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pH管理によって防げる食品の品質悪化や体への影響|測定方法も

pHと聞くと、水質確認のために必要となる数値だと思っている方も多いことでしょう。

しかし食品に関してもpHの数値は、食品業界における製造工程の品質管理や確認の場面で使用されています。

細菌対策や食品の品質維持などに食品の品質管理には、pHを測定し管理することが大切です。

そこで本記事では、pHと食品の関連性について紹介していきます。

また、偏ったpH食品の食事をした際に想定される体への影響についても、紹介しています。

食品のpHについて知りたい方は参考にしてください。

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食品におけるpHについて

pH(ペーハー)とは、水素イオン濃度の略称であり、アルカリ性や酸性、中性といった水質を示す際に用いられる測定単位です。

pHには0〜14の数字があり、7を中性。7より小さいと酸性、大きい場合にはアルカリ性と水質を表します。

またpHが酸性より場合には水素イオンは少ない状態。反対にpH値がアルカリ性の場合には、水素イオンが多い状態です。

あらゆる食品においても、pHが存在しています。

食品の品質管理や発酵状態を確認する場面など、食品製造の場でもpH測定は用いられています

pH管理によって防げる食品のアレコレ

食品の製造工程のなかでは、食品添加物でpH調整剤が使用されることがあります。

食品の適正なpH値を調整することで食品の品質を保つためです。

また、その他にも食品とpHは、食品の品質管理の際に使用されています。

そこで食品の品質管理の場で使用されるpHについて、以降でさらに詳しく解説していきます。

微生物の増殖を防げる

食品中には、カビや酵母、一般細菌などの原因となる、目に見えない微生物が増殖していきます。

増殖する微生物を抑えるための方法として使用されているのが、pHの調整です。

微生物が増殖するのに適したpHの数値は以下のとおりです。

  酸性生育限界値(pH) アルカリ性生育限界値(pH)

生育に最適な値(pH)

カビ 2.0 8.5 5.0~6.5
酵母 3.0 8.5 4~5
一般細菌 5.0~5.5 8~9 6~7
大腸菌 4.5 9.0 7.0~7.5
コレラ菌 5.0 9.6 7.6

 

 

 

 

 

 

 

カビや酵母の成長、増殖を止めたいといった場合には、pH調整剤などを使用して生育に最適な値から外すことで、微生物の増殖を防ぐことができます。

発酵食品の管理ができる

わたしたちが普段から食する発酵食品(納豆・漬物・味噌・醤油)などの和食系から、ヨーグルトやパンなどの洋食系にいたる発酵食品の品質管理でpHが管理されています。

発酵食品の品質が保たれるかは、発酵微生物の正常な働きが欠かせません。

たとえば、醤油は乳酸菌の働きによりpHが低下していき、発酵された醤油の正常なpH値は4.7〜5.0程度になります

しかし、本来あるべきpH値より大きい場合には、発酵微生物が正常に働いていない可能性があります。

pH値を計測し、必要であればpH調整剤を使用しましょう。

食品の変色や沈殿、分離などを防ぐ

牛乳や全粉乳、脱脂粉乳などの乳成分(タンパク質)が多く使用されるヨーグルトやパンなどは、pHの低下によって変色や沈殿、分離などの原因になります。

対策するためには、pHを高める調整が必要です。

また、反対に乳成分が含まれない食品の場合、pHが4〜5の酸性領域だと細菌などの活動が低下します。

ゆえに日持ちを向上させるためにpHを下げる調整も必要とする場合があります。

食品のpHを測定する方法

食品のpHを測定するためには、pH測定機器を使用するのが一般的です。

pH測定機器には、肉やチーズなど固形物の測定に適した突き刺し型やワインやビールなど飲料系に適した電極があるなど、それぞれの食品に適したpH測定機器があります。

発酵工程には、温度が比較的に高い場所での使用されるため、温度への耐久性に優れたpH測定機器もあります。

このようにpH測定機器には、さまざまな種類があるため、測定する食品に合わせたpH測定機器を使用が大切です

以降よりそれぞれの食品に関して、更に詳しくpHを測定する方法を紹介しています。参考にしてみてください。

精肉や魚介のpHを測定する方法

精肉や魚介など固形物の食品のpHを測定するには、特殊電極を使用した測定方法があります。

従来の方法では、肉や魚を細かく刻んだうえでブレンドしてからpH電極を挿入して測る方法でしたが、測定時にエラーが発生することがありました。

また測定する際の電極の先端部分が球型だったため、測定する精肉に突き刺そうとした場合に、電極の感応膜が損傷するなどのトラブルがありました。

しかし、特殊電極を使用すれば、エラーが少なく高い精度の測定が可能です。また電極の先には、やりのような形状を選ぶことで精肉や魚肉に直接差し込みながら測定することが可能です。

チーズやヨーグルトなど乳製品のpHを測定する方法

チーズやヨーグルトなど乳製品を測定する場合には、一般用途で比較的簡易なpH計を使用する方法と、乳製品に特化した専用のpH計を使用して測定する方法があります。

一般的に使用されるpHで乳製品を測定した場合の精度は、あまり期待できません。

またチーズは、pHの誤差±0.1の誤差で品質が変わると言われています。

そのため、味に関しても品質管理として乳製品の食品を測定する場合には、乳製品やチーズ専用のpH計を使用することがおすすめです。

ビールやワインなどの飲料系のpHを測定する方法

ビールやワインなどpHを測定するためには、測定に適した電極を使用する必要があります。

そのため、品質管理という観点から計測するのであれば、ビールにはビール専用の適した電極での測定機器が必要です。

また、発酵工程が必要なワインやビールの製造工程においてpH値の変化は、発酵微生物の働きが落ちるため、味や色味などの品質に影響を及ぼします。

よって、専用のpH計を用意することが大切です。

食品のpHについて「酸性食品」と「アルカリ性食品」

食品には「酸性食品」と「アルカリ性食品」の2種類があります。

そこでここでは、2種類の食品について特徴や例を紹介します。

食品のpH値について知りたい方は参考にしてください。

酸性食品の例

以下のような食品が酸性食品の例です。

  • ・白米
  • ・玄米
  • ・大麦
  • ・小麦粉
  • ・そば粉
  • ・とうもろこし
  • ・うなぎ
  • ・バター

など。

私たちが普段食べている主食や加工食品などの多くは、酸性食品にあたります。

アルカリ食品の例

アルカリ性食品の特徴は、野菜系が多くあります

以下のような食品がアルカリ性食品の例です。

  • ・大豆
  • ・じゃがいも
  • ・にんじん
  • ・大根
  • ・ごぼう
  • ・キャベツ
  • ・たまねぎ
  • ・ほうれん草
  • ・トマト
  • ・りんご

など。

アルカリ性食品には、野菜やきのこ、果物が多いことが見てわかります。

ビーガンやベジタリアンでない限りは、自然と酸性食品を多く摂りがちになるため、アルカリ食品もバランスよく取ることが大切だと言われています。

食品のpHが及ぼす体への影響について

人間の体内にある血液中のpHは、7.35〜7.45と弱アルカリ性に保たれています

そのため、酸性食品を偏って食べすぎると以下のような健康に害を及ぼす可能性があります。

  • ・がん
  • ・頭痛や眠気
  • ・関節痛
  • ・肌荒れ
  • ・心臓疾患
  • ・骨粗しょう症

参考:健康支援センター『身体の酸性度(Ph:ペーハー)とがん、病気の関係』

健康のためには、酸性食品とアルカリ性食品のバランスの取れた食事が大切です。

そこで酸性食品とアルカリ性食品を偏って食べるた時に想定される体への影響について紹介します。

食生活改善の参考にしてみましょう。

酸性食品を食べ過ぎるとどうなる?

酸性食品を通って食べると、体内のpH値が酸性へと傾いてしまいます。

よく言われているのが酸性食品の食べすぎが原因による虫歯です。

酸性食品の酸は、虫歯の出す酸と同じ成分であるため、歯のミネラルを溶かし虫歯へと変わります。

1〜3日間程度、酸性のジュースの中に歯を浸しておくと、爪で削れすほど歯がやまらかくなります。

ゆえに虫歯予防のため、酸性食品を食べたあとは必ず歯を磨くことが大切です。

参考:医療法人社団まる歯『虫歯になりたくないなら、酸性の食品を極力避けたほうが良い理由!』

また酸性食品を摂取すると、人間の体内pHを弱アルカリ性に保とうとするために、腎臓が中和する働きをします。

具体的には、腎臓によって「重炭酸イオン」と呼ばれるアルカリ性の物質が血液に放出されることで、血液が弱アルカリ性に保たれます。

腎臓の機能が悪くなると、中和しきれず体が酸性に傾き、炎症やエネルギーの低下、免疫不全などを引き起こすリスクを高める原因にも。

アルカリ性食品を食べすぎるとどうなる?

酸性食品ばかり食べるのは健康に悪いと聞くと、アルカリ性食品を多く摂取したほうが健康のためによいと思う人が出てくるかもしれません。

しかし、近年の研究によってアルカリ性食品が体内で酸性に変化することが報告されるなど、アルカリ性食品だからといって安心できないのが現状です。

またアルカリ性食品である醤油や味噌、食塩などには、ナトリウムが多く含まれています。

このナトリウムの過剰な摂取は、高血圧やがんなど生活習慣病を引き起こす可能性を高くします。

酸性食品の食べすぎに注意すると同様にアルカリ性食品の食べすぎにも注意が必要です。

大切なのは、食品のpHを意識したバランスの取れた食事をすることです。

まとめ:食品の品質維持を徹底するにはpH管理が重要!測定器も食品専用を利用すること

本記事で、食品の品質管理にはpH測定がいかに大切か、ご理解いただけたかと思います。

少しでもpH値がズレてしまうことで、食品が正しく発酵しなかったり、発酵しすぎてしまったり。

また、味の劣化や腐敗の原因にもつながります。

食品加工や食品製造などの担当者はとくに、今回の記事でpH管理の重要さを理解し、今後の業務に役立ててください。

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