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一酸化炭素中毒を防止する方法とは?CO濃度の数値や防止対策を徹底解説

一酸化炭素中毒は、人の生命に関わる危険性の高い中毒症状です。

実際に一酸化炭素中毒による事故は毎年発生しており、「一酸化炭素中毒を確実に防止したい」と考える企業経営者の方や現場担当者の方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、一酸化炭素中毒を防止する方法を詳しく解説します。

一酸化炭素の特徴や一酸化炭素中毒が発生するプロセス、一酸化炭素中毒が発生する状況についても紹介しますので、現場の安全対策を担当されている方はぜひ参考にしてください。

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一酸化炭素中毒が発生するプロセス

はじめに一酸化炭素の特徴を確認してから、次に一酸化炭素中毒が発生するプロセスをみていきましょう。

一酸化炭素とは

一酸化炭素(CO)とは、石油ストーブやガススト―ブなどの暖房器具を使用した際に発生する人体に有毒な気体です。

その毒性は非常に強く、空気中にわずか0.02%含まれているだけで、頭痛などの中毒症状を引き起こします。

一酸化炭素は、無味無臭のため、発生してもすぐに気づくことができません。

そのため一酸化炭素中毒による事故では、気づかぬ間に一酸化炭素が空気中に充満してしまい「気づいたら一酸化炭素中毒になっていた」というケースがほとんどなのです。

一酸化炭素中毒になると、頭痛や吐き気などの中毒症状が発生します。さらに一酸化炭素を吸い続けると中毒症状は重くなり、最悪の場合、死亡に至ります

実際に一酸化炭素中毒による事故は、2015年から2019年までの間に住宅や共同住宅において27件発生しており、今後も防止対策が欠かせない事故の1つです。

一酸化炭素中毒が発生するプロセス

暖房器具は室内の酸素を使って燃焼していますが、燃焼に必要な酸素が足りなくなると不完全燃焼を起こします。

不完全燃焼が起きた際に発生するのが、一酸化炭素です。

他にも、自動車の排出ガスやタバコの煙にも一酸化炭素は含まれていますが、多量に吸い込まなければ体に害を及ぼしません。反対に、室内などの換気しにくい環境で一酸化炭素が発生すると、新鮮な空気が入りにくいため、多量の一酸化炭素が体に入り込んでしまいます

一酸化炭素が体内に入ると、血液中のヘモグロビンと結合して血液が酸素を運搬する能力を阻害します。

一酸化炭素がヘモグロビンと結びつく性質は、酸素に比べて200倍もあるとされており、血液中に一酸化炭素が入り込むと、体内に酸素が行き渡らなくなってしまうのです。

一酸化炭素により、血液中のヘモグロビンの酸素運搬能力が低下し、体内が酸素欠乏状態になる症状を一酸化炭素中毒と呼びます。

一酸化炭素中毒になる数値と人体への影響

一酸化炭素中毒になる数値を確認するために、CO濃度を把握しておきましょう。

CO濃度とは、空気中に含まれている一酸化炭素の濃度を示す数値で、主に「ppm」という単位によって空気中に含まれる一酸化炭素の濃度を表しています。

繰り返しになりますが、一酸化炭素は無味無臭のため、空気中に含まれていても私たちは感知できません。そのため、CO濃度をチェックすることで、危険度を把握するのです。

一酸化炭素中毒の症状は、CO濃度によって症状の程度が異なりますが、中毒症状が発生するのは200ppmからと考えられています。

厚生労働省 福岡労働局が公表している表を基に、一酸化炭素中毒になるCO濃度の数値と中毒症状についてみていきましょう。
参考:厚生労働省 福岡労働局

0〜200ppm

CO濃度が200ppm(0.02%)の場合は、2時間から3時間で前頭部に軽度の頭痛が発生します。

200〜400ppm

CO濃度が200ppmから400ppm(0.04%)になると、1時間から2時間で前頭部に頭痛が発生するほか、吐き気があらわれてきます。また、2.5時間から3.5時間で後頭部にも頭痛が起きます。

400ppm〜800ppm

CO濃度が400ppmから800ppm(0.08%)まで上昇すると、45分間で頭痛、目まい、吐き気、けいれんがあらわれるほか、2時間で意識を保てず失神します。

800ppm〜1,600ppm

CO濃度が800ppmから1,600ppm(0.16%)になると、20分間で、頭痛、目まい、吐き気があらわれて2時間で死に至ります。

1,600ppm〜3,200ppm

CO濃度が1,600ppmから3,200ppm(0.32%)では、5分間から10分間という短時間で頭痛や目まいが発生し、30分間で死亡します。

3,200ppm〜6,400ppm

CO濃度が3,200ppmから6,400ppm(0.64%)の場合、1分間から2分間で頭痛や目まいが発生して、15分から30分間で死に至ります。

6,400ppm〜12,800ppm

CO濃度が6,400ppmから12,800(1.28%)の現場では、1分間から3分間で死亡します。

一酸化炭素中毒が発生する状況

一酸化炭素中毒は、空気中のCO濃度が高まることで発生します。では、どのような状況でCO濃度が高まるのかを具体的に確認しましょう。

室内で暖房器具を使用している

室内で暖房器具を使用していると、不完全燃焼が起こりやすく、一酸化炭素が発生するリスクが上がります。

なぜなら、石油ストーブやガスストーブといった強制排気管のない開放型暖房器具を使用すると、燃焼後の排気が室内に排出されるため、室内の酸素濃度が低下するからです。

同時に室内の酸素を燃焼のために消費するため、さらに室内の酸素濃度は低下して不完全燃焼が起こります。

特に室内が狭かったり密閉されていたりすると、酸素の消費スピードも上がり排気も室内に溜まっていくため、一酸化炭素中毒発生の可能性が上がります。

給排気口がふさがっている

ガス消費機器や石油消費機器の総排気口がふさがっていると、一酸化炭素中毒の原因になります。

総排気口がふさがっていると、本体の熱が内にこもるだけでなく、酸素不足による不完全燃焼につながります。

空気の循環が妨げられるため、一酸化炭素が発生しやすくなるのです。

総排気口がふさがる原因として、本体の故障やほこりによる目詰まりがあります。また、機器の近くにものを置いた結果、総排気口がふさがっているケースもあるので注意が必要です。

不完全燃焼防止装置が付いていない

不完全燃焼防止装置が付いていない機器を使用している場合、不完全燃焼防止装置が付いている装置よりも一酸化炭素が発生しやすくなります。

空いた時間を活用して、不完全燃焼防止装置付きの機器や屋外設置式といった安全な機種へ変更しましょう。

不完全燃焼防止装置とは、機器の異常を検知して、一酸化炭素が発生する前に、機器の運転を停止する機能です。

「ガス用品の技術上の基準等に関する省令」および「液化石油ガス器具等の技術上の基準等に関する省令」により、現在の燃焼器具には不完全燃焼防止装置が搭載されていますので、新たに器具を導入する際は心配ありません。

しかし、燃焼器具が古い装置の場合、不完全燃焼防止装置が付属していない可能性があるため、使っている燃焼器具の取扱説明書などを参考に確認してみてください。

参考:消費者安全調査委員会|消費者安全法第 24 条第 1 項に基づく評価

一酸化炭素中毒を防止する方法

一酸化炭素中毒は、主に以下の3つの方法で防止します。

  • ・定期的に換気する
  • ・異常を感じたら暖房機器の使用を中止する
  • ・暖房機器及び換気装置は定期点検する

それぞれ詳しく解説します。

定期的に換気する

一酸化炭素中毒を防止するために、定期的に換気しましょう。

一酸化炭素が発生する原因である不完全燃焼は、室内の酸素不足によって起こります。

そのため、「窓を開ける」「換気扇を回す」といった方法で換気すると、外気が流入するため、不完全燃焼が起こりにくくなり一酸化炭素の発生を防げるのです。

窓を開けて換気する際は、対角線上にある窓を2カ所以上空けたりして、空気の通り道をつくってあげると効率的に換気が進みます。

窓が1つしかない場合は、換気扇を回したり部屋のドアを開けたりして、空気の出入口をつくってあげましょう。

また、室内の広さにもよりますが、1時間に1回〜2回ほど換気すると安心です。もちろん、体調不良を訴える人や異常を感じた場合は、すぐに換気してください。

異常を感じたら暖房機器の使用を中止する

もしも、暖房器具を使用している室内で、頭痛、目まい、吐き気といった異常を感じたら、暖房器具の使用を中止してください。

一酸化炭素が室内に充満している可能性がありますので、暖房器具の使用中止と同時に換気して、一酸化炭素中毒を防止しましょう。

また、一酸化炭素中毒により意識消失した方がいれば、ただちに119番通報して救急車を要請してください。119番通報の際に、一酸化炭素中毒が発生した現場の対処法について指示を仰げば、2次災害の防止にもつながるでしょう。

暖房機器及び換気装置は定期点検する

一酸化炭素中毒を防止するためには、暖房器具と換気装置の定期的な点検も重要です。

どちらも正常に作動しているか確かめることで、突発的な事故防止につながります。

もしも暖房器具や換気装置の動作に異常を感じたら、製造元の問い合わせ窓口に連絡をとったりして、適切な対応方法を確認してください。

なお、暖房器具の炎が青い場合は正常に燃焼していますが、炎の色が赤色の場合、不完全燃焼を起こしている可能性があります。いつも見ている炎の色との違いにも注意してみましょう。

CO濃度を管理して一酸化炭素中毒による事故を防止する


一酸化炭素中毒による事故を防止するためには、CO濃度の管理が大切です。

室内のCO濃度を定期的に把握すると、安全な作業環境の構築につながります。

そのために、CO濃度を可視化できるCO濃度測定装置を導入し、ぜひ作業現場の安全確保につとめてください。

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