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放射線測定器5つの種類と特徴について|選び方や注意点なども解説

※本記事は一般的な内容を元に作成しております、詳しくはご利用のメーカー等にご確認ください

チョルノービリ(旧呼称:チェルノブイリ)原子力発電所や福島第一原発で話題となった放射線。

専門家が使用する高性能な測定器から、個人が使用するシンプルなものまで幅広く存在しています。

大気汚染の原因となる汚染物質や放射線量を測れるさまざまな測定器が販売されていますが、2011年の原子力発電所での事故以前は一般的な認知度がありませんでした。

しかしそれ以降は各自治体にも導入されたり一般家庭にも浸透したり、以前よりも注目度を高めています。

そ大気汚染調査や放射線量を計測する事業者のなかには、測定器の種類や特徴などが気になっているのではないでしょうか。

今回は放射線測定器を代表する5種類の特徴や、用途に応じた選び方、使用上の注意点などを解説します。

それぞれの特徴を把握して、ぜひ各事業所に適した放射線測定器を選ぶ参考にお役立てください。

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放射線測定器とは

放射線測定器とは

放射線測定器とは、放射線量を測る機器です。

また、放射線は複数種類に分類され、測定に適した機器も異なるため、それぞれの測定器の性質や特性を覚えなければいけません。

例えばエックス線、アルファ線、ベータ線、ガンマ線といわれる放射線の種類や、線量の高さと低さによっても使用すべき測定器が異なります。

なお一般的に使用される放射線測定器は、以下のとおりです。

  • GM(ガイガー=ミュラー)管式放射線測定器
  • シンチレーション放射線測定器
  • 個人線量計
  • 電離箱式放射線測定器

放射線測定器の種類

放射線測定器の種類

放射線測定器は、エックス線やアルファ線などのどの種類の放射線を測定するかによって、使用するべき機器が異なります。

以下が、放射線測定器のなかでも、特に使用頻度が高いとされている代表的な5種類の機器です。

各放射線測定器の特性や用途を把握して、ご自身の事業所に適した機器を選びましょう。

放射線測定器の種類 概要

個人線量計

自分の体(着衣など)の被曝量を測定する機器

GM(ガイガー=ミュラー)管式放射線測定器

体表面の汚染検査に適した測定器

電離箱式放射線測定器

空間放射線量率を測定するのに適した機器

空間線量計

特定の場所や放射性物質の放射線量を測定する機器

シンチレーション式放射線測定器

特定の放射線に反応するシンチレーター物質を活用した測定機器

 

個人線量計

1個人の被曝レベルを示した数値を個人線量と言います。

個人線量計は、検査該当者の体や防護服などの着衣が、どのくらい放射線を浴びて被曝したのかを測定する機器です。

また個人線量計は、蛍光ガラス線量計や光刺激ルミネッセンス線量計などの種類に細分化されます。

個人線量計を含めた一般的な放射線測定器は、「Sv/h(シーベルト)」と呼ばれる単位で測定されます。

スマートフォンのように首にぶら下げたり胸ポケットなどに入れて持ち歩いたりして、一定期間に被曝した線量を計測するタイプが一般的な個人線量計です。

軽量化や低価格などの特徴が挙げられますが、あくまでも簡易タイプの測定器なので高機能性や高精度性を求める場合には向いていません。

放射線量の高い職場や原子力被災地周辺で活動しながら、1個人の被曝量を測定したい場合に適した機器だといえるでしょう。

GM(ガイガーミュラー)管式放射線測定器

GM(ガイガー=ミュラー)管式放射線測定器は、ガスを詰め込んだ筒と放射線に反応した電離による仕組みや、電子増幅を利用して放射線量を測定する機器です。

1928年にドイツのハンス・ガイガーとヴァルター・ミュラーが開発したことが名前の由来になりました。

体表面の汚染検査に適している測定器であり、主にベータ線を調べる際に使用されます。

測定作業ではGM計数管という部品を使用して、作業員の体表面や着衣にどれくらいの放射線を浴びたのかを測定するほか、実験や研究作業での分析・解析に活用されることもある測定器です。

ベータ線以外にもエックス線やガンマ線を調べたり体表面以外の空間放射線量率を測定したり、汎用性も持ち合わせていますが精度は高くありません。

GM管式放射線測定器をもっとも効果的に使用できる場面は、体表面の汚染検査などの場面だといえます。

電離箱式放射線測定器

電離箱式放射測定器は、検査対象エリアの空間がどのくらい汚染されているのかという、空間放射線量率を測定するのに適している機器です。

類似の放射線測定器にはシンチレーション式が挙げられますが、電離箱式は強い放射線量レベルしか検知できません。

細かく調査したい場合には電離箱式放射線測定器は不向きであり、原子力発電所での作業やエックス線装置を利用する製造工場、医療現場などの比較的線量の高いエリアでの使用に適しています。

特にCT機器やレントゲン機器などのエックス線を使用する頻度が高い事業者は、空間放射線量率を測定できる電離箱式を選ぶようにしましょう。

空間線量計

空間線量計は、検査対象エリアがどのくらい汚染されているのかという空間放射線量率を調べたり、対象となる放射性物質の放射線量を測定する機器です。

空間線量計はほかの測定器と比べて、大きく作られる傾向にあります。

しかし放射線測定器が一般的に注目を集めるようになって以降、小型化されたタイプも販売されるようになり、会社や一般家庭、地域周辺の空間放射線量率を測定するのに適している測定器です。

空間線量計によっては、スマートフォンの無料アプリと連動させた測定地図機能を備えていたりドローンや車に搭載して測定できたり、さまざまなタイプが販売されています。

機能性や測定スピードに優れているため、価格帯は高めですが詳細な数値を把握したい事業者に適した測定器だといえるでしょう。

シンチレーション式放射線測定器

シンチレーション式放射線測定器は、エックス線やガンマ線などの特定の放射線に反応するシンチレーター物質を活用して測定する機器です。

電離箱式放射線測定器の場合は、放射線量の高い特殊なエリアや職場に適していますが、シンチレーション式は一般的な場所での測定に向いています。

エックス線やガンマ線以外の特定の放射線種類を検知できないものの、微量の空間放射線量率を測定できるのが特徴。

原子力発電所やエックス線を使用している工場、医療現場の周辺エリアが、どのくらい汚染されているのかを測定する場合などに使用します。

また汚染源からの距離に比例して空間放射線量率が変化する性質を利用して、距離の特定に活用することも可能です。

シンチレーション式放射線測定器は微量の放射線を検知できるため、一般的な職場環境での使用に適しているといえます。

放射線測定器の使い方

放射線測定器の使い方

GM(ガイガー=ミュラー)管式の場合は、測定用の筒にガスを封入して高電圧をかけた際に発生する電離現象の増幅率を利用して放射線量を測定します。

シンチレーション式は、シンチレーターという測定物質がエックス線とガンマ線に反応する発光現象を利用して測定するなど、使い方は測定器ごとにさまざまです。

放射線測定によっては、複数機能を搭載した機器もありますが、基本的には単一による測定方法でしか検査できません。

なお放射線測定器にはGM管式やシンチレーション式などの種類が販売されていますが、特に害が強いとされるガンマ線を測定するための機器が一般的に製造されています。

また同じ使い方でも、測定器のサイズによって感度や数値が変化したり検知する放射線種類も異なったり、各機器の特性を把握することが重要。

その他にも放射線測定器ごとに測定方法が異なるため、購入前に使い方などの詳細を把握することで、各事業所に最適な機器を選べる可能性が高まります。

放射線測定器によって、空間線量率測定用、体表面汚染測定用、積算線量測定用などが異なるので、それぞれの使い方が一様ではないことを覚えておきましょう。

放射線測定器の選び方

放射線測定器の選び方

放射線測定器によって検知できる放射線種類が異なったり、機器サイズによって数値が変化したり、多種多様なので購入前には詳細を確認しましょう。

以下では放射線測定器の選び方を解説するので、ご自身の事業所で活用する際の参考にしてください。

用途ごとに選ぶ

放射線測定器は種類によって、空間線量率や体表面汚染、積算線量を調査する際に使用するなど、目的によって用途が異なります。

個人の体表面汚染を測定したい場合は個人線量計が適しており、特定エリアの空間線量率の調査には空間線量計がそれぞれ最適な選択です。

また具体的にエックス線を測定したい場合でも、一部の放射線種類しか検知できない機器もあるため、購入前にしっかりと確認してから購入してください。

放射線測定器は、測定方法によっても数値が異なることがあるため、どんな場所で何を測定するのかなどの用途を明確にしておくことが大切です。

高精度に検査できる機器を選ぶ

個人線量計は簡易型であり、空間線量計は高性能機器が販売されている傾向にあるため、精度を意識して選ぶことが大切です。

軽量性には欠けますが、一般的には測定器のサイズが大きくなるほど検査スピードや精度が高くなるため、大きさも選ぶ際のポイントとなり得るでしょう。

しかし必ずしも測定器のサイズに応じて精度が変化するわけではありません。

同じように、測定器の金額と精度が比例しない場合もあるので、購入前には商品説明を確認しすることで失敗を減らせます。

なるべく高精度な機器を選ぶことで実用性も高まるため、ネットでの口コミレビューや専門店でのスタッフ確認などを意識しましょう。

測定方法から選ぶ

放射線測定器によって、空間線量率測定や体表面汚染測定などの用途が変わるため、それぞれの測定方法に適したもの選ぶようにしましょう。

一般的な放射線測定器の検査方法は、以下の種類です。

  • 空間線量測定
  • 体表面汚染測定
  • 積算線量測定

空間線量測定は、1時間あたりの放射線量を算出するための線量率。

体表面多線測定は、対象物である体表面や着衣に付着した放射性物質の量を測定します。

積算線量率は、一定期間内に浴びた放射線の総量を算出する測定方法です。

放射線測定器の注意点

放射線測定器の注意点

放射線測定器を選ぶときは、使用方法や用途などを明確に把握しておかないと、いざ測定した際に思ったとおりの結果が得られません。

各事業所で安心して放射線測定器を使用するためにも、メンテナンスや各種取り扱い方法をしっかりと確認してから購入するようにしましょう。

測定器ごとに検査できる放射線の種類が異なる

放射線測定器によっては、エックス線とガンマ線以外が検知できないタイプや、ベータ線の測定に適した機器など、検査できる放射線種類が異なります。

具体的な例を挙げると、シンチレーション式は微量の放射線量でも検知できる代わりに、エックス線とガンマ線しか測定できません。

そのためシンチレーション式は、一般的な環境下での測定に適しているといえます。

またGM(ガイガー=ミュラー)管式であれば、主にベータ線に最適化された測定器であるなど、それぞれの機器が計測できる放射線の種類を把握することが重要です。

購入後に「把握したい放射線種類の数値が測定できない」という事態にならないために、測定器ごとの特徴を確認しておきましょう。

放射性崩壊する可能性がある

放射線調査では放射性崩壊と呼ばれる、ほかの安定した原子核に変化する現象が発生するため、複数回測定で平均値を求めるように注意しましょう。

不安定な原子核は、アルファ線やベータ線などの放射線を放出して安定性の高い別の原子核に変化するのですが、この放射性崩壊は予測できません。

発生確率もランダムであり、毎回同じ場所で必ず同じ数値が出るとは限らないため、一箇所につき複数回の測定をしてください。

また放射性測定器は使い続けることにより、精度が下がってしまいます。

感度の高い状態で使い続けるためにも、定期的に「校正」というメンテナンスを依頼することも大切です。

なお校正作業は、独立行政法人製品評価技術基盤機構の審査を受けている事業者であれば信頼できます。

詳しくは以下の「経済産業省:放射能測定器及び放射線測定器等の校正」をご覧ください。

「経済産業省:放射能測定器及び放射線測定器等の校正」

電池を入れたまま保管しない

放射線測定にはバッテリー式と電池式(単3電池など)で稼働するタイプがありますが、電池の出し入れを意識することで交換時期を延伸できます。

またUSBケーブルタイプも販売されており、種類に限らず保管時は小まめに電源を切ったり電池を抜いたりしてあげると、本体への負荷がかかりません。

放射線測定器は精密機械なので、保管方法にも注意してあげると故障リスクを軽減できるほか、電池やバッテリー交換などのランニングコストを抑えることもできます。

測定器の使用時や保管時の気温にも注意

放射線測定器に限らず精密機械は高温多湿や氷点下などの極端気候に弱いため、パソコンなどを保管するような場所で管理しましょう。

得に放射線測定器の場合は、高温状態で計測することにより、測定精度にも影響が発生しかねません。

電離箱式は湿度に弱いため低湿度な場所で保管するなど、使用時や保管の環境によって測定数値が変化しないように注意してください。

放射線測定器は用途や目的に応じた種類を選ぼう

放射線測定器は用途や目的に応じた種類を選ぼう

一般的に販売されている放射線測定器は、以下の5種類です。

  • ・個人線量計
  • ・GM(ガイガー=ミュラー)管式放射線測定器
  • ・電離箱式放射線測定器
  • ・空間線量計
  • ・シンチレーション式放射線測定器

測定器によって検知できる放射線種類が異なるほか、測定方法や用途によっても求められる放射線数値などはさまざまです。

また駆動方式はバッテリータイプと電池タイプがあるため、各事業所ごとにどのようなエリアで測定するのかや、測定したい場所、測定方法などを意識して選ぶようにしましょう。

目的や用途を明確にすることで、イメージどおりに放射性測定器を使用できる可能性が高まるため、ぜひ今回の内容を参考にして導入を検討してください。

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