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KCL溶液を使用するのは明確な理由があります

pH計内部液の補充方法や交換タイミングについて。KCL溶液の作り方も

pH値を正確に計測するpH計ですが、内部液の交換や補充ができることをご存知でしょうか。

pH計は精密機器であるため、使用の際には内部液に関する正確な知識を持たなければなりません。

そこで本記事では、精密機器を数多く取り扱うスリーアールソリューション株式会社がpH計の原理や内部液の種類に加え、内部液の補充方法から作り方などを解説していきます。

pH計を取り扱う担当者は、ぜひ本記事を参考にしながら今後のpH計測に役立ててください。

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pH計の原理

pH計の原理はガラス電極と比較電極の間に生じる電位差を利用し、pH値を計測する点にあります。

ガラス電極側では測定対象となる液体のpH値によって、先端に薄く貼られているガラス膜の内側と外側に起電力が発生します。

もう一方の比較電極では、測定対象となる液体のpH値に関わらず一定の起電力を発生させ、ガラス電極との電位差を計測することでpH値を計測しているのです。

pH計は、ガラス電極と比較電極の間に生じる電位差によってpH値を計測する原理である点を覚えておきましょう。

pH計の内部液について

pH計の内部液は、電位差を利用するpH値の計測において非常に重要な役割を担っております。

また、ガラス電極と比較電極の役割が違うことから、使用される内部液にも違いがある点は理解しておかなければなりません。

ここではガラス電極と比較電極の内部液について、それぞれ解説していきます。

ガラス電極

ガラス電極には塩化カリウムを混ぜ合わせた緩衝液が内部液として使用されます。

大きな特徴は、補充や交換ができないことです。

万が一、ガラス電極の内部液に汚れなどにより変色を起こしている場合は、電極の寿命として扱いガラス電極自体を交換しなければなりません。

そのため、pH計を購入した時点から内部液には塩化カリウムを混ぜ合わせた緩衝液が使用され、補充や交換ができないことを覚えておきましょう。

比較電極

比較電極には3.3mol/LのKCL溶液が内部液として使用されます。

なぜなら、比較電極はガラス電極に対して基準となる電位差を示さなければならないからです。

3.3mol/LのKCL溶液は測定対象のpH値による電位差を受けにくいとされています。

これは一定の基準を示す役割を担っている比較電極において、非常に重要なポイントです。

また、ガラス電極では内部液の補充や交換が不可能であるのに対し、比較電極の内部液は交換が可能な点も覚えておきましょう。

pH計内部液の交換タイミング

pH計の内部液には交換の目安となるタイミングがありますが、どのタイミングなのか悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ガラス電極に関しては前項で解説したように、内部液の交換=pH電極の交換となるため、pH計を取り扱う各メーカーの説明書に書かれてある期間を目安に電極ごと交換をしましょう。

一方で、比較電極では約1〜3ヶ月を目安に内部液の交換を実施してください。

また、内部液も液体ですので、使用を繰り返していくうちに蒸発をしてしまい、量が不足してきます。

その際は適宜、補充を繰り返しながら使用しましょう。

もちろん、測定環境や測定対象の種類によっても交換の目安は変わってくるため、都度、内部液の確認をしながら使用をしてください。

pH計における内部液の補充方法

pH計自体が精密機器であるため、内部液を補充する際にもいくつか注意をしなければなりません。

単純に補充をすれば良い訳ではないため、手順を確認しながらの補充をおすすめします。

ここではpH計の内部液の補充法法について、順番に解説していきます。

1.3.3mol/LのKCL溶液を準備する

はじめに、比較電極に使用する内部液の3.3mol/L KCL溶液を準備しましょう。

3.3mol/L KCL溶液は比較電極内で蒸発などにより量が減ってしまい、補充を繰り返すことから消耗品の扱いとなります。

各メーカーから500mlや250mlといった容量別の商品展開がされていますが、いずれも使用期限が設定されているため、あまり使用頻度が多くない場合は使用期限切れを迎えて無駄になってしまうこともあるでしょう。

そのような場合には、30mlの使い切りタイプのものをおすすめします。

事業所での使用頻度に応じて、適切な量の3.3mol/L KCL溶液を用意しましょう。

2.プラスチック製のスポイトを用意する

続いて内部液を交換・補充するためのプラスチック製のスポイトを用意しましょう。

ガラス製のスポイトでも問題はありませんが、電極内部への傷がつかないように保護するといった観点からプラスチック製のスポイトをおすすめします。

スポイトを使用する際は、不純物が混合しないように水に濡れていないものかつ汚れが付着していないものを使用しましょう。

3.内部液補充口から補充する

用意したプラスチック製のスポイトを利用し、内部液補充口から3.3mol/L KCL溶液を補充しましょう。

比較電極の補充液は交換や補充が前提とされているので、小径の内部液補充口が用意されています。

補充口は小径であることから、こぼさないようにスポイトを使用して補充をします。

万が一、3.3mol/L KCL溶液をこぼしてしまったとしても水で流せば害はありませんが、目に入ってしまうと失明の恐れもあるため保護メガネを装着するとより安全に補充可能です。

4.比較電極内に気泡がないか確認する

内部液の補充が完了したら比較電極内に気泡がないかどうかを確認しましょう。

気泡が存在していると、pH値の測定に影響が出る可能性が否定できません。

気泡は電極をやさしく振ることで取り除くことが可能ですので、電極の破損に注意しながら気泡を取り除くようにしてください。

pH計の内部液を補充するタイミング

pH計の内部液を補充するタイミングは大きく2つあります。

  • KCL溶液の量が減ったとき
  • 連続分析を実施するとき

もちろん、内部液の減り具合を確認しながら適切なタイミングで交換を実施しなければなりませんが、ここでは主な補充のタイミングについて解説していきます。

KCL溶液の量が減ったとき

KCL溶液の量が減ったときはすぐに内部液を補充しなければなりません。

なぜなら、KCL溶液は液体であるため、どうしても蒸発などにより量が減ってしまうからです。

KCL溶液が減った状態では、発生する起電力にも影響が出てしまい、pH値の測定結果にも悪影響が出てしまいます。

そのため、KCL溶液が減ったときはすぐに内部液を補充しましょう。

連続分析を実施するとき

連続分析を実施するときはこまめにKCL溶液を補充しなければなりません。

pH計は使用すればするほどKCL溶液の温度変化が繰り返されるため、温度変化の影響によって蒸発するスピードが速くなります。

つまり、KCL溶液の減少スピードが速くなるため、量に注意をしながらこまめに補充をする必要があるのです。

pH計の内部液に3.3mol/LのKCL溶液を使う理由・役割

pH計の内部液ですが、なぜ3.3mol/LのKCL溶液を使うのでしょうか。

実は3.3mol/LのKCL溶液を使用する明確な理由と役割があるのです。

  • 濃度変化により正しいpH値の測定ができない
  • 比較電極で一定の起電力を保つ

上記の2点について解説していきます。

濃度変化により正しいpH値の測定ができない

pH計の内部液に3.3mol/LのKCL溶液を使う理由は、比較電極において3.3mol/Lの濃度だと内部液と測定対象の液体との液間電位差を限りなく等しくできるからです。

万が一、濃度が薄い場合は、液間電位差が大きく生じてしまい正しいpH測定ができなくなってしまいます。

また、濃度が3.3mol/Lであるもう一つの理由は液体が低温になっても結晶化しない濃度が3.3mol/Lだからです。

比較電極で一定の起電力を保つ

3.3mol/LのKCL溶液の役割は、主にpH値の基準となる比較電極において、常に一定の起電力を保つことにあります。

比較電極はあくまでガラス電極に対して一定の起電力を保たなければなりません。

一定の起電力を保つためには、測定対象の液体のpH値による影響を受けづらい液体を内部液として利用しなければならないため、電位差が発生しづらい3.3mol/LのKCL溶液が使用されるのです。

pH計の内部液の作り方

pH計の内部液は消耗品ですが、実は自分で内部液を作ることも可能です。

各メーカーで用意したKCL溶液を購入するのも良いですが、利用頻度が高く大量にKCL溶液を消費する場合は自分で作った方が購入コストが抑えられる可能性があります。

ここではpH計の内部液の作り方を紹介します。

1.粉末状のKCLを用意する

はじめに粉末状のKCLを用意しなければなりません。

粉末状のKCLはKCL溶液を取り扱っているメーカーで用意している場合が多いです。

液体として購入するより粉末で購入した方が価格も抑えられる傾向ですので、やはり今後も大量にKCL溶液を消費する場合は購入しておいても損はないのではないでしょうか。

2.純水にKCLを溶かす

次に純水にKCLを溶かす必要があります。

ここで重要なポイントは溶かす量です。

pH計に使用されるKCL溶液の濃度は3.3mol/Lであるため、濃度から逆算して溶かす量を決めなければなりません。

具体的には1リットルのKCL溶液を使用する場合は、248gのKCLを溶かします。

KCL溶液の濃度はpH測定に影響が出てしまう恐れのあるポイントですので、溶かす量に注意してください。

まとめ:pH計の内部液は3.3mol/LのKCL溶液を適切に補充・交換しましょう

pH計の内部液は比較電極に限り、3.3mol/LのKCL溶液を使用することで補充・交換が可能です。

しかし、補充・交換の際には正しい手順を理解する必要があることを忘れてはなりません。

また、KCL溶液は消耗品でもあるため大量に使用する場合は、自分で作る方が購入コストが抑えられる可能性があります。

精密機器の内部液の交換は少々ハードルが高いと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、しっかりと知識を身につけることでメリットは大いにあるでしょう。

より詳しくpH計の内部液について知りたい方は、スリーアールソリューション株式会社へ気軽にお問合せください。

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