Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡とは?特徴やメリットを紹介!
近年、あらゆる業務のデジタル化が進んでいることで、顕微鏡においても例に漏れない時代となりました。
現在販売されているデジタル顕微鏡の種類はとても多く、便利な機能が付いている製品も多くあります。
その中に「Wi-Fi対応」という機能があります。
デジタル顕微鏡にWi-Fiが付いていることでどんなメリットがあるのか?疑問に思う方もいるかもしれません。
実は、デジタル顕微鏡を使用するうえでWi-Fi機能を活用することで、これまでのデジタル顕微鏡よりさらに使用用途の広がりや業務の効率化、改善などが期待されます。
そこで当記事では、Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡について特徴やメリットなど紹介していきます。
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡の導入を検討している企業の経営者や担当者の方は、本記事を参考にしてください。
目次
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡とは
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡とは、顕微鏡本体からWi-Fiを飛ばし、Wi-Fi対応のタブレット・スマホ・パソコンなどの各デバイスに観察物を映し出し観察できる顕微鏡です。
デジタル顕微鏡は「有線式」と「無線式」に分類され、Wi-Fi機能は無線です。
各デバイスとデータ共有するためのケーブルがないため、観察中に接続コードが邪魔になることがありません。
また通信環境があれば、どこでも観察からデータの送信や保存まで、一連の流れをデジタル顕微鏡本体のみで行うことができます。
ゆえに従来のような「観察物を顕微鏡まで持ってくる」のでなく「観察物のある現場で直接観察する」といった、Wi-Fiを有効利用した観察方法として手段が広がっています。
すでに品質管理部や営業活動、製造現場での品質確認など多くの業界でWi-Fiを利用したデジタル顕微鏡が活躍しています。
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡の特徴
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡はどのようなことができるのか?気になる方も多いでしょう。
そこでここからは、Wi-Fi対応の特徴をいくつか紹介していきます。
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡の機能を知ることで「この場所で使えるかも」「そんな使い方があったのか」など新たな発見があるかもしれません。
Wi-Fi対応のスマホやタブレットなどに画像や動画を転送できる
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡であれば、Wi-Fiを利用し、顕微鏡本体から直接スマホ・タブレット・パソコンなどに観察物の画像や動画データを転送が可能です。
USB対応などの有線式のデジタル顕微鏡の場合には、他のデバイスとデータ共有するためにはパソコンなどのデバイスに経由しなければ、データの転送ができません。
Wi-Fi対応の無線式であれば、顕微鏡から他のデバイスに直接データが転送できるため、作業が効率化できます。
たとえば、現場にある製造物の品質確認をしたい場合があるとしましょう。
データの転送がUSB接続による有線式の場合には、確認したい対象物を送るために、一旦データをSDカードなどに保管し、その後パソコンから転送。もしくは現場にパソコンを持ち込む。いずれもパソコンなどのデバイスに経由する必要があります。
一方、Wi-Fiであれば、デジタル顕微鏡を現場まで持ち出し、現場で対象物の観察から各部署へのデータ転送までの作業をその場で行うことができます。
そして現場から送られてきたデータを品質管理部が確認作業や検証、その後の作業指示など作業が効率的になります。
このようにデジタル顕微鏡を現場に持ち出し、データを他のデバイスに送る機会が多い場面で、Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡が活躍するかもしれません。
同時通信で複数のデバイスで共有ができる
観察データを送る方法としてUSBケーブルで繋ぐ方法がありますが、データを送信可能なのはケーブルに繋がれたデバイスのみです。
反対にWi-Fi対応であれば、Wi-Fi対応のスマホ・タブレット・パソコンなど複数のデバイスに同時にデータを送ることが可能です。
そのため、デジタル顕微鏡から複数の方に観察データを確認してもらえます。
Wi-Fi対応ならではの特徴であり、デジタル顕微鏡を使用し多くの方にデータを共有したい場合には、Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡はおすすめです。
コードが邪魔にならない
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡は、ワイヤレス通信(無線式)です。
ほかのデバイスと通信するためにケーブル接続が不要になり、観察する際のケーブルが邪魔になる問題が解決されます。
また、デジタル顕微鏡のなかには蓄電式や乾電池タイプの顕微鏡もあるため、Wi-Fi対応であればデジタル顕微鏡本体のみで観察からデータ送信まで可能になる機種もあります。
「観察場所が狭い(他の場所へ移動ができない)」「ケーブルが邪魔になり危険」といった場所で、Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡が役に立ちます。
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡を導入することで、作業効率や観察時の安全性の確保など、さまざまな効果が期待できるでしょう。
持ち運んで様々な場所で観察できる
Wi-Fi対応であれば「通信環境があればどこでも観察データが転送可能」「複数の方にデータ共有ができる」「ケーブルが必要ない」といった特徴がありました。
したがってこれらの特徴があるからこそ、デジタル顕微鏡本体を持ち出すだけで観察が可能というわけです。
従来の、検体対象物を顕微鏡のある研究室に持ち込んで調べるスタイルから、検体対象物のある場所に顕微鏡を持ち出して調べるスタイルへと変化しています。
そのため、顕微鏡の使用用途の幅も広がり、顕微鏡も進化を続け、重さが100g以下のデジタル顕微鏡が開発されるなど「どんな場所でも調べられる顕微鏡」が多く販売されています。
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡のメリット
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡の特徴について紹介してきました。
ここでは、Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡を導入するメリットについて解説していきます。
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡の導入に迷っている方は参考にしてみてください。
複数人と観察データの共有ができるため効率的に
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡の特徴において、Wi-Fi対応の複数のデバイスで観察データが共有できると紹介しました。
反対にWi-Fiが対応していないデジタル顕微鏡を考えてみましょう。
複数の方に観察データを共有させるためには「デジタル顕微鏡→パソコンなどデバイス→複数人にデータ転送」という流れになります。
これがWi-Fi対応であれば「デジタル顕微鏡→複数人にデータ転送」となります。
一度パソコンなどにデータ保管して転送するといった行動が削減できるのです。
現場でデジタル顕微鏡を使用し、データを効率よく他の方と共有したい方にとって、Wi-Fi対応があれば効率的です。
一日を通して何回も使用する機会があるならなおさら、作業効率がよくなります。
気軽に顕微鏡を使用できる
「ケーブルがいらない」「現場にすぐに持ち出して使用ができる」といったWi-Fi対応の特徴により、気軽に顕微鏡を使用できるメリットがあります。
気軽に持ち出して使用ができるため「何気ない調べ物」「気になったらすぐに」など思いついたときにデジタル顕微鏡を使用できます。
たとえば製造現場にWi-Fi対応のデジタル顕微鏡を導入した場合を考えてみましょう。
「これまで目視で確認していた」「詳しく調べるために時間がかかってしまう」などの課題に対し、Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡があれば少し気になったときや、時間のロスを気にする必要がなく顕微鏡を使用する機会が多くなります。
そのため、業務の効率化や品質の向上が見込めるかもしれません。
業務上、顕微鏡が必要なシーンが多い場合には、Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡を検討してみましょう。
アプリとの連携で作業効率がアップ
Wi-Fi対応のデジタル顕微鏡を使用する場合には、補正機能や計測機能、観察物を表示編集機能ができるアプリがあります。
アプリを導入で作業の効率が上がるかもしれません。アプリ導入することでできる内容には以下のような例があります。
【補正機能】
- 観察物のピント合わせ
- 撮影時の振動によるブレ補正
- 色彩調整でより鮮明な撮影に
- グリット機能で見やすい撮影を補助など
【計測機能】
- 観察と同時に長さが表示される
- 長さの計測
- 角度の計測
- 面積の計測など
【表示編集機能】
- 観察物をモニターとして表示させる
- 画像の明るさ・コントラストの調整
- 画像と画像を重ね合わせる“画像合成”処理
- 縦線や曲線の描画など
デジタル顕微鏡の観察データをアプリに経由することで、紹介したようなアプリ機能が利用できます。
使用したいアプリの機能があればダウンロードし、使用することで作業効率が上がるでしょう。
また各デジタル顕微鏡専用のアプリがあります。
デジタル顕微鏡で撮影した観察物を直接アプリ内に送り、各デバイス内のアプリ内で確認や編集など作業ができるため、さらに作業の向上があがるかもしれません。
まとめ:Wi-Fi対応は積極的に導入を検討したい機能のひとつ
Wi-Fi対応の特徴やメリットが分かれば「この場所で使用できるかも」「導入すれば効率が上がるかも」などデジタル顕微鏡の使用用途に期待が出てくる場面が思い浮かぶかもしれません。
Wi-Fi機能があれば、観察からデータの転送から保存まで本体のみで可能になります。
また、小型化・軽量化により気軽に現場に持ち込んで調べられる顕微鏡にまで進化してきました。
Wi-Fi機能も進化の過程に追加された機能のひとつです。
当記事ではWi-Fi対応のデジタル顕微鏡に関して、特徴やメリットなどについて紹介してきましたが、なかには顕微鏡にWi-Fi機能に必要がないと思う方もいるかもしれません。
多くあるデジタル顕微鏡のなかで使用用途に合わせた顕微鏡を導入することが大切です。