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サーモグラフィーとは?仕組みや原理、サーマルカメラとの違いなど

赤外線を検知して対象の温度を可視化できる「サーモグラフィー」

対象に触れずに表面温度を測定できるといった特徴を持ち、医療現場や工事現場など幅広い業界で活用されています。

しかし、「サーモグラフィーの仕組みや原理はわからない」「サーモグラフィーとサーマルカメラの違いを知りたい」「サーモグラフィーの活用例や注意点を教えてほしい」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、サーモグラフィーの仕組みや原理、サーマルカメラとの違いを解説します。

さらにサーモグラフィーの活用例や実際に利用する際の注意点も紹介しますので、サーモグラフィーに興味のある企業担当者の方はぜひ参考にしてください。

サーモグラフィーとは?サーマルカメラとの違い

サーモグラフィー(Infrared Thrmography)とは、物体から放射されている赤外線を検知して、対象の表面温度を可視化する装置です。

サーマルカメラやサーモカメラと呼ばれることもあります。

対象に触れずに物体の表面温度を確かめられるほか、温度を特定の色に分けることで温度分布も一目でわかるのが特徴です。

一般的に温度が高い箇所を赤色などの暖色で表し、温度が低い箇所を青色などの寒色で表します。

日本赤外線サーモグラフィ協会によると、サーモグラフィの正しい定義としては、測定装置を「サーモグラフ」、測定方法を「サーモグラフィ」としているようです。

しかし現代では、測定装置と測定装置の言い方を分けることはほとんどないため、どちらの意味で使用しても問題ありません。

参考:日本赤外線サーモグラフィ協会|赤外線サーモグラフィの定義

サーモグラフィーの仕組みと原理

サーモグラフィーの仕組みがこちらです。

  • ・対象物から放射されている赤外線エネルギーを検知する
  • ・検知したエネルギーを温度に変換する
  • ・温度の分布に色をつけて表示する

 

サーモグラフィーが検知する赤外線とは、熱線とも呼ばれる電磁波の1つです。

人間を含めて、熱を持っているものすべては赤外線を放射しています。

暖房器具の側にいくと暖かさを感じるのは、赤外線に熱を伝えやすいという性質があるからです。サーモグラフィーはこの赤外線を検知して、物体の熱量を測定しています。

ちなみに、赤外線には「近赤外線」「中赤外線」「遠赤外線」がありますが、サーモグラフィーは主に遠赤外線を検知します。

サーモグラフィーでは、検知した赤外線エネルギーを温度に換算しますが、このとき必要なのが「放射率」です。

放射率とは、物体からの熱放射のしやすさを0から1.0の数値の間で表示させたもので、数値が高いほど放射率は高くなります。

そして、赤外線エネルギーを温度に換算してから温度分布を色分けすることによって、表面温度の違いを一目で確認できるようにするのです。

温度分布が色分けされていれば、それぞれの温度を確認して比較する必要がなく「どこの温度が高くてどこの温度が低いのか」が一目でわかります。

サーモグラフィーの特徴

サーモグラフィーの特徴は以下の3点です。

  • ・対象の表面温度を非接触で測定できる
  • ・広範囲の対象の表面温度を比較できる
  • ・可視光線がない場所でも測定できる

それぞれみていきましょう。

対象の表面温度を非接触で測定できる

サーモグラフィーは、対象から放出されている赤外線エネルギーをもとに温度を測定しているため、対象に触れずに表面温度を測定できます。

対象から一定の距離を保って測定できるため、食品や薬品管理といった衛生管理が求められる現場のほか、危険で近づけない対象をモニタリングする現場にも導入可能です。

広範囲の対象の表面温度を比較できる

サーモグラフィーを活用すると、カメラにうつる広範囲の対象の表面温度を確認できます

例えば、病院や空港の受付にサーマルカメラを設置して、行き交う人の温度を確認することが可能です。

温度計や体温計では、1つの対象しか測定できません。しかし、サーモグラフィーならカメラにうつる対象を同時に測定できるため、広範囲の対象の表面温度を比較できます。

可視光線がない場所でも測定できる

サーモグラフィーは赤外線を検知する仕組みのため、暗闇でも温度測定が可能です。

光が届かない地下の作業現場や夜の警備といった暗闇の撮影・測定も問題なく行えます。

また、赤外線には通常の光よりも透過性が高いという特徴があるため、霧や煙などで視界の悪い場所でもサーモグラフィーを運用できます。

サーモグラフィーの活用例

サーモグラフィーの活用事例を6つ紹介します。

  • ・医療現場
  • ・工事現場
  • ・建築現場
  • ・食品製造現場
  • ・製造工場
  • ・感染症対策

それぞれ解説します。

医療現場

医療現場では、サーモグラフィーを検査に活用している病院や医療施設があります。

サーモグラフィー検査で体表面の温度差を測ることで、血流障害が起きている箇所と正常な箇所との見分けがつくようになります。

例えば、体の特定の箇所が青色で表示されていれば、血流低下によって体温が低くなっていると考えられるわけです。

その結果、さまざまな疾患の発見に役立ちます。

サーモグラフィー検査は放射線を利用しないため、放射線による被曝を心配する必要はありません。

工事現場

工事現場では、事故防止や設備の故障発見、メンテナンス費用削減などにサーモグラフィーが役立っています。

例えば、ガス工事の現場でガス漏れを検知したり電気工事の現場で設備の故障発見に活用されています。

サーモグラフィーによって、周りに比べて高温あるいは低温になっている箇所を特定できるため、外見では異常が見当たらないような危険箇所を早期発見できるのです。

建築現場

サーモグラフィーは、以下のような建築物の診断にも活用されています。

  • ・断熱材の有無や損傷の発見
  • ・雨漏りの測定
  • ・太陽光パネルの不良箇所の特定
  • ・床暖房の液漏れ
  • ・ブレーカーの発熱箇所の確認

 

建築物の不良箇所を特定するためには、建物の外見だけ確認しても不十分なケースが存在します。

そこで、サーモグラフィーを導入すれば、カメラを通して不良箇所の目星をつけられるため、業務効率の改善にもつながるわけです。

食品製造現場

食品製造現場では、食中毒の防止や食品の品質保持などにサーモグラフィーが役立っています。

サーマルカメラを製造工場に設置して、ベルトコンベアの調理温度にムラがないか確認したり製造装置に故障がないかモニタリングしたりして、品質保持に運用します。

あるいは冷蔵庫や冷凍庫の温度をモニタリングすることで食材の品質を保ち、食材ロスを減らすことも可能です。

サーモグラフィーは対象に触れずに温度を測定できるため、食材に触れずに品質管理ができます。

製造工場

サーモグラフィーは赤外線を検知する仕組みのため、光源を必要としません。

夜間の工場といった暗所に導入しても、作業状態をモニタリングできます。

サーマルカメラを向上に設置して製造物や製造装置の温度変化を監視。異常な発熱を検知したら警報によって異常を知らせるといった形で有効活用されています。

感染症対策

感染症対策が重要視される近年、サーマルカメラを設置して感染症対策を推進する施設も増えてきました。

サーマルカメラは、対象に触れずにその表面温度を測定できるうえに、広範囲の対象をリアルタイムに測定できる装置だからです。

病院や公共施設などの玄関やエントランスにサーマルカメラを設置すれば、施設の利用者も運営者も安心して通えるでしょう。

サーマルカメラにはコンパクトなサイズが多いため、設置場所に困りにくい点もメリットです。一度設置すれば自動的に測定してくれるため、運用に人手がかからない点も導入しやすいポイントと言えます。

サーモグラフィーの注意点

サーモグラフィーの注意点を2つ解説します。

・ガラス越しの計測がむずかしい
・測定結果が周りの環境に左右される

それぞれみていきましょう。

ガラス越しの計測がむずかしい

サーモグラフィーにはガラス越しの計測がむずかしいという注意点があります。

ガラスや石英といった材質には、測定に必要な赤外線を通しにくいという性質があるため、ガラス越しでは物体から放射されている赤外線を検知しにくいのです。

ガラス越しの対象を測定するためには、遠赤外線を透過させる性質を持った特殊な素材を使う必要があります。

測定結果が周りの環境に左右される

サーモグラフィーの測定結果は、対象物との距離や角度といった周りの環境に大きな影響を受けます

より正確な測定結果が必要な場合は、外気温や日光、対象との距離や角度といった項目に注意して、なるべく一定の環境を構築しなくてはいけません

サーモグラフィーの仕組みや特徴を理解して正しい測定を

サーモグラフィーとは、物体から放射されている赤外線を検知して、対象の表面温度を可視化する測定装置を指します。

測定の仕組み特徴を理解して正しい測定を行いましょう。

なお、サーモグラフィーとサーマルカメラは似た意味を持つため、混同してしまいがちですが厳密には意味が異なります。

判断に迷ったら、こちらの表を参考にしてみてください。

サーモグラフィー サーマルカメラ

物体から放射されている赤外線を検知して、対象の表面温度を可視化する測定装置

サーモグラフィーの映像や画像を映し出すためのカメラ

なおスリーアールソリューションでは、さまざまなサーマルカメラをお取り扱いしています。

ポケットサイズサーマルカメラ P120V

ポケットサイズサーマルカメラ P120V

ハンディサイズの「ポケットサイズサーマルカメラ P120V」は通常のカメラと同じような見た目で、直感的に操作できるサーマルカメラです。

サイズはコンパクトで持ち運びが容易なため、さまざまな現場に導入できるでしょう。

ハンディサーマルカメラ M10

ハンディサーマルカメラ M10

「ハンディサーマルカメラ M10 」はレーザーポインターやLEDが付いているほか、Wi-Fiにも対応しているサーマルカメラです。

持ち運びできるタイプで測定箇所を目で確認できます。

Wi-Fi機能を活用して、データ取得にかかる工程を削減できる点も人気の理由です。

上記2製品含め、多数お取り扱いございますので、サーマルカメラに興味のある企業担当者の方は、お気軽にお問い合わせください。

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