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井戸水の水質検査の必要性とは?方法や注意点・事前の確認事項を解説

井戸水の水質検査の必要性とは?方法や注意点・事前の確認事項を解説

近年、台風や大雨、地震などの自然災害の影響により、井戸をはじめとした貯水槽の確保が注目されるようになりました。

地方で経営する飲食店や旅館のなかには、自家製の井戸が設置されているところも珍しくありません。

場合によっては、井戸水を提供していたり日常の生活用水として活用したり、なくてはならない存在に感じている方もいるでしょう。

「安全な水の提供」が求められるため、井戸水の水質検査の必要性を詳しく知りたいと思っている事業者もいるのではないでしょうか。

今回は井戸水の安全な利用に欠かせない水質検査の必要性や検査方法などについて解説します。

井戸水の水質検査を依頼する業者選びや、検査キットの選び方について把握していただき、ぜひ今後の業務に活かすための参考にしていただければ幸いです。

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井戸水の水質検査について

井戸水の水質検査について

井戸水の水質検査は、1957年(昭和32年)6月15日に策定された水道法に基づき、法律第177号として定められました。

水道水の水質基準は最大で51項目に分類されており、さまざまな成分を検査できます。

なお、保健所では水道法51項目のうち、主に井戸水の糞便汚染指標になっている一部の検査項目の水質検査を依頼可能です。

また井戸などの水質検査は、厚生労働省の「飲用井戸等衛生対策要領」のなかで、飲用井戸を設置した責任者は年に1回以上の水質検査の実施が推奨されています。

井戸水の水質検査は義務のケースもある

井戸水の水質検査の実施は、飲用水として活用している場合や規模の大小によって義務化が決まります。

検査していない井戸水には細菌が潜んでいる可能性があり、飲用水として使用すると人体に害は発生するためです。

また水道法第22条で定められている内容によると、水道水を使用している井戸の場合は、管理者に対して「消毒による管理」が求められています。

水道水を使用している場合は、飲用水として安心して提供できるよう、水質検査を徹底してください。

参照:厚生科学審議会生活環境水道部会水質管理委員会「水道法第4条及び第22条等の関係について」

定期的に検査を行う

水道水を使用している井戸水は水質検査の対象であり、水道法第22条によって消毒管理なども義務づけられています。

水質検査を実施するペースは、年に1回程度を目安にしてください。

飲用水として使用する予定のない井戸水でも、水質検査などの定期的なメンテナンスを怠ると、悪臭や虫の発生、老朽化による陥没につながる可能性があるため危険です。

水道水を使用している井戸水の水質検査はもちろん、義務化されていない場合でも、衛生面・安全面の観点から、管理方法に注意してください。

11項目〜51項目のさまざまな検査タイプがある

水道水による井戸水を日常的に使用する場合、最大51項目〜11項目に分類されて検査を行うのが一般的です。

飲用水として使用する井戸水を新設した際には、基本的には51項目の検査を実施します。

検査項目が多ければ、細かい検出が行えるため、安全性も高まる傾向にあります。

深井戸の場合は、不圧帯水層や中地下水(被圧帯水層)、深層地下水、不透水層などのさまざまな地層水の影響を受けるタイプの井戸です。

そのため、より高い安全性を求めるために51項目の検査が推奨されています。

また浅井戸の場合は、不圧帯水層などの限られた地層からの影響に限られますが、必ずしも安全とはいえません。

浅井戸は生活用水や雨水、工業用水の影響も多分に受けるからです。

どのような状況の井戸水でも、水質検査を行うことで安全性が確認できるので、義務化の有無に関わらず管理・検査を徹底しましょう。

井戸水の水質検査が必要な理由

井戸水の水質検査が必要な理由

井戸水は安全性が確認されていれば、飲食店として水を提供したり、一般家庭での生活用水として使用したり、幅広く活用できます。

井戸水の水質検査を実施すべき理由を把握しておくことで、より安全に使えるため、ぜひ参考にしてください

飲料水として使用する井戸水は水道法で水質検査が定められているため

飲用水として使用する井戸水は、水道法により水質検査が義務化されているため、必ず水質検査を行いましょう。

また水道水の飲用水は、水道水第22条で消毒の実施も定められています。

なお、以下は公益財団法人「日本地下水学会」による井戸水の水質検査の義務についての回答内容になるので、詳しく確認したい方はぜひご参照ください。

参照:公益社団法人:日本地下水学会

すべての井戸水が安全とは限らないため

井戸は地中を深く掘り下げるため、濾過された綺麗な地下水が汲み取れるイメージがあるかもしれませんが、すべてが綺麗な井戸水とは限りません。

同じように、濾過が不十分だと考えられている浅井戸も、すべてが不衛生と断言することは難しいでしょう。

深井戸で濾過されているから安全であり、浅井戸で濾過が足りていないから不衛生と判断できないため、水質検査によって判断する方法が最適です。

井戸水の水質を検査する方法

井戸水の水質を検査する方法

井戸水の水質検査方法は、主に2つの選択肢から選ぶのが一般的です。

  • ・自治体、保健所が推奨している民間の水質検査業者に依頼
  • ・検査キットを購入して自分で検査

それぞれの特徴を把握することで、井戸水を安全に使用できる可能性が高まります。

自治体・保健所、民間に依頼

井戸水の水質検査する方法で、もっとも一般的なのが各自治体や保健所、民間の企業への依頼です。

自治体や保健所に依頼する場合は、地域や行政ごとに検査項目が異なるため注意してください。

具体的な検査項目の一例は、以下のとおりです。

項 目 基準 項 目 基準
一般細菌 1mlの検水で形成される集落数が100以下 塩素酸 0.6mg/L以下
大腸菌 検出されないこと カルシウム、マグネシウム等(硬度) 300mg/L以下
鉛及びその化合物  鉛の量に関して、0.01mg/L以下 鉄及びその化合物 鉄の量に関して、0.3mg/L以下
フッ素及びその化合物 フッ素の量に関して、0.8mg/L以下  臭気 異常でないこと

さらに詳しい検査項目を確認したい方は、以下の厚生労働省が公表している「水質基準項目と基準値」をご参照ください。

参照:厚生労働省「水質基準項目と基準値(51項目・27項目)」

水質検査などを専門としている業者に依頼

各自治体に依頼する以外の方法は、行政が推奨している民間の業者への依頼です。

事前に水質検査を依頼することで、当日にサンプル採取をしてくれたり、郵送したサンプルの解析を行ったり、柔軟に対応してくれます。

なお水質検査を民間業者に依頼する際には、各行政のサイトで紹介されている専門機関や業者に相談すると、より安心できるといえるでしょう。

具体的な団体名などの一例としては、以下が挙げられます。

  • ・一般社団法人 埼玉県環境検査研究協会(埼玉県)
  • ・一般社団法人 群馬県薬剤師会(群馬県)
  • ・一般財団法人 千葉県薬剤師会検査センター(千葉県)
  • ・株式会社 科学技術開発センター(長野県)
  • ・環境保全株式会社(青森県)

など。

水質検査に関わる担当者は、お住まいの地域の民間業者をお調べください。

井戸水の水質検査でかかる費用

井戸水の水質検査を行政などに依頼する場合は、各自治体や検査内容・検査項目数、場所によって異なります。

水質検査における明確な相場は存在しませんが、水質検査項目ごとのおおまかな検査費用を紹介するので、依頼する際の参考としてご確認ください。

51項目の水質検査にかかる費用

51項目からなる水質基準の検査項目を検討する場合は、5万円〜10万円前後の費用をみておきましょう。

新たに井戸の設置工事を行った場合に実施されることが一般的であり、もっとも細かい項目によって検査結果を出すことができます。

検体の解析を行う業者のなかは、1台1,000万円以上の高額な水質検査機器によって検査を実施しているところも珍しくありません。

51項目による水質検査にかかる費用は、下限金額が約5万円前後からで、検査を実施してから約2週間ほどかかることを押さえておきましょう。

※実際の金額や期間は検査を依頼される業者に確認とってください。

51項目以外(11項目〜27項目など)による水質検査にかかる費用

11項目〜27項目からなる水質検査にかかる費用は、約1万円〜2万円前後です。

51項目と比較して、半分以下の項目で済むため、手軽な水質検査として定期検査などの場で頻繁に実施されています。

水道水を使用した飲用水として井戸水を利用している場合は、51項目の検査が必要です。

しかし飲用水以外であるプール、お風呂、洗濯、その他生活用水の水質検査を実施する場合には、11項目〜27項目などの内容でも問題ないといえるでしょう。

なお、11項目〜27項目の水質検査のにかかる費用は、約1万円〜2万円ほどであり、検査を実施してから約1週間ほど時間がかかります。

※実際の金額や期間は検査を依頼される業者に確認とってください。

井戸水の水質検査を行う際の機器や業者の選び方

井戸水の水質検査を行う際には、検査キットを購入して自分で検査する方法と、検査を実施してくれる専門業者に依頼する方法があります。

以下では、自分で検査する場合に必要な検査キットの選び方や、業者に依頼する場合の方法をそれぞれ解説します。

自分で水質検査を実施する場合の検査キットの選び方

水質検査では、pH(アルカリ性・中性・酸性)、kh(炭酸塩素硬度)、ci2(塩素濃度)、p04(リン酸濃度)などの成分を検査できる機器を選ぶことが重要です。

また個人で実施できる水質検査キットは、大きく分け3タイプの機器に分けられます。

  • 試験紙タイプ
  • デジタル機器タイプ
  • 液体タイプ

特に精度の高いタイプは、デジタル機器タイプです。

ほかの検査キットと比較して、金額が高い点と定期的なメンテナンスが必要な点がデメリットですが、水道水を利用した飲用水用の井戸水の検査には欠かせません。

なお弊社、スリーアールソリューションでは衛生用品や各種検査機器の提供もしており、今回の水質検査にもご活用いただける製品を各種取り揃えているため、気になる製品があった場合は、ぜひ以下のURLよりお申し込みいただけますと幸いです。

スリーアールソリューション株式会社:「製品カタログダウンロード申し込み」

民間の検査機関に水質検査を依頼する場合の業者の選び方

民間の検査機関に水質検査を依頼する場合は、各行政のサイトで推奨されている業者のなかから選ぶ方法がおすすめです。

水質検査を実施している業者であれば、すべてが安心とは限りません。

高い精度の水質検査を実施してくれる業者や、実績がしっかりしている機関に依頼したい場合は、各行政のサイト内で紹介されている業者のなかから選ぶことを意識しましょう。

井戸水の水質検査を行う際の留意点

放射線測定器の注意点

井戸水の水質検査を業者に依頼する場合には、行政サイトで推奨されている機関のなかから選ぶのがおすすめです。

それ以外の方法は、自身で検査を実施する方法がありますが、以下では自分で検査する場合の水質検査で留意すべきポイントを紹介します。

採取前に手洗いを入念に行う

水質検査事に井戸水を採取する場合には、手に付着した細菌が容器内に混入しないように、しっかりと手洗いを行ってから作業に移りましょう。

手は日常的にさまざまな物に触れるため、衛生的にした状態で検査を実施する必要があります。

場合によっては、手に付着した細菌などが井戸水に混ざって、異物を検出してしまう可能性もあります。

確実に井戸水の水質検査を実施するためにも、手に付着しているさまざまな細菌をしっかりと洗い流してから検査に移りましょう。

採取容器は清潔な状態に保っておく

手の衛生状態と同じように、井戸水を採取して保管しておくための容器も、可能な限り清潔にしておく必要があります。

サンプル採取容器の保管状態が悪いと、水質調査する前からさまざまな菌の影響を受けかねません。

採取容器を衛生的な場所で保管しておき、検査時にも念の為、除菌を行ってから作業することをおすすめします。

雨天時などには雨水の混入を防ぐ

井戸水の水質検査時には、雨水と井戸水が極力、混ざり合わないように注意しながら採取作業を行いましょう。

都市部や山間部によって、雨水に含まれる大気汚染物質量が変化します。

そのため、井戸水の水質検査の際に雨水が混入しても、検査結果にまったく影響がないとは言い切れません。

正しい数値を把握するためにも、水質検査を行うときには、雨水の混入に注意しながら実施してください。

まとめ:井戸水の水質検査は義務化の有無にかかわらず実施するのがおすすめ

まとめ:井戸水の水質検査は義務化の有無にかかわらず実施すると安心して使用できます

井戸水の水質検査は、井戸の規模や利用状況などによって水道法で義務化されていたり、検査を行わずに利用できたり、さまざまです。

飲用水として使用する場合は、人体への悪影響が懸念されるため、水質検査の義務化や消毒の実施が定められています。

水道法によって義務化されていない井戸水でも、水質検査を実施することで災害時に安心して利用できるでしょう。

水質検査は行政や民間企業に依頼するほか、検査キットによる独自の水質検査も可能です。

井戸水は生活用水としても使用できるほか、飲用水としても使える貴重な水なので、ぜひ今回の内容を参考に、安心できる水質検査をご検討ください。

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