体温測定可能なサーモグラフィー導入前に把握すべきこと|おすすめ商品4選
ショッピングモールやイベント会場、病院、飲食店などさまざまな場所で活用されている「サーモグラフィー」・「サーマルカメラ」。
感染症対策として、サーモグラフィーやサーマルカメラで体温測定するのは日常的になっています。
しかし、体温測定可能なサーモグラフィー導入を検討していても、どのような点に注意すればいいのか、何を理解しておけばいいのかわからないこともあるのではないでしょうか。
今回は、サーモグラフィー導入のメリットや注意点、おすすめ商品をご紹介します。
施設や店舗に導入を検討している担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
サーモグラフィーとは
サーモグラフィーで体温測定できるとわかっていても、意味や似た商品との違いを理解できていないこともあります。
まずは基礎知識を身につけていきましょう。
サーモグラフィーの意味
サーモグラフィ―とは、人間の目に見えない赤外線で物体の表面温度を測り、温度差によって色をわけて表示する機器のことです。
体温測定のほかにも、設備や機械の診断をする際にも使用されます。
サーマルカメラとの違い
サーマルカメラとは、物体の温度を検知できるカメラのこと。
サーモグラフィーはサーマルカメラが映し出した画像や映像を指します。
そのため、サーモグラフィ―は画像・映像のこと、サーマルカメラはカメラ単体のことになります。
スポット放射温度計との違い
サーモグラフィ―によく混同される機器に、スポット放射温度計があります。
スポット放射温度計とは、ハンディタイプ(ガンタイプ)の検温器を意味します。
店舗に入る際、額や手首につけて温度だけを表示するタイプを見た経験があるのではないでしょうか。
その機器がスポット放射温度計です。
サーモグラフィ―と似た仕組みを持ちますが、スポット放射温度計は熱分布画像・映像を映し出せません。
そのため、サーモグラフィ―のような画像を表示したい場合にはスポット放射温度計は使用できないのです。
サーモグラフィー・サーマルカメラで体温が測定できる仕組み
サーモグラフィー・サーマルカメラで体温が測定できる仕組みを解説します。
赤外線で温度を測る
人間は体に熱を持ち、赤外線を放っています。
赤外線とは見えない電磁波のことで、地球上の物体すべてが放っているものです。
サーモグラフィーは温度を直接測るのではなく、赤外線によって温度を導き出します。
そのため、体温計のように直接肌に触れなくても、サーモグラフィーが赤外線を検出することで温度がわかります。
熱分布画像で温度を可視化する
サーモグラフィーで換算した温度は、サーモグラフィーやサーモカメラを通して、熱分布画像(色のついた画像)で可視化されます。
赤外線が強く温度が高い場合は赤く表示され、赤外線が弱く温度が低い場合は青く表示されます。
高温の赤・低温の青は意識せずとも温度情報を読み取れるため、赤と青が使用されているのです。
体温測定にサーマルカメラを導入するメリット
体温測定に接触型の体温計を利用せず、サーモカメラを導入するメリットは以下の通りです。
- ・接触せずに温度を計測できる
- ・暗い場所でも計測できる
- ・リアルタイムで計測してくれる
- ・設置が簡単である
- ・無人計測できる
- ・発熱者がいると通知してくれる
- ・企業のPRになる
順に解説していきます。
接触せずに温度を計測できる
サーマルカメラは赤外線によって体温を計測できます。
そのため、人に触れずに体温計測が可能です。
接触せずに計測できるため、感染症対策としても有効でしょう。
暗い場所でも計測できる
通常のカメラで何かを撮影すると、光がなければ暗い写真になってしまいますよね。
しかし、サーマルカメラは赤外線を捉えて映像・画像を映し出すため、光が必要ありません。
そのため、暗い場所でも計測できることがサーマルカメラを活用するメリットです。
また、霧や煙の中など視界が悪い場所で使用できることも、特徴のひとつです。
リアルタイムで計測してくれる
対象の人の温度変化をリアルタイムで測定できることも、サーマルカメラのメリットです。
機器のよっては、対象の人が動いていても広範囲を撮影し、温度測定ができるものもあります。
設置が簡単である
サーマルカメラは明暗関係なく体温測定ができます。
光を気にしなくてもいいため、設置が簡単であることがメリットです。
最近では、商業施設や飲食店、病院などに設置されることが増えたサーマルカメラは、設置が簡単なものも増えています。
タブレットタイプでは、三脚と電源をつけるだけで設置が可能です。
無人計測できる
ハンディタイプの測定機械では、必ず測定担当者が必要です。
しかし、サーマルカメラであれば機器の前に人が通るだけで体温測定できるため、無人で活用できます。
体温計測のために人員を割く必要がないことは嬉しいポイントでしょう。
発熱者がいると通知してくれる
機器によっては、発熱者がいると通知してくれる機能もあります。
発熱者を検出できることに加え、常に画面を監視しておく必要がないこともメリットだと言えます。
企業のPRになる
企業にサーマルカメラを導入すれば、感染症対策への取り組みをアピールできます。
従業員や来訪者の体温測定を行うことで、安心してその場に滞在できると言えます。
また、毎日従業員の体温測定を行えば、健康状態や労働状況の把握も可能。
健康経営につなげることもできるでしょう。
サーモグラフィー・サーマルカメラで体温測定する際の注意点
サーモグラフィー・サーマルカメラで体温測定する際は、以下5つの注意点を押さえておく必要があります。
- ・正式な体温計として使えない
- ・体温計より価格が高い
- ・ウイルス感染者の判別はできない
- ・寒暖差の激しい場所では正確な計測ができない
- ・ガラスやアクリル板越しの計測はできない
順に解説していきます。
正式な体温計として使えない
サーマルカメラは正式な体温計として使用できません。
なぜなら、厚生労働省告示第112号により、以下のように定められているからです。
[使用目的又は効果]
測温部を部位に接触させて、腋窩、口腔(舌下)、直腸の体温を測定し、最高温度を保持しデジタル表示すること。
引用:医薬品医療機器総合機構「医療機器等基準関連情報 別表3-32:電子体温計基準」
サーマルカメラは非接触で体温測定を行います。
加えて、デジタル表示ではなく色で温度を識別するため、正式な体温計として使用できないのです。
体温計として正式には使えませんが、おおよその体温の計測はできます。
そのため、細かな体温の測定が必要のない場合は十分に活用できるでしょう。
ただし、機器によっては実際の体温より低く出ることもありますので注意してください。
関連記事:「サーモグラフィの欠点をカバー!導入・運用で失敗しない4つのコツ」
体温計より価格が高い
接触型の体温計と比べ、サーモグラフィーを利用して体温を測定するサーマルカメラは価格が高いです。
予算の少ない方にとって価格が高いことはデメリットに感じるかもしれません。
しかし、無人計測できることや対象物が動いても測定できることなど、さまざまなメリットを見ると価格が高いことに納得できるでしょう。
関連記事:「サーモグラフィの値段は?相場と選び方、おすすめ商品を紹介」
ウイルス感染者の判別はできない
サーマルカメラは温度を計測する機器です。
そのため、ウイルスの感染有無は判別できません。
正常体温の方の中には無症状・まだ症状が出ていない方もいる可能性があります。
寒暖差の激しい場所では正確な計測ができない
サーマルカメラは、体温自体を測っているのではなく、身体表面の温度を測定しています。
そのため、極度に寒い・暖かい場所では表面の温度が一定になりません。
室温に慣れた状態で測定すれば、より正確な体温が表示されます。
ガラスやアクリル板越しの計測はできない
ガラスやアクリル板越しでは計測できません。
計測は無人で行われるため、感染症対策のガラスやアクリル板は必要ありません。
そのため、注意点として重視する必要はないでしょう。
おすすめサーマルカメラ4選
ここからは、おすすめ商品を4つ紹介していきます。
体表面温度測定サーマルカメラ『3R-TMC05』
体表面温度測定サーマルカメラ3R-TMC05は、卓上・壁掛けで利用できるサーマルカメラです。
薄型なコンパクトサイズであるため、限られたスペースでも設置可能です。
3R-TMC05の特徴は、スピーディーな体温測定ができること。
約0.2秒で顔認証し、測定できるため混雑の心配がありません。
また、独自のAIアルゴリズムが搭載されており、マスク・眼鏡着用時でも高い精度で顔認証してくれます。
もう1つの特徴は、さまざまな結果を通知してくれることです。
体温が高い場合に警告音を出すことはもちろん、設定すればマスク未着用者にも通知を出せます。
施設内の感染症対策のために非常に有効的でしょう。
体表面温度測定サーマルカメラ3R-TMC04
体表面温度測定サーマルカメラ3R-TMC04は、複数人同時に測定できるサーマルカメラです。
大型商業施設やオフィスビル、イベント会場など多くの来訪者の体温を測定する際に便利だと言えます。
3R-TMC04の特徴は、高精度であることです。
最長4メートル離れた複数人の顔を検知し体温測定できる精度であるため、スムーズかつ効率的に測定できます。
また、他社製サーモグラフィーカメラは測定精度±0.5℃の誤差が多いですが、3R-TMC04は誤差±0.3℃での測定が可能です。
もう1つの特徴は、計測結果を記録できること。
測定者の顔画像と体表面温度は自動で記録してくれるため、見逃してしまった場合や確認したい場合にでも追跡できます。
サーマルカメラ3R-TMC02・3R-TMC03、3R-TMC06
サーマルカメラ3R-TMC02・3R-TMC03は、パソコンに接続せずに使用できるモニター型サーマルカメラです。
難しい設定や必要な設備がないため、簡単に導入できることがうれしいポイントです。
最短約1.2秒で測定結果を表示・音声通知ができるため、誰でも結果がわかりやすいでしょう。
また、カメラの高さと角度が調整できるため、大人から子どもまで対応可能です。
バージョンアップしたサーマルカメラ3R-TMC06では、しきい値の変更が可能に。
以前のサーマルカメラでは、警告できるしきい値が37.5度から変更できませんでした。
しかし、3R-TMC06では37.0度~43.0度の間で変更することができます。
いつでも希望する警告しきい値に変更し、安全に滞在できるでしょう。
また、マスクチェック機能も追加されています。
未着用を判別し着用を促すことが可能です。
感染を予防したい場所では非常に有効的な機能でしょう。
サーマルカメラ3R-TMC01
サーマルカメラ3R-TMC01は、不特定多数の人が利用する施設でもスムーズに検温できる機器です。
6人まで同時測定ができるため、密が発生しません。
3R-TMC01の特徴は、最長2メートル離れた人でも瞬時に感知してくれること。
サーモグラフィーに加えて可視カメラが搭載されているため、素早く高精度な検知が可能です。
また、スタッフの配置も必要ありません。
サーマルカメラの前を通過するだけで体温測定し、基準を超える体温であればソフト画面上に対象者の映像が表示されるためその場で入館を制限できます。
スタッフの配置による感染や人件費をおさえられるのはうれしいポイントでしょう。
安心して滞在するために機能的なサーモグラフィー・サーマルカメラを選ぶこと
赤外線で物体の表面温度を測り、温度差によって色をわけて表示する機器であるサーモグラフィー・サーマルカメラ。
非接触測定で感染リスクを低下させるメリットだけでなく、設置の簡単さや人員削減、企業のPRに有効などさまざまなメリットがあります。
一方、正式な体温計として使えなかったり、ウイルス感染者の判別ができなかったりなど注意点はあります。
しかし、安心して施設を利用するための基準として、サーモグラフィー・サーマルカメラの導入は大きな意味を持ちます。
サーモグラフィー・サーマルカメラ導入の際には、活用場所や必要機能を考え、複数の商品を比較しましょう。
スリーアールソリューションでは、シンプルな機能と最低限の付属品にとどめることで低価格の導入をサポートしています。
三脚やモニター、パソコンなど必要設備はお持ちのものを活用できるため、価格を抑えられるでしょう。
導入検討されている方はお気軽にお問い合わせください。