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サーモグラフィ選びの重要ポイント7選!実施できる検査も紹介

サーモグラフィ選びでは、撮影の用途に合わせて必要な機能が備わったサーモグラフィを選ぶことが重要です。

しかし、サーモグラフィには複数の機種が存在するため「どこに気を付けて選んだらよいかわからない」という方も多いと思います。

そこで本記事では、はじめにサーモグラフィの仕組みや使い方を解説した上で、自社に適切なサーモグラフィを選ぶための重要なポイントを7つ解説します。

サーモグラフィで実施できる検査も紹介しますので、サーモグラフィ選びで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

サーモグラフィとは?

サーモグラフィとは、対象の表面温度の違いを色によって確認できる装置です。

赤外線を検知して測定するため、離れた場所から非接触で測定できます。

その他の特徴も確認しておきましょう。

  • ・複数の対象の表面温度を同時に測定できる
  • ・温度変化がリアルタイムでわかる
  • ・光源がなくても撮影できる

 

サーモグラフィは、建築現場、電子製品の開発、製造工場、設備の点検など幅広い分野の検査に活用されています。

なお、サーモグラフィが観測装置ではなく観測方法を意味することもありますが、どちらの意味で使用しても問題はありません。

サーモグラフィの仕組み

サーモグラフィが温度を測定する仕組みについて解説します。

  1. 1.本体に備わっている赤外線センサーが、観測対象から放出されている赤外線を検知
  2. 2.検知した赤外線エネルギーを温度に換算
  3. 3.温度分布を色分けして、2次元の画像で表示

 

温度分布の色分けの際は、温度が低い箇所を青色などの寒色で表示して、温度が高い箇所を赤色などの暖色で表示する方式が一般的です。

画面に映っている対象の色を確認することで、私たちは温度変化をリアルタイムで観察したり熱のムラを確認したりできます。

サーモグラフィの仕組みに関する、より詳しい説明は「サーモグラフィーとは?仕組みや原理、サーマルカメラとの違いなど」の記事をご覧ください。

サーモグラフィの使い方

サーモグラフィは、本体が撮影した赤外線データを自動で処理して、その結果を画面に表示してくれるため、サーモグラフィの仕組みに詳しくない人でも撮影可能です。

本体の設定を行った後に、センサーを対象に向けて電源を入れれば撮影準備はほぼ完了です。

ハンディタイプやポケットタイプの場合は撮影者が携帯して撮影できますし、据え置きタイプの場合は所定の位置に三脚などを活用して設置します。

サーモグラフィの長所・短所

サーモグラフィの長所がこちらです。

  • ・発熱体から安全な距離で測定できる
  • ・衛生管理に取り組みながら温度測定ができる
  • ・感染症対策になる
  • ・暗闇や視界不良の中でも撮影可能

 

製造工場などの高温の対象を撮影するような現場では、撮影者の身の安全を確保しながら測定できます。

対象に触れずに温度測定ができるため、食品の製造工場といった衛生管理と温度管理が求められる現場にも活用できるでしょう。

病院や公共施設のエントランスに設置して、感染症対策に役立てることも可能です。

一方、サーモグラフィには短所も存在します。

  • ・ガラス越しの測定はできない
  • ・対象の表面温度しか測定できない
  • ・対象の表面状態や材質によって測定結果が変わる
  • ・角度がついていると正確な測定がむずかしい

 

製造工場などの精密な測定が要求される現場では、撮影環境にも配慮する必要があります。

サーモグラフィ導入後の撮影方法については、「サーモグラフィの欠点をカバー!導入・運用で失敗しない4つのコツ」でも詳しく解説していますので、ご確認ください。

サーモグラフィで実施できる検査

サーモグラフィで実施できる検査を紹介します。

建築物の点検

サーモグラフィは、建築物や住宅の点検に活用されています。

例えば雨漏りの発見です。

建物の屋根や壁から水が漏れている箇所は表面温度が低くなっているためサーモグラフィで確認できます。

対象の表面温度の違いから雨漏りを早期発見することで、メンテナンス費用の節約にもなります。

同様に、対象の温度分布を色で見分けることにより、断熱材の欠損部位やコンクリートの浮いている箇所の特定も可能です。

電子部品の診断

サーモグラフィは、大きさ1mm以下の電子部品の異常検知にも活用できます。

高倍率の顕微鏡レンズをサーモグラフィに取り付けることで、微小な対象の異常を見つけられるのです。

人の目ではわからない電子部品の異常を早期発見することで、電子製品の品質保持や生産性向上に役立っています。

製造ラインの監視や管理

サーモグラフィは製造ラインの監視や管理にも運用されています。

サーモグラフィは、製品製作に用いる金型の表面温度を非接触によって測定できるため、運用前の金型の温度分布や運用中で高温になっている金型の温度分布まで確認して、製造品の品質向上につなげられるのです。

ハンディタイプのサーモグラフィを使えば、撮影者の確認したい角度から撮影できるため、死角になっている箇所でも異常を発見できます。

電気設備の点検

サーモグラフィは、老朽化した設備の異常を早期発見して火災事故の防止にも活用されています。

配電盤内の異常発熱箇所やブレーカなどの電源切替盤の異常を、表面温度をチェックすることで異常を早期発見できるのです。

ズームレンズのあるサーモグラフィを使えば、離れた場所からでも鉄塔や鉄線の点検といった高所の点検にも運用できるでしょう。

感染症対策

病院や公共施設、イベント会場といった多くの人数が集まる場所では、感染症対策にサーモグラフィが導入されています。

会場の入り口や施設のエントランスにサーモグラフィを設置して、発熱の可能性がある人のスクリーニングに役立つのです。

夜間の監視

サーモグラフィは赤外線を検知する装置のため、夜間の監視や視界不良の中での撮影に向いています

障害物が少ない国境警備や海上の監視に運用されているほか、空港や線路で人の侵入を検知して事故を防止できます。

火災の予防

サーモグラフィは、火災の予防にも運用できる装置です。

ごみ処理場にサーモグラフィを設置すれば、火災につながる前の異常温度上昇を感知して、アラームを発令することも可能です。火災が発生する前の適切な対処につなげられるでしょう。

サーモグラフィ選びの重要ポイント7選

サーモグラフィは、商品によって大きさや機能などが異なります。

自社に合った機種を選ぶために重要なポイントを7つ紹介します。

ポイント1:熱画像解像度

熱画像解像度とは、赤外線解像度とも呼ばれる指標です。

赤外線解像度の数値が高ければ、サーモグラフィに表示される画像が鮮明で見やすくなります。

熱画像解像度が低すぎると、遠くにある対象がぼやけてしまうおそれがあるので注意が必要です。

ポイント2:温度分解能

温度分解能とは、サーモグラフィが検知できる最小の温度差を意味します。

例えば、温度分解能が0.05のサーモグラフィならば、0.05℃刻みで温度を測れます。

間違えやすい点なのですが、温度分解能が高いサーモグラフィとは、温度分解能の数値が低く温度を細かく測定できるサーモグラフィを指しますのでご注意ください。

サーモグラフィで測定したい対象に合わせて、適切な温度分解能を搭載したサーモグラフィを選びましょう。

ポイント3:フレームレート

フレームレートとは、1秒間に画面を何回更新しているかを示した数値です。Hz(ヘルツ)という単位で表されます。

仮にフレームレートが10Hzだとすると、1秒間に画面を10回更新したことになります。

フレームレートが低いと、画面で動く人や物がカクカクした動きになりますが、フレームレートが高い数値であれば、動きがスムーズになるわけです。

固定された対象を撮影する場合は、6~9Hzほどのサーモグラフィがおすすめです。動きながら撮影する場合や撮影対象が動く場合は、20Hz以上のサーモグラフィを選ぶとよいでしょう。

ポイント4:測定温度範囲

測定温度範囲とは、サーモグラフィで測定できる温度の範囲です。

サーモグラフィの機種によりますが、氷点下から500℃以上の高温にまで対応している機種が存在します。

対象の特性に対応できるサーモグラフィを選びましょう。

ポイント5:形状

サーモグラフィには、片手で持てるハンディタイプや手のひらに収まるサイズのポケットタイプがあります。

感染症対策に活用されているような設置型のタイプもあります。

予算や用途に合わせて適切なサーモグラフィを選びましょう。

  ハンディタイプ ポケットタイプ モニター型
撮影方法 撮影者が携帯して撮影する 撮影者が携帯して撮影する
ポケットに入れて持ち運べる
三脚スタンドなどを利用して撮影場所に固定して撮影する

ポイント6:画像モード

一般的なサーモグラフィには赤外線を利用した熱画像カメラしか搭載されていませんが、上位モデルの中には可視光カメラを搭載している機種があります。

可視光カメラを搭載している機種の中には、PIP(ピクチャー・イン・ピクチャー)などの画像モードを利用できるものもあるため、画像モードを利用したい方は可視光カメラを搭載している機種を選びましょう。

なお、PIP(ピクチャー・イン・ピクチャー)とは、2つの表示を組み合わせて表示する機能を指し、カメラ映像とは別に写真を表示するといった機能です。

防犯カメラの映像でモニターの画面の隅に小さな別枠のカメラ映像が出ている映像を見た経験がないでしょうか。

このような映像がPIP(ピクチャー・イン・ピクチャー)を使った映像です。

ポイント7:その他機能

メーカーや機種によって、その他の機能を備えているサーモグラフィがあります。

具体的には以下のような機能です。

  • ・Wi-Fi機能
  • ・SDカード対応
  • ・防塵機能
  • ・ズーム機能
  • ・USBデータ出力
  • ・タッチ操作機能
  • ・電池内蔵型など

 

高機能なサーモグラフィは便利ですが、その分本体価格が高額になりますのでご注意ください。

関連記事:「高精度」

適切なサーモグラフィを選んで正確な検査を

 

繰り返しになりますが、サーモグラフィ選びでは、撮影の用途に合わせて適切な機能を備えたサーモグラフィを選ぶことが大切です。

サーモグラフィの導入を考えている方は、ぜひ本記事を参考にしていただいて、自社に適切なサーモグラフィを探してください。

なお、スリーアールソリューションでは、値段や性能の異なる複数のサーモグラフィをご提供しています

無料デモ機貸し出しも行っておりますので、サーモグラフィの導入を検討している企業の経営者様や担当者様はぜひ一度弊社までお問い合わせください。

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