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磁束密度を測定するガウス(テスラ)メーターとは?原理についても解説

※本記事は一般的な内容を元に作成しております、詳しくはご利用のメーカー等にご確認ください

あらゆる現場や研究の場などでは、磁力の計測が必要なときがあります。

磁力を計測をするため、ガウスメーターを導入しようと検討される方もいることでしょう。

しかしガウスメーターと聞いても「何を基準に選べばいいのか」「ガウスメーターとはなにか」など様々なお悩みを抱えている方も少なくありません。

ガウスメーターは、磁気計測機器の種類のひとつです。

そのほかには、フラックスメーターやマグネットアナライザーといった磁気計測機器があります。

ガウスメーターとは、どのような原理で計測しているのか。

特性や使用用途についてなど、本記事でガウスメーターについて学んでいきましょう。

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ガウスメーターとは?テスラメーターとの違い

ガウスメーターとは、磁気密度を測定し、ある測定場所における1面積あたりの磁力の測定に使用される磁気計測器です。

同じ磁気計測器には、テスラメーターという似た機器があります。

テスラメーターはほぼガウスメーターと同じ原理や仕組みは同じです。

ガウスメーターとテスラメーターの違いは、磁束密度の単位の違いのみです。

同じ磁気密度を測定するための機器になります。

ガウスメーターは、CGS単位系の【G】で表し、テスラメーターでは、SI単位系のテスラ【T】で表します。

またそれぞれの単位系には、以下のような特徴があるので参考にしてください。

■CGS単位系【G】

CGS単位系は、長さの単位としてのセンチメートル 、質量の単位としてのグラム 、時間の単位としての秒を基本単位とする、一貫性のあるメートル法系の単位系です。

■SI単位系【T】

SI単位系は、メートル条約に基づきメートル法のなかで広く使用されていたMKS単位系です。

長さの単位にメートル (m)、質量の単位にキログラム (kg)、時間の単位に秒(s) を使用します。

この 3 つの単位の組み合わせにより、さまざまな量の単位を表現できます。

ガウスメーターは、磁束密度をCGS単位で計測し、様々な用途で磁力の測定に使用されているのです。

ガウスメーターの使用用途

ここでは、ガウスメーターの使用用途について解説していきます。

磁束密度の値を出力するガウスメーターでは、以下のような用途で使用されています。

  • 環境磁力の測定
  • 漏れ磁束の測定
  • 永久磁石の磁力測定
  • N/S極判別のため
  • 自然界における地磁気の測定
  • 磁性材料の特性検査
  • 磁性体や磁力に関係する科学研究
  • 磁力測定による品質検査など

このような場所でガウスメーターは、磁力の測定・確認が必要な要所で使用されています。

ガウスメーターの原理

ガウスメーターの原理は、半導体におけるホール効果を利用して磁力を計測しています。

ホール効果とは、電流が流れている物体に磁場を掛けると電流をになう荷電粒子が磁場の中で力を受け、物体の端に移動することで物体内に電位差が生じること現象のことです。

ホール効果が見られる物質をホール素子と呼びます。

このホール素子に被測定物から信号を取り出すためのプローブを設置し、一定量の電流を流して生じる電圧の差で磁力を測定しています。

ガウスメーター2種のタイプと測定範囲や精度

ガウスメーターには「ハンディタイプ」「据え置きタイプ」の2種類のタイプがあります。

ここからは、それぞれのタイプにおいて、測定範囲と精度について解説していきます。

使用用途に合わせたガウスメーター選びの参考にしてみましょう。

ハンディタイプ

私たちの身の回りで発生する磁場には、送電線・地磁気・家電製品などの磁場があります。

これらの磁束密度の強度は、一般的に数μT〜数mT程度です。

ガウスメーターのハンディタイプは、一般的には数μT〜数mTの範囲の物を計測するときに使用されています。

なかには数10μTまで測定できる物も販売している物があるようです。

またハンディタイプの多くは、フルスケール精度が±2〜5%程度なため、精度の高い測定が必要な場合には、おすすめしません。

「手軽に計測したい」「いろいろな場所で使用したい」このような方には、ハンディタイプがおすすめです。

据え置きタイプ

据え置きタイプは、10μT程度の微力な磁束密度から10T程度の強い磁束密度まで測定できるのが特徴です。

また、精度に関してもフルスケール精度が±0.1%以下や高分解能(最小分解能0.1nT)といった、精度の高い磁力検査ができるのも据え置きタイプの特徴です。

研究や品質検査など精度の高い磁力を計測する場合には、据え置きタイプを検討されると良いでしょう

ガウスメーターのプローブの種類

プローブとは、測定試料の特定部位に近付けてその物理的、電気的、機械的特性を測定する検出器の部品のことです。

探針(たんしん)とも呼ばれています。

ガウスメーターのプローブは、主にトラバース型・アキシャル型・三軸プローブなどの種類があります。

ここでは、それぞれのプローブについて、主な使用場所や機能などについて解説していきます。

トランバース型(平板型)

トランバーズ型の主な使用場所は、長方形の形や軸に対して垂直方向の磁場を測定する場に適しています。

プローブの厚さは約0.5mm~5mm程度が一般的です。そのため磁石のN極とS極の間に生じるような直線的な磁場を測定するのに適しています。

とても狭い隙間であっても、測定ができるのが特徴です。

アキシャル型(円筒型)

アキシャル型の形状は、円筒型をしています。

そのため、プローブの端面に垂直に入射するような磁場の測定に向いています。

端面部の大きさは、直径約1.5〜6mm程度です。

例えば、小さめのコイルであっても磁束密度を測定することができます。

そのため、このようなサイズの端面部分を投入する必要がある磁場に向いています

三軸プローブ

三軸プローブとは、3軸方向の磁束密度を同時に測定できるプローブです。

また先程、紹介したトランバースやアキシャル型は、1軸方向のみです。

3軸プローブには、3個のセンサを使用して3軸方向の測定ができるタイプや1つのセンサで3軸方向の測定が行えるタイプがあります。

主に方向が不明な磁気場、例えば環境の漏れ磁場場や地磁気など方向が定まっていない磁場など、磁力の方向が定まっていない環境化で調べる際に使用されています。

ガウスメーターの価格相場

実は日本国内では、ガウスメーターを製造しているメーカーは、少ないのが現状です。

したがって日本で販売されているガウスメーターのほとんどは、一度輸入してから手を加えて販売している場合が多いようです。

ガウスメーターの価格は、ハンディタイプで2万円〜10万円程度で、測定するレンジの幅が大きいものほど、高価になる傾向があります。

なるべく安く手に入れたい方は、中国製のハンディタイプを選びましょう。

安くて1〜2万円程度の商品もあるため、なるべく費用を抑えたい方には、おすすめです。

据え置きタイプの価格は、ハンディタイプより高く、数10万円〜それ以上になっています。

ガウスメーターのほかに磁気測定できる機器

磁気測定できる機器には、ガウスメーターの他にも総磁束量を測定する「フラックスメーター」磁束密度を測定する「マグネットアナライザー」といった磁気計測器があります。

ここでは、ガウスメーターと違う特性を持つ、磁気計測器について解説していきます。

フラックスメーター(総磁束量測定)

フラックスメーターは、ガウスメーターの機能を補完する計測器です。

ガウスメーターは、ある特定した部分の磁束密度を計測するのに対し、フラックスメーターでは磁気全体の磁束量を測定します。

コイル面積の入力により、ガウスメーターと同様に磁束密度の測定もできます。

例えば、フラックスメーターの使用例としては、生産ラインでの検査。

生産ラインでは、短い時間で多くの着磁された磁気が流れてきます。

その生産ラインで磁力が規定内であるか、規定内の磁力が発生しているか、検品作業に使用されているのです。

また磁石には、いくら磁石素材に磁気化しても、磁石全体の磁力いわばフラックス値が変化しなくなるといった飽和点(限界点)があります。

この飽和点を知るため、フラックスメーターを使用されています。

総磁束量の測定をすることで、その磁石の磁力の限界点を確認できるのもフラックスメーターの特徴です。

マグネットアナライザー(磁束密度測定)

マグネットアナライザーは、磁束分布を自動測定し各種の磁束量や着磁波形、面積、着磁角度などあらゆる磁気の状態を解析する測定装置です。

磁気センサーを搭載した磁気プローブを、高精度で移動制御測定します。

マグネットアナライザーは、X軸に回転角度(Deg)、Y軸に表面磁束密度(Tesla)、Z軸に高さ(mm)の位置とする3次元表示で測定。

またマグネットアナライザーの解析力を発揮させるためには、導入するソフトウェアでも機能が変わってきます。

ソフトウェアはもちろん、測定方法・設定方法・解析値や出力されるグラフなど販売元のメーカーによって大きく異なるのがマグネットアナライザーです。

そのため、購入後に想像してたデータが解析できなかった、と後悔しないようにそれぞれのメーカーを比較して機器を選びましょう。

マグネットアナライザーは、高精度の磁気を解析できる機器のため、高額です。

測定する目的や使用勝手などをしっかり検討し、導入するようにしましょう。

まとめ:用途や環境に応じて磁気測定の機器を適切に選ぶ

ガウスメーターとは、磁気密度を測定し、ある測定場所における面積あたりの磁力の測定に用いられる磁気計測器です。

ハンディータイプや据え置きタイプの2種類があります。

またプローブの種類もトラバース型・アキシャル型・三軸プローブといった種類があります。

ガウスメーターは、 環境磁力の測定や漏れ磁束の測定などあらゆる磁気の測定の場で使用されています。

またその他の磁気計測器には、フラックスメーターやマグネットアナライザーといった計測器もあることがわかりました。

本記事では、ガウスメーターの特性や原理、使用用途など解説し、その他磁気計測についても紹介してきました。

測定機器には、それぞれ用途や環境に応じて適した測定機器がありますので、本記事を磁気測定の機器選びの参考にしてください。

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