サーモグラフィの安い高いはどう違う?仕様や品質について徹底解説!
消費者の方々が何か物を購入する際、価格は製品選びの重要なポイントになっているはずです。
特にサーモグラフィーのように専門性が高い製品の場合、ただ価格が安い物を選択すれば良い訳ではありません。
サーモグラフィーの使用場面を想定してみると、製品開発の分野から医療関係の分野までさまざまですが、そのどれもが一定の機能を求められています。
一般的には価格が高いものは機能や測定の信頼性が高く、価格が安いものは値段相応の機能しか有していないことの方が多いでしょう。
そこで本記事では安いサーモグラフィーを探しているが、安かろう悪かろうの商品選定にならないよう、使用や品質に通いて解説していきます。
今後、事業の中でサーモグラフィーが必要になるような企業の担当者の方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
サーモグラフィーとは
サーモグラフィーとは、画面に映し出されている物質の温度を可視化する装置のことを指しています。
その原理としては、物質から発せられる赤外線を分析することで熱として変換し、画面に出力させます。
例えば、新型コロナウィルスの流行により病院や商業施設の入り口に大きなモニターが用意され、出入りする人の温度を映し出している光景は日常的になってきました。
赤外線は、人間の表面や物質の表面からも少なからず発生しているため、サーモグラフィーで温度が計測できる仕組みになっています。
サーモグラフィーについて詳しく知りたい方は、サーモグラフィーとは?仕組みや原理、サーマルカメラとの違いなどの記事で解説しているので、参考にしてみてください。
安いサーモグラフィはいくらから買える?
サーモグラフィはさまざまな価格帯の製品が存在しますが、安いものだと10,000円以下で購入が可能な場合もあります。
しかし、企業でも個人でも何か製品を購入する際は見積もりを取得するのが一般的です。
それがサーモグラフィであったとしても考え方に変わりはないでしょう。
安いサーモグラフィといっても、一概に価格に決まりはありません。
機能が充実しているのにサーモグラフィの価格が安くコスパの高いサーモグラフィもありますが、一方で、価格が高く機能面が非常に充実した製品もあります。
どうしても製造元の企業努力により価格と機能面にはばらつきがあるため、次の項目で価格の違いによる使用比較を解説いたします。
詳しいサーモグラフィの相場については、サーモグラフィの値段は?相場と選び方、おすすめ商品を紹介の記事で解説しているので参考にしてみてください。
サーモグラフィの安い高いはどう違う?仕様比較
どのような製品においても価格によって製品に違いがありますが、サーモグラフィでも価格によって少なからず仕様に違いがあります。
ここでは価格による仕様の違いについて、下記のポイントに注目して解説していきます。
- ・測定温度範囲
- ・熱画像解像度
- ・測定の精度
このポイントはサーモグラフィの仕様としては一般的な項目でもありますが、価格の差がそのまま出やすい項目でもあります。
そのほかにも製品に付随して、より使いやすいように製品ごとに工夫が施されたりもしています。
価格によるサーモグラフィの仕様の違いを理解して、実際の使用環境に適したサーモグラフィ選定の参考にしてみてください。
高価なサーモグラフィ
高額なサーモグラフィの例はスリーアールソリューション社で取り扱いのある赤外線サーモグラフィ「T -Cam300」です。
主な仕様は下記の通りです。
測定温度範囲 | -20°C~550°C |
熱画像解像度 | 256 × 192 |
測定の精度 | ±2%または±2℃どちらか大きい方 |
チェックポイントだけを見ても、測定温度範囲が広く、出力される熱画像の解像度も高くなっています。
そのほかにも、電気検査や住宅・建物検査に使用可能な専用のアプリケーションも存在しており、ユーザーの役に立つ便利な機能が多くあります。
工業分野や精密機器の検査など、正確な測定が求められる場合などに高額かつ高性能なサーモグラフィがおすすめです。
安価なサーモグラフィ
安価なサーモグラフィの例はHIKMICRO社のEL1ハンディサーモグラフィカメラです。
主な仕様は下記の通りです。
測定温度範囲 | -20 °C~550 °C |
熱画像解像度 | 160 × 120 |
測定の精度 | ±2%または±2℃どちらか大きい方 |
前述したT -Cam300との多いな違いは熱画像解像度にあります。
熱画像解像度が高ければ測定画面はクリアに映し出され、温度の境界などもくっきり映りますが、解像度が落ちてしまうとぼんやり写ってしまうのです。
専用の解析アプリについてはT -Cam300と同様に用意されていますが、パソコンと接続し測定した結果の保存が可能です。
一方で解析の機能は付属していないので、各種検査で使用を考えている場合の使用は推奨されません。
単純にサーモグラフィを使用して対象物の温度測定を実施したい場合におすすめです。
廉価なサーモグラフィ
多くの製品にも存在している廉価版と呼ばれる製品がサーモグラフィにも存在しています。
その多くは中国製の製品であり価格も17,000円程度と非常に安くなっているのが特徴です。
主な仕様は下記の通りです。
測定温度範囲 | -10°C~400°C |
熱画像解像度 | 32 × 32 |
測定の精度 | 不明 |
廉価版の特徴として、測定可能な温度範囲は問題なさそうに感じますが熱画像解像度が非常に数値が低いため、非常にぼんやりした画像が出力されるのが特徴になっています。
そのため、正確な測定が求められる分野での測定にはあまり向かないかもしれません。
もし購入を検討される場合は、しっかりと求めている機能が備わっているかどうかを確認してください。
各種の仕様比較
3つの種類の仕様を紹介しましたが、全体の比較を下記にて紹介します。
T-Cam300 | EL1 | 廉価版 | |
測定温度範囲 | -20°C~550°C | -20 °C~500°C | -10°C~400°C |
熱画像解像度 | 256 × 192 | 160 × 120 | 32 × 32 |
測定の精度 | ±2%または±2℃どちらか大きい方 | ±2%または±2℃どちらか大きい方 | 不明 |
価格の違いにより大きな差が生まれるのは熱画像解像度の部分です。
これは測定して出力された画像の出力ですが、やはり高いほどくっきりと熱を持った対象物の境目が表示されますが、低くなってしまうとぼんやりと出力されます。
正確な測定が求められる分野での使用を想定している場合は、高価でも解像度の高い製品の使用がおすすめです。
安いサーモグラフィを選んでも良い人
一方で安いサーモグラフィを選んでも良い人は、使用を想定している環境において、出力される画像の解像度が低くても問題ないケース。
例えば、工業分野や精密機器の測定となる場合、熱を発している場所、そして熱の境目などを正確に測定して検査までしなければなりません。
もし仮に、対象物の温度を測定するだけで問題ないような場合であれば安いサーモグラフィを選んでも問題ないでしょう。
そのほかにも、家庭で紅茶やコーヒーのマグカップの温度を測ったり、ガスコンロの火の部分の温度を測ったりするような個人での使用を考えている人も安いサーモグラフィで事が足りるはずです。
また、企業が開催する各種イベントなどで単発的にサーモグラフィを使用したい場合などには、サーモグラフィの購入費用も多くかけられないことから安いサーモグラフィで問題ないでしょう。
ただし、その場合は購入ではなくレンタルや中古品の購入なども選択肢の一つに上がるため、ぜひスリーアールソリューション社に問い合わせください。
使用用途に適したご提案をさせていただきます。
予算に合わせたサーモグラフィーの選び方
サーモグラフィは使用用途や環境に応じて製品を選ぶ必要はありますが、企業にとっては予算も非常に重要なポイントです。
なぜなら企業は営利組織であり、利益を追求するため購入品も価格が安ければ安いほど利益が確保できるからです。
例えば、あまり使用頻度が多くない場合に非常に高価なサーモグラフィを購入した場合、費用対効果を考えると利益が残りづらくなってしまいます。
そのほかにも測定の環境がシビアな場合にはサーモグラフィ自体の耐久性や測定の精度、長期的な使用を想定しているかいないかなど、さまざまな要因から製品の選択をするべきです。
企業にとって何か製品を購入するなどの場合には予算も非常に重要なポイントではありますが、安物買いの銭失いとならないよう、実際の使用に適したサーモグラフィを選択するようにしましょう。
まとめ:無駄なコストがかからないよう安価なサーモグラフィを選ぶ際は慎重に
サーモグラフィには価格による機能の差があるため、使用したい環境や対象物によって製品を選択する必要があります。
企業の担当者によっては会社の指示で予算が決められており、予算内でしかサーモグラフィを用意できない場合もあるでしょう。
しかし、安くても求める機能が揃っており問題なく測定ができる場合以外は、しっかりと予算と購入するサーモグラフィの機能を吟味する必要があります。
万が一、安い価格のみを重視し、求める機能が揃っていないサーモグラフィを購入してしまうと、使用ができない場合もあります。
もしそうなってしまった場合は新たに使用可能なサーモグラフィを用意しなければなりません。
つまり、2台のサーモグラフィを購入することになり、結果的に余計なコストがかかり予算を超過することになります。
無駄なコストがかからないためにも安いサーモグラフィの購入を検討する場合は慎重に選択をしましょう。
スリーアールソリューション社では複数の価格帯のサーモグラフィを取り扱っておりますので、貴社が求めている最適なサーモグラフィのご提案をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。