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部屋の中で二酸化炭素中毒が発生するケースとは?症状から対策法まで解説

生物の呼吸や灯油の燃焼など、さまざまな原因によって発生する二酸化炭素。

二酸化炭素が空気中に充満すると、私たちの体に不調を起こす「二酸化炭素中毒」が発生するおそれがあります。

しかし、「二酸化炭素中毒ってどのくらい危険なの?」「酸化炭素中毒が発生するケースを教えて欲しい」「二酸化炭素中毒の対策法を知りたい」とお困りの方もいるのではないでしょうか?

そこで本記事では、二酸化炭素中毒をはじめて聞いた方にもわかるように、二酸化炭素中毒の概要から発生するケースまでわかりやすく解説します、

詳しい対策法もまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

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二酸化炭素中毒の概要と主な症状

はじめに二酸化炭素中毒の概要と主な症状を解説します。

二酸化炭素中毒とは

二酸化炭素中毒とは、空気中の二酸化炭素濃度(以下、CO2濃度)が一定レべル以上の環境にさらされた際に、人体に表れる症状を指します

CO2濃度は、1立方メートルの空気中に含まれる二酸化炭素の割合を示しており、「ppm」または「%」によって表されます。

空気中の二酸化炭素は、生物の呼吸によっても上昇します。

そのため、室内で窓を閉め切ったりすると、室内の二酸化炭素の量が増えてCO2濃度が上昇するのです。

CO2濃度が10,000ppm(1%)を超えると、以下のような症状が出現します。

  • ・呼吸数の増加
  • ・頭痛
  • ・目まい
  • ・吐き気

ちなみに、大気中のCO2濃度は420ppm前後です。

温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)の統計を確認すると、2021年の世界のCO2濃度は415.7ppm。

日本の気象庁の統計によれば、2021年に与那国島で観測したCO2濃度は、419.2ppmです。

参考①:World Data Centre for Greenhouse Gases

参考②:気象庁 二酸化炭素濃度の経年変化

二酸化炭素中毒の主な症状とCO2濃度の目安

CO2濃度が10,000ppmを超えると呼吸数の増加といった不調が発生し、数値が上昇するにつれて、生命のリスクも高くなります。

CO2濃度 主な症状
10,000ppm 呼吸数の増加
50,000ppm めまい、吐き気、頭痛、呼吸困難
80,000ppm 強い頭痛、めまい、吐き気、呼吸困難、発汗など
100,000ppm 激しい呼吸困難、嘔吐、高血圧、見当識の失調、意識消失など


高レベルのCO2濃度ではなくても、空気中のCO2濃度が増えると、体に負担がかかります。

集中力の低下や体の不調を招くため、生産活動の効率も低下してしまうのです。

部屋の中で二酸化炭素中毒が発生するケース

部屋の中で二酸化炭素中毒が発生するケースをみていきましょう。

主なケースは以下の3つです。

  • ・部屋を閉め切る
  • ・石油ファンヒーターを使用する
  • ・24時間換気システムを稼働させていない

それぞれ解説します。

部屋を閉め切る

私たち人間や犬や猫といったペットも、酸素を取り入れて二酸化炭素を体外に排出しています。

そのため、部屋の中で普通に過ごしているだけでも、排出した二酸化炭素によってCO2濃度は上昇するのです。

窓を閉め切って新鮮な空気の流入が途絶えている状況では、CO2濃度はさらに早く上昇します。

今この記事を読んでいる方の中にも、「狭い部屋で長時間過ごしていたら、頭が痛くなった」「たくさんの人がいる室内で、息苦しくなった経験がある」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

これらの症状は、CO2濃度の上昇により、知らず知らずのうちに二酸化炭素中毒が発生していた可能性があるのです。

石油ファンヒーターを使用する

石油ファンヒーターの使用もCO2濃度を上昇させる原因となります。

寒い季節になると「石油ファンヒーターで部屋の中を暖める」という家庭も多いと思います。

石油ファンヒーターは、灯油を燃焼させて発生した熱を、ファンヒーター内部にあるファンによって室内に送風させる煖房器具。

しかし、灯油が燃焼すると、空気中の酸素を消費して二酸化炭素を排出するため、室内のCO2濃度は上昇します。当然、二酸化炭素中毒のリスクも高まるのです。

また、灯油が燃焼する際には一酸化炭素や二酸化窒素も発生します。

最近は以前の住宅よりも気密性の高い住宅が増えており、外の気温と室内気温の差によって生じる「隙間換気」も発生しにくくなっています

そのため、石油ファンヒーターを使用する際は、、二酸化炭素中毒以外にも一酸化炭素中毒やシックハウス症候群といったリスクにも気をつけなくてはいけません。

24時間換気システムを稼働させていない

24時間換気システムとは、室内を1日中換気して空気を入れ替えるシステムを指します。

24時間換気システムを稼働させていない場合、人が過ごしている部屋の中のCO2濃度は上昇しやすくなるため、二酸化炭素中毒のリスクも高まります。

「節電のために稼働させていない」「フィルターの掃除や交換が大変」といった理由で稼働させていない家庭もあるかもしれません。

その場合、別の方法で空気の通り道を作ってあげる必要があるのです。

ちなみに24時間換気システムは、2003年の建築基準法改正によって、全ての建築物および居室への設置が義務付けられました

建築基準法の改正には、化学物質の影響により頭痛や咳、目まいといった症状が表れる「シックハウス症候群」への対応が求められたという背景もあります。

部屋の中で二酸化炭素中毒を発生させないためには換気が重要

部屋の中で二酸化炭素中毒を発生させないためには、部屋の中に新鮮な空気を取り入れて、CO2濃度の上昇を防ぐ必要があります。

誰にでも取り組めて効果のある方法は、窓やドアを開けて外部の新鮮な空気を取り入れる「換気」です。

換気にはCO2濃度を下げる効果だけでなく、部屋の中の汚れた空気を外に出す効果もあります。

そのため、感染リスクを下げたい方やアレルギー体質の方が快適に過ごすためにも、換気は効果的です。

換気には、二酸化炭素中毒の防止以外にも、以下のような効果があります。

  • ・脱臭
  • ・防塵・防湿(結露やカビの発生防止)
  • ・室温の調整
  • ・気分のリフレッシュ効果など

必要な換気量は、部屋の大きさや用途などによって異なりますが、厚生労働省から発出されている「換気の悪い密閉空間を改善するための換気の方法」が参考になるでしょう。

同資料では、1人当たり毎時間30立方メートルを必要な換気量と定めています。

参考:厚生労働省|「換気の悪い密閉空間を改善するための換気の方法」

二酸化炭素中毒を防止する効果的な換気のやり方

二酸化炭素中毒を防止する効果的な換気のやり方を3つ解説します。

  • ・対角線上にある窓を開ける
  • ・天候が悪い日や寒い日の対策法
  • ・換気扇、扇風機、換気システムを利用する

それぞれみていきましょう。

対角線上にある窓を開ける

対角線上にある窓を開ける方法は、部屋の中に窓が2つある場合に特に有効です。

1つの窓を開けてから、離れた場所にある窓を開けて、窓と窓の間に空気の通り道を作ってあげましょう。

空気が入る道と空気がでる道の両方をつくると、効率的に換気が進みます。

ただし隣同士の窓を開けても、空気が部屋の中を通らないため、あまり効率的ではありません

できるだけ、対角線上の離れた場所にある窓を開けましょう。

天候が悪い日や寒い日の対策法

天候が悪い日や寒くて窓を開けにくい日は、扇風機やサーキュレーターの活用をおすすめします。

部屋のドアを開けて、室内に扇風機またはサーキュレーターを設置。室内の空気が外に出るように稼働させれば、空気の入れ替えができます

また、雨や冷気が入らないように薄く窓を開けて、外気を流入させてもよいでしょう。

特に部屋の空気の汚染が進んでいると感じたときは、快適性よりも部屋の換気を優先して、二酸化炭素中毒を防止してください。

換気扇、扇風機、換気システムを利用する

換気扇は、主にキッチンで生じた煙や空気を外部に放出する装置ですが、換気にも活用できます。

窓のない部屋で換気したい場合に換気扇は効果的です。

換気扇や扇風機を使って部屋の空気を外に出すことで、上手に空気の入れ替えを行いましょう。

繰り返しになりますが、2003年以降の建築物には24時間換気システムが設置されています。

特にベッドで眠っている夜中は、知らず知らずのうちにCO2濃度が上昇する可能性がありますので、24時間換気システムを活用して二酸化炭素中毒を予防してください。

換気するタイミング

二酸化炭素中毒を防止する上で気をつけたいポイントが、換気するタイミングです。

換気するタイミングが早すぎると、室内の環境整備に労力がかかりますが、タイミングが遅すぎても防止策としては不十分です。

目安としては、2時間に1回の換気と、5分から10分間の換気時間を設定するとよいでしょう。

また、1つの目安として「1,000ppmを超えたら換気する」と決めるのもわかりやすく間違いのない方法です。

部屋の中のCO2濃度は、CO2モニターによって計測してください。

CO2モニターとは、目に見えないCO2濃度を数値にして可視化してくれる装置のこと。

室内に設置するだけで自動的に部屋の中をモニタリングしてくれるため、二酸化炭素中毒を防止しながら、本来の業務に集中することもできます。

二酸化炭素濃度測定にCO2モニターの導入を

二酸化炭素中毒は、空気中の二酸化炭素の割合が増えることで発生する体の中毒症状です。

二酸化炭素は目に見えないため「何だか調子が悪いな」と異変を感じる前に、対応策を講じて防止することが大切です。

この機会にCO2モニターを導入して、部屋の中の二酸化炭素濃度を測定しましょう。そして、適切なタイミングで換気して作業効率の低下を防いでください。

CO2モニターを設置すれば、「今は500ppmだからまだ換気しなくてもいいな」「CO2濃度が高くなってきたから、そろそろ換気しよう」と換気のタイミングが客観的にわかります。

さらに、お客様を相手にする場合でも、換気のタイミングについてきちんと説明できるようになるでしょう。

二酸化炭素中毒と作業効率低下を防止するために、ぜひCO2モニターを導入してください。

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