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濁度計の使い方や測定方法の種類・注意点など完全網羅

※本記事は一般的な内容を元に作成しております、詳しくはご利用のメーカー等にご確認ください

濁度計を使う水質試験においては、微小な粒子の有無の測定や、健康に害があるとされる微生物および有害な化学物質などを検出できます。

また、飲料水業界では濁度計を使って製品の品質管理を行っています。

しかし濁度計を正確に使いこなすには、適切な測定方法や注意点を知ることが必要です。

本記事では濁度計を使った測定の基本や種類、正確な測定方法や注意点などを網羅的に解説します。

濁度計を使用した測定がより正確に行えるよう、参考にしてください。

濁度計とは?

濁度計(だくどけい)とは、液体中の濁り物質の量を測定する装置です。

濁り(にごり)の程度を「濁度」と呼び、光量的に測定する装置を濁度計と呼びます。

具体的には、液体中の浮遊粒子やコロイド状物質によって、引き起こされる濁度を光学特性で測定いく測定機器です。

濁度計は、主に環境モニタリングやプロセス管理など液体中の濁り度を調べる場所で使用されています。

濁度計の仕組みや原理

濁度計の原理は、LEDランプと90度の角度に配置された光検出器を備えた比濁分析に基づくセンサを使用し、濁度を測定していきます。

濁度計の測定方式は、光源から測定液槽に入射した光を透過光と散乱光に分けて検出することで、液中の濁質により変化する透過光と散乱光の比を演算して濁度を算出する方式です。

直接検水に検出部を浸漬して、連続プロセス用測定機器として使用できます。

濁度計で計測される濁度の単位は、測定機器による違いはありますが、主にカオリン(白陶土)と呼ばれ、1mgが蒸留水1L中に懸濁しているときを濁度1と表します。

濁度計の使用用途

濁度計は、水の濁りの程度を測定する装置であることから以下のような場所で使用されています。

  • ・浄水場での原水・ろ過水の調査
  • ・配水の濁度管理や有機膜の膜破損の監視
  • ・下水処理場や工場からの放流水の浮遊物測定
  • ・化学プロセスの濁度検出
  • ・各種産業排水の浮遊物質量の測定など


濁度計は、水の濁りの程度を測定するための測定機器です。

水処理プラントや飲料水製造工場でも使用されるなど、水の濁りの程度を知りたい場面で活躍しています。

濁度計とSS計の違い

濁度計とSS計は、どちらも水中の浮遊物質の量を測定するための計器です。

両者の違いは、濁度計は水の濁りの程度を表し、SS計は水中に懸濁している不溶解性物質の量を測定する違いがあります。

また、測定結果を表す単位にも違いがあります。

濁度計の単位は、NTU、FTU、FNU、ppmなどに対し、SSの単位は「試料1リットル中の浮遊物質のmg量」すなわち「mg/L」です。

測定機器の測定の原理でも「濁度は光量」「SSは重さの度合い」とおおまかな違いがあります。

濁度計の測定方法6つ

濁度計の測定方法にはさまざまな種類があり、主に以下のような6つの測定方法があります。

  • ・透過散乱光方式
  • ・表面散乱光方式
  • ・積分球方式
  • ・透過光方式
  • ・散乱光方式
  • ・粒子数計測方式(レーザ方式)


それぞれの測定方法について、以降より詳しく解説していきます。

透過散乱光方式

透過散乱光方式は、光源から測定液槽に入射した光を透過光と散乱光に分けて検出し、液中の濁質により変化する透過光と散乱光の比を演算して濁度を算出する測定方式です。

透過光が測定液槽を通過する際に、濁質によって散乱されることで、透過光の強度が減少することを利用しています。

透過散乱光方式は、現場ですぐに結果が得られるといったメリットがあります。

表面散乱光方式

表面散乱光方式とは、安定した水面に斜め方向から光を照射し、散乱した光を水面上部にある検出器で受光、変換器を介して濁度表示される方式のことです。

検出器が直接水に接していないため、検出器の汚れる心配がないといったメリットがあります。

また、表面散乱光方式は、測定対象の試料中に含まれる微小な粒子を検出できるのも特徴です。

透過散乱光方式よりも高感度であり、微小な粒子の検出に適しています。

そのため、低濁度から高濁度まで測定できることから、上下水道等の濁度測定に多く使用されています。

積分球方式

積分球方式は、光源から生じたあらゆる方向に向かう光束が中空の球体内面に塗布された内面材で何回か反射することにより、検出器に集まることで、光源の明るさを測定するために用いられる方法です。

反射率の高い粉末を内側全面に塗った中空の球で、光学測定でよく用いられる方式の一つです。

積分球は、光を集め空間的に積分し均一にするために使用され、内面が球形で内壁が硫酸バリウムなどの反射率の高い光散乱素材で作られています。

そのため積分球方式は、反射率の高い表面を持つ特性から照明器具のルーメン、色度座標、CCT、主波長、ピーク波長などのテストに広く適用されています。

透過光方式

透過散乱光方式は、光源からの光が試料中の粒子に散乱・吸収され検出器に届く光の量を測定することで、試料中の粒子の量を測定する方法です。

この方法は、試料中の粒子が小さく、透明な場合に有効であり、水質検査や医療分野で主に使用されています。

一方、大きな粒子が含まれる場合や試料が濁っている場合には、透過散乱光方式では測定が困難であるため、積分球などの反射率の高い表面を持つ測定器を使用する必要があります。

そのため、使用用途に応じてはうまく測定できない場合があるので注意が必要です。

散乱光方式

散乱光方式とは、測定液に光を投入し、その透過光とそれによって生ずる散乱光の両者を測定する方法です。

透過光と散乱光の比が液中の懸濁物質の濃度に比例することを利用して濁度を知ることができます。

この方式は、濁度計以外にも色度計測器で使用されたりしています。

粒子数計測方式(レーザ方式)

粒子数計測方式(レーザ方式)は、粒子の数をレーザー光で計測する方法です。

この方法は、液中の粒子を計測する場合に使用されます。

試料にレーザー光を照射し、散乱された光を検出することで、粒子の数を計測する原理です。

他にも、粒子数計測方式には、レーザー回折法やレーザー散乱法があります。

これらの方法は、試料にレーザー光を照射し、散乱された光の強度分布パターンから粒子径分布を求めるという方法があります。

濁度計の使い方

ここでは、濁度計の基本的な使い方の流れを紹介していきます。

使用する濁度計の種類や対象の検体物によって違いはありますが、基本的な使い方の流れは同じです。

濁度計の使い方がわからない方は、参考にしてみましょう。

ステップ1:濁度計の電源を入れる

濁度計の使い方について、ステップ1は濁度計の電源を入れることです。

濁度計には、電源を入れるためのスイッチがあります。

スイッチを入れると、濁度計が起動し、測定が可能になります。

ステップ2:濁度計の校正を行う

濁度計の校正を行うためには、標準液を用意し、濁度計の測定値と標準液の値を比較する必要があります。

ステップ2では、濁度計の校正を行います。

まず標準液を用意し、濁度計の測定値と標準液の値を比較。

標準液の濁度は、あらかじめ定められた値であり、濁度計の測定値と比較することで、濁度計の誤差を修正できます。

濁度計の校正は、測定の正確性を保つために重要な作業です。

濁度計の校正方法については、機種によって異なるため、取扱説明書を参照しましょう。

ステップ3:測定する水をサンプルセルに投入

ステップ3では、測定する水をサンプルセルに投入します。

サンプルセルは、濁度計に付属しているガラス製のセルで、測定する水を入れるための容器です。

サンプルセルには、あらかじめ一定量の水を入れておきます。

その後、サンプルセルを濁度計にセットし、測定を開始します。

ステップ3での注意点は、測定中にサンプルセルを揺らしたり、振ったりしないように注意がしなければいけません。

また、より正確な測定結果を得るため、測定前にはサンプルセルをきれいに洗浄し、水滴を拭き取っておくことが重要です。

ステップ4:サンプルセルを濁度計にセット

ステップ4では、サンプルセルを濁度計にセットします。

濁度計には、サンプルセルをセットするための専用のスペースがあります。

サンプルセルをセットする前に、濁度計のセル窓をきれいに拭き取り、水滴を取り除いておきましょう。

サンプルセルをセットする際も、セル窓に水滴がつかないように注意してください。

また、ステップ4では、サンプルセルをセットする前に、測定する水の温度を確認し、必要に応じて調整しておくことが重要です。

ステップ5:濁度計の表示を読み取る

ステップ5では、濁度計の表示を読み取ります。

濁度計の表示を読み取るには、濁度計の測定値の確認が必要です。

濁度計は、水の濁りの程度を表すもので、視覚濁度、透過光濁度、散乱光濁度及び積分球濁度に区分し表示します。

JIS K0101「工業用水試験方法」によると、「カオリン標準液と比較して測定する場合には、カオリンを単位とし、ホルマジン標準液と比較して測定する場合には、ホルマジンを単位とする」と言われています。

このように、濁度計の表示方法は、使用する液体や目的によって異なるため、状況や用途によって使い分けることが大切です。

ステップ6:測定が終わったら、サンプルセルと濁度計を清掃

測定が終わったら、サンプルセルと濁度計を清掃する必要があります。

試料水をガラス製セルに入れて測定することから、セルの汚れが測定に大きく影響するためです。

常にクリーニングし、大きな傷をつけないように注意して、使用前には汚れを完全に取り除くことが重要です。

まず、サンプルセルを水で洗い流し、その後アルコールで拭き取ります。

濁度計の清掃する場合には、まず電源を切り、サンプルセルを取り外してください。

次に、濁度計の外側を乾いた布で拭き取ったあと、濁度計の内部を拭き取ります。

内部を清掃する際には、専用のクリーニングキットを使用してください。

濁度計を再び使用する際、汚れによる測定に影響を与えないためにも、使用後の清掃を心がけましょう。

濁度計を使用する際の注意点

水中の粒径や成分によって反応性が異なる

濁度計を使用する際にの注意点は、まず水中の粒径や成分によって濁度計の反応性が異なることです。

例えば、粒径が大きい場合は散乱が少なく、濁度が低く測定される可能性があります。

また、水中に含まれる成分によっても反応性が異なることも注意が必要です。

有機物や鉄分が多い場合は、濁度が高く測定される可能性があるためです。

そのため、測定前にはサンプルの特性を把握し、適切な濁度計を選択する必要があります。

セルや光源などの汚れや傷によって測定精度が低下する場合がある

濁度計の使用上の注意事項として、セルや光源などの汚れや傷によって測定精度が低下する場合があるとされています。

セルの窓ガラスが汚れている場合は、光が透過しにくくなり、測定値が高くなる可能性があるためです。

セルは常にクリーニングし、大きな傷をつけないように注意してください。

また、光源に傷がある場合は、光の強度が低下し、測定値が低くなる可能性があります。

そのため、測定前にはセルや光源の状態を確認し、必要に応じて清掃や交換が大切です。

セルや光源などの汚れや傷は、測定精度に影響するため、使用前には汚れを完全に取り除くことに注意しましょう。

校正を行わないと正確な測定値を得ることができない

濁度計を使用する際の注意点として、校正を行わないと正確な測定値を得られない場合があること。

濁度計は測定対象物質によって測定値が変化するため、校正は重要です。

また、測定中にも定期的に校正を行うことで、測定精度を維持できます。

校正を怠ると測定値が正確でなくなるため、測定結果に誤りが生じる可能性があり注意が必要です。

まとめ:濁度計を使うときは適切な測定方法を選ぶこと

水の濁り度合いを測定するために使われる濁度計ですが、測定方法によって使い方が異なります。

主な測定方法として、透過散乱光方式や表面散乱光方式、積分球方式など様々です。

これらの方法によって測定された濁り度合いは異なるため、適切な測定方法を選択する必要があります

また、濁度計の種類によっては、測定範囲や測定精度が異なるため、目的に応じた適切な測定機器を使用することが重要です。

弊社スリーアールソリューションでも、様々な測定機器を取り扱っています。

使用環境に応じた適切な測定機器を提供していますので、詳細についてはカタログページを参照してください。

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