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ガウスメーターの正しい使い方|目的別の使用例や測定方法についても

※本記事は一般的な内容を元に作成しております、詳しくはご利用のメーカー等にご確認ください

ガウスメーターは、ある特定部分の磁束密度を計測するための磁気計測機器です。

ほかには磁束量を計測するためにフラックスメータという計測機器があります。

当記事では、磁束密度を計測したいと考える人向けに、使用方法について解説する構成となっています。

いざ導入してみたが、使い方がわからない。

そのようなお悩みの方に向け、この記事ではガウスメーターの正しい使い方や使用例、測定方法を紹介していきます。

記事後半には、使用する際の注意点も紹介しているため、使用する前の参考にしてみてください。

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ガウスメータの使用用途について

磁力計測機器では、量産時における永久磁石の品質管理等に使用されるフラックス測定が最も一般的です。

磁力計測機器の1種であるガウスメーターは、磁石の磁極間などの磁束密度を測定するための測定機器になります。

ガウスメーターは、以下のような用途で使用されています。

  • 地磁気の測定
  • 永久磁石のN極・S極の判別
  • 電磁石の磁場計測
  • 滞留磁気の測定
  • 漏れ磁束の測定
  • 磁気材料の特性測
  • 各種研修・教材用など

このような使用用途に対し、適合する磁気プローブの種類は様々あり、測定目的や機能も変わってきます。

以降でガウスメーターの使い方について詳しく解説していきましょう。

ガウスメーターとプローブの選択について

ガウスメータは、計測値を表示する本体とプローブの組み合わせが非常に重要になってきます。

間違ったプローブを選択してしまうと、正確な計測ができなくなり、せっかく購入したプローブを無駄にしてしまう可能性が出てくるのです。

したがって測定する場合には、磁場の状況・種類・求める精度・機能などを考慮して、本体と適切なプローブを選択することが大切です。

またプローブによっても形状が異なるため、測定する環境や状況によって選択することも大切になります。

ガウスメーターやプローブを購入する際には、必ずメーカーに相談し、磁束密度を正確に計測できるものを選択しましょう。

 

 

ガウスメーターの測定方法

ガウスメーターの測定方法は、選択するプローブの種類によって異なります。

プローブの種類は主に「トラバース型」「アキシャル型」の2種類

それぞれサイズや磁気センサの位置、感磁領域なども異なります。

以降よりそれぞれの測定方法について詳しく解説していきましょう。

トラバース型(平板型)による測定

トラバース型は、長方形の形で軸に対して、垂直方向の磁場を測定していきます。

例えば、磁石のN極とS極といった磁極間を測定するのに適しています。

プローブの厚さは約0.5~3mm程度で、狭い隙間でも測定できるためです。

そのため磁極間の測定にトラバース型がよく使用されています。

アキシャル型(円筒)による測定

アキシャル型は、形状が円筒型になっており、プローブの端面に垂直に入射する磁場に対し測定していきます。

端面の直径は約1.5〜6mm程度です。

そのため小さいコイルなどの磁束密度を測定する場合に向いています。

またアキシャル型プローブは、トラバース型に比べ耐久性が高く、使用頻度の高い磁束測定に適しています。

ガウスメーターの使い方

ガウスメーターには「ハンディータイプ」と「据え置きタイプ」の2種類のタイプがあります。

それぞれのタイプ別での使い方について解説していきます。

ハンディータイプ

ハンディータイプは、手軽に持ち出しその場で計測できるというメリットがあります。

本体を持ち出し、計測したい磁場現場でプローブを当てるだけで磁気を計測できます。

しかし、そのコンパクトなサイズから据え置きタイプより精度が劣ってしまいます。

「すぐに計測したい」「ただ磁気強度や有無を確認したい」このような場合には、ハンディータイプがおすすめです。

据え置きタイプ

据え置きタイプは、ハンディータイプと違い「精度の高い計測がしたい」「超強力磁石のような強い磁束密度まで計測したい」このような使い方を検討している方におすすめです。

据え置きタイプは、数10μT程の磁束密度から数10t程の磁束密度まで測定できます。

また精度もフルスケール±0.1%と高精度な物が販売されているものが多いです。

研究施設や品質管理など詳細な計測が必要がある場合には、据え置きタイプが主に使用されています。

目的別ガウスメーターの使用例

ガウスメーターを使用する場合には、なんらかの目的があるときに使用します。

そこでここからは、ガウスメーターがよく使用される場面について紹介していきたいと思います。

「こんな場面で使用されるのか」と参考にしてみてください。

ピンポイントに磁気測定がしたいとき

ガウスメーターは磁気全体の測定ではなく、あるポイントに対しピンポイントで磁界の強さや方向を知りたい場面に使用されています。

例えば、永久磁石の品質管理です。

全体の磁気力だけではなく、特定の部分まで磁気の発生や確認が必要な際に使用されています。

目的に合わせたプローブを使用すれば、非常に狭い隙間の磁場もピンポイントで計測できます。

ある特定のポイントにおける磁気計測が必要な場合には、ガウスメーターを使用しましょう。

磁力の強さを測定したいとき

ガウスメーターは、磁力の強さを測定したい場合にも使用されています。

例えば、ミニ四駆の大会ではモーターの強さが勝負の命運をわけると言われています。

そこで、いかに強いモーターを使用するかを選別するために、ガウスメーターが使用されているのです。

モーター内部にはコイルと言われる、電線が巻き付けられたものがあります。

電線がコイル状に巻かれることで磁力が合成され、磁束となる仕組みです。

一般的には、電線がきれいに巻かれていることや多く巻かれているほど、回転数が多く強いモーターになります。

同じ種類のモーターであっても、製造誤差の範囲で多少の誤差があるため、モーターを選別するためにガウスメーターが使用されています。

ガウスメーターを使用することで、電線が多く丁寧に巻かれているのか判断することができるのです。

ミニ四駆の世界では、モーター選別のためガウスメーターを使用する愛好家が多いことが知られています。

地磁気の測定したいとき

最小の磁力である言われる地磁気を計測したいときにガウスメーターが使用されています

地球には、方位磁石が北や南を示すことから分かるように磁場が存在しています。

この、地球にもともと備わっている磁場が「地磁気」です。

地磁気は、地球内部の核の対流運動や太陽活動との関わり、地殻の活動など様々な地球環境の変動に応じて、刻々と変化を続けています。

もし地球の地磁気の磁極逆転が起こった場合には、世界中のナビゲーションシステムは破壊され、太陽から有害な放射線が降り注ぎ、地球上のあらゆる生命が危険にさらされると言われています。

磁界の方向を知りたいとき

ある方向の磁束密度がどのくらいあるのか知りたい場合に、ガウスメーターが使用されています。

例えば、量産時における永久磁石の品質管理の場面です。

磁力だけでなく、どの方向にどれだけ磁力が働いているのか確認するために使用します。

ガウスメーターを使用して磁力を測定することで、S極かN極かを知ることもできるのです。

さらにベクトルの向きも調べることができるため、磁力が正しい向きで発生していることを確認できます。

ガウスメーター使用時の注意点

ガウスメーターを使用して、より正確な測定を行うためには、正しい方法で使用する必要があります。

そこでガウスメーターを使用する際の注意点について解説していきます。

以降の注意点を守り、より正確な測定が行えるようにしましょう。

磁気センサーの位置

ガウスメーターのように磁束密度を計測する機器は、磁気センサーが検出するしくみになっています。

したがって、計測したい場所に正しく磁気センサーを設置することが重要なポイントです。

また、マグネット付近は不均一な磁気が発生している場合が多く、磁気センサーの位置が変わるだけで測定値に差が生じることがあります。

磁気センサーの位置関係を統一しておくことや、位置がズレた場合の影響についてあらかじめ把握しておくことが大切です。

まずはあらゆる角度から計測し、測定値の差を比べてみましょう。

磁気センサーの向き

磁気は大きさだけでなく、S極やN極といった方向(ベクトル)があります。

磁束密度の測定を行う場合には、必ず磁気の方向とセンサーの向きに注意しなければ、正確な測定ができません。

また、ガウスメーターのように1軸のホール素子は、一方向の磁束密度のみを検出するため、検出方向も決まっています。

よって、磁気センサーの方向を測定した方向に正確に合わせることで、正確な測定が可能になるため大切です。

使用する際には、磁気センサーの向きに注意しましょう。

温度

マグネットの特性は、温度によって変化します。

また磁束密度を計測する原理であるホール素子も同様です。

温度が変化すると、磁気を発生する側や検出する側にも変化するため、結果的に測定結果の変化が大きくなってしまいます。

よってガウスメーターを使用する際には、温度変化に生じる測定値への影響をあらかじめ認識しておくことが大切です。

まとめ:用途に応じて適切なプローブを選び、ガウスメーターを正しく使う

ガウスメーターは、地磁気の測定や永久磁石のN極・S極の判定、電磁石の磁場計測のような様々な用途で使用されています。

また、プローブとの組み合わせで使い方や用途が変わってくることも特徴です。

しかし、初めて手に取って使用する方にとって、正確な測定をするため、使い方がポイントになります。

そこで当記事では、ガウスメーターの使い方についてタイプ、使用用途、プローブ別の観点から使用例などを織り交ぜながら紹介してきました。

ガウスメーターは、磁力の強さや向きなど調べたい磁場に対し、ピンポイントで磁気の状態を確認することができます。

また用途に応じた適切なプローブを使用することで、より効果的な計測ができるのも特徴です。

さらにこの記事では、使用する際の注意点についても紹介しています。

より正確な計測をするため、注意点を参考にガウスメーターを正しく使用しましょう

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