徹底解説!人体への影響についても

※本記事は一般的な内容を元に作成しております、詳しくはご利用のメーカー等にご確認ください

テレビやスマートフォン、カーナビのGPSなど、私たちはマイクロ波を利用した機器を日常的に利用しています。

しかし、マイクロ波の概要や仕組みについて、詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。

そこで本記事では、マイクロ波の概要や仕組みをわかりやすく解説していきます。具体的なイメージが掴めるように、マイクロ波を利用した実用例も紹介します。

マイクロ波の人体への影響についてもまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

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マイクロ波とは?

はじめにマイクロ波の概要や仕組みを解説します。

マイクロ波は電磁波の1つ

マイクロ波とは、電磁波の1つです。

電磁波は、波長や周波数によって特徴やその用途が異なります。

例えば、レントゲン撮影に利用される「放射線」や可視光線や紫外線といった「光」、テレビやスマートフォンなどに利用される「電波」などは、それぞれ波長や周波数が異なる電磁波です。

波長とは、電磁波の波が振動したときの距離を意味し、周波数とは、1秒間に波が現れた回数を指します。

※電磁波については「電磁波とは?周波数との関係や人体へ及ぼす影響について解説!」の記事でも詳しく解説しています。

周波数と単位について

周波数を数値化する際にはHz(ヘルツ)という単位を使います。

Hz(ヘルツ)とは、1秒間に電磁波の波がいくつ現れるかを示した単位です。

例えば、50Hzの電磁波の場合、1秒間に50の波が現れたことを示しています。高い周波数を持った電磁波ほど、高い数値となるのです。

そして、マイクロ波は、300MHz(メガヘルツ)から300GHz(ギガヘルツ)の周波数を持つ電磁波です。

つまり、電磁波は波長や周波数によって大きく分類されており、電磁波の中に電波が含まれています。そしてマイクロ波は、電波に分類される波長や周波数を持った電磁波なのです。

※周波数については「電磁波の種類はどのくらい?周波数別の一覧や高周波について解説!」の記事でも詳しく解説しています。

マイクロ波の仕組みや実用例

マイクロ波の周波数は300MHzから300GHzとなり、その波長は1cmから10cmです。

マイクロ波の周波数と波長から「直進性が高く、特定の方向に発射するのに向いている」「情報を伝送できる容量が大きい」といった特徴があります。

そのため、雨や霧、降雪といった天候による影響を受けにくく、衛星通信や衛星放送などに活用されているのです。

ほかにも、樹脂等を透過できる特性もあるため、カーナビのGPSや船舶用レーダーといった技術にも活用されています。

電磁波の種類と実用例を表で確認しましょう。

電磁波の種類 実用例
放射線(ガンマ線、エックス線) 医療
エックス線写真など
光(紫外線、可視光線、赤外線) 殺菌灯
赤外線センサーなど
電波(マイクロ波) GPS
レーダー
電子レンジ
スマートフォンなど
電波(VHF、HF、MF、LF、VLF) アマチュア無線
海上無線
長距離通信など
電磁界 家庭電化製品など

電磁界とは、電磁波の中でも非常に低い周波数と距離の長い波長を持った電磁波です。波長が長く波の特性を考える必要がないことから、電磁界と呼ばれています。

電磁界はエネルギーが小さいため、発生源から離れると影響力が急速に失われるという特徴を持ちます。

マイクロ波は、その特性からエネルギー源やエネルギーを効率良く利用するための手段としても注目を集めています。その1つとして、マイクロ波を利用したマイクロ波加熱が挙げられます。

マイクロ波加熱の基本原理とメリット

マイクロ波加熱とは、マイクロ波の特性を生かして、対象を加熱する方法です。

従来の加熱方法は、外部に熱源を用意して、加熱対象の表面から加熱していく方法がほとんどでした。

一方、マイクロ波加熱では、誘電加熱という原理を用いて、加熱対象自身を発熱体とさせる内部加熱方式をとっています。

マイクロ波加熱以外の加熱方法と、マイクロ波加熱の基本原理やメリットについて解説しますので参考にしてください。

マイクロ波加熱以外の加熱方法

マイクロ波加熱は内部加熱方式ですが、マイクロ波加熱以外の加熱方式は、外部加熱方式と呼ばれています。

外部加熱方式には「熱伝導」「対流」「放射」があります。

加熱方法 仕組み 実用例
熱伝導 物体と物体が接触しているときに熱が移動する ホットカーペット
湯たんぽ
フライパンなど
対流 空気が動くことで、空気の熱が周りに伝わる エアコン
ストーブ
ヘアドライヤーなど
放射 熱エネルギーが電磁波として放出されている
電磁波が物体にあたると、熱が発生する
太陽光
電子レンジなど


熱伝導とは、熱が物体を伝って移動する仕組みです。

例えば、フライパンで食材を炒めたり、鍋で煮物を作る方法は、熱電動を利用しています。他にも、ホットカーペットや湯たんぽが温かいと感じるのも熱伝導によるものです。

対流とは、空気が動くことで、その熱が周りに伝わっていく仕組みです。専門的には、熱が空気などの流体の熱膨張によって移動する仕組みを指します。

例えば、夏にエアコンをつけると涼しくなるのは、エアコンから冷たい空気を出して、部屋の中に冷たい空気を対流させているためです。ストーブをつけると部屋の中が温まるのも、対流によるものとなります。

放射とは輻射とも呼ばれる仕組みで、電磁波が対象にあたった際に熱が発生します。

例えば、太陽の光が地球の地面にあたった際に、地面では熱が発生します。太陽光には熱エネルギーがありますが、太陽光自体が温かいわけではない点に注意が必要です。

また、電子レンジは電磁波を加熱対象にあてることで、熱を発生させています。

マイクロ波加熱は、この放射の1つです。

マイクロ波加熱の基本原理

マイクロ波加熱の基本原理を解説します。

はじめに、マイクロ波の周波数を示すHz(ヘルツ)をもう一度確認しておきましょう。

1hzとは、1秒間にどのくらい電磁波の波が現れたかを示す単位です。

例えば、電子レンジでは2.45Ghzのマイクロ波を使って加熱していますが、これは電磁波の波が1秒間に24億5,000万回現れていることを意味します。

2.45GHzのマイクロ波では、電解のプラスとマイナスが入れ替わる振動が24億5,000万回発生していることになります。

そして、加熱対象がマイクロ波の電界の中にあると、加熱対象を構成している分子(永久双極子)が電波の影響を受けて、激しく振動するのです。

加熱対象を構成している分子は、電界の中にいない場合、バランスを保って存在しています。しかし、電界の影響を受けると、電界の変化に追従して動くことになるのです。

電界の変化に追従すると、分子と分子がぶつかり合うことになり、摩擦で熱が発生します。その結果、摩擦熱が発生して加熱対象全体が発熱し温度が上がるのです。

なお、電界とは電圧がかかっている空間の状態を指します。マイクロ波の電界とは、マイクロ波の影響がおよぶ範囲と考えてよいでしょう。

このように物質の外側から加熱するのではなく、加熱対象自身が発熱する仕組みを作り出すことを、誘導電熱と呼びます。

誘導電熱では、火などの熱源がなくても物体を加熱できるほか、熱伝導のように物体と物体を接触させなくても加熱ができるといった特徴もあります。

マイクロ波加熱のメリット

マイクロ波加熱を利用すると、マイクロ波の電界にある加熱対象全体が、同時に加熱されます。

マイクロ波加熱では、全体を均一に加熱できるため、エネルギーを無駄にせず効率的に加熱できるのです。

従来の外部から熱を伝達させて内部まで温める場合、加熱対象の内部に熱を届かせるまでに時間がかかったり、加熱にムラが生じたりしていました。

時間を短縮するために熱源の温度を上げると、今度は加熱対象の表面が焦げたり乾燥してしまったりと、いくつかの問題が発生していたのです。

加熱対象の形状に関係なく、各部の温度を均一に上昇できる点は、マイクロ波加熱の大きなメリットといえます。

また、温度調節が簡単な点もマイクロ波加熱のメリットです。

マイクロ波を停止すれば、加熱対象の温度はそれ以上上昇しません。反対にマイクロ波を照射させれば、すぐ加熱を開始できます。

加熱対象のみを加熱できるほか、マイクロ波の出力を調整すれば、発熱量の調整も可能なのです。

従来の加熱方法では、火を用意したりお湯を沸かしたりして熱源を確保する必要がありました。

熱源が加熱対象以外を高温にさせてしまう可能性があり、熱源の管理に注意が必要でしたが、マイクロ波加熱を利用すれば、熱源の管理も簡略化されます。

他にも、マイクロ波を吸収する素材を変えることで、温めたいものだけを加熱する「選択的加熱」も可能です。

例えば、電子レンジ用の容器は、マイクロ波の吸収率が小さい素材を使うことで、容器の中だけを温めるように作られています。

マイクロ波による人体への影響について

マイクロ波が人体に吸収されると、体の組織内で熱が発生します。そのため、血液の供給が少ない器官、温度調節機能の弱い器官、温度に敏感な器官は強いマイクロ波の照射を受けた場合、熱によって損傷する可能性があるのです。

しかし、熱による損傷が起こる可能性があるのは、非常に高いレベルのマイクロ波に長時間被ばくした場合だと考えられています。そのため、電子レンジなどの私たちの身近にある機器を正常に使用していれば問題は起こらないでしょう。

実際に電磁界情報センターの公式サイトでも、家庭で使用している電子レンジからの電磁界が健康に影響を及ぼすことはないとの見解を示しています。

「熱損傷が起きるのは、電子レンジの周囲における測定値よりはるかに高いレベルに長時間ばく露された場合だけですので、通常の使用環境においては、そのような強い電磁界を浴びることはありません。したがって、家庭で使用している電子レンジからの電磁界が健康に影響を及ぼすことはないと考えられます。」
参考:電磁界情報センター|健康影響

 

「マイクロ波は電磁波の1つである」と聞くと、人体への影響が気になる方も多いと思いますが、商品の説明書に目を通して、常識的に使用していれば問題はないでしょう。

マイクロ波は暮らしの利便性を向上させてくれる電磁波の1つ

マイクロ波は、テレビやスマートフォンなどに活用され、日常生活をより便利なものにするために役立っています。

本記事で身につけたマイクロ波の特徴や仕組みを生かして、ぜひ生活に役立つ製品選びの参考にしてください。

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