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水耕栽培における最適な環境を整えるためのpHやECについて解説します

水耕栽培は、土を使わず水と液体肥料のみで植物を育てるため、無農薬野菜として注目されています。

水耕栽培において水』は大切な栄養素のひとつです。

そのため、植物が育ちやすい水の水質環境を整えることが重要になります。

植物が栄養分を摂取しやすい水質環境を整えるためにポイントとなるのが、水質を表すpHです。

育てる植物や成長過程によって適正なpH値は異なるため、水耕栽培で生き生きとした植物を育てるためには、適正値のpHを管理しなければなりません。

本記事では、水耕栽培におけるpHと、水耕栽培における肥料濃度を示すECについても説明していきます。

水耕栽培をしていくうえで良質な植物を育てるためには、pHとECの2つの数値を把握した環境を整えることが成功の鍵となります。

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水耕栽培に大切なpHやECとは

水耕栽培を行っていくためには、pHとECの両方を管理していくことが大切です。

そこで「pHやECとはなにか」について、ここから解説していきます。

まずは、pHやECについての理解を深めましょう。

pHとは?

pHとは、液体の水質を表す表記で、水質には酸性・中性・アルカリ性があります。

pH値は、0〜14の数字で表し、0〜5.9が酸性、6.0〜8.0が中性、8.1〜14.0がアルカリ性です。

また、pHの数値の値によって酸性・弱酸性・中性・弱アルカリ性・アルカリ性といった区分にわけます。

土を使わずに植物を育てる水耕栽培では、水質管理がとても大切になります。

それは、植物によって養分を吸収しやすい水質環境(pH)が異なるためです。

ECとは?

EC(Electrical Conductivity)とは、日本語で「電気伝導度」と言い換えられ、電気の通しやすさを示す数値です。

水耕栽培における液体肥料に含まれる肥料は、電解質であるため、農業の分野では肥料濃度と示す数値として扱われています

ECを計測すれば、土や水の中にどれだけの肥料が含まれているのか調べることができます。

 

水耕栽培に最適なpHやECの値とは

水耕栽培で立派な植物に成長させるためには、適正な環境(pH)と適正な肥料濃度(EC)の組み合わせが大切です。

どちらかの数値が適正な数値からはずれた場合、植物は肥料からの養分を吸収しにくくなります。

そのため、水耕栽培ではpHとECの適正な数値管理が重要です。

水耕栽培におけるおおよその適正なpHの値は、一般的には5.5〜7.0の弱酸性の水質環境です。

pHの値が酸性やアルカリに極端に傾くと、肥料成分をうまく吸収できなくなる影響を与えます。

そして水耕栽培において適正なECの値は、果菜類ではo.6〜1.5mS/cm、葉・根菜類では1.2〜3.5mS/cmの範囲が目安です。

さらに、成長過程によっても適正なEC値は、異なります。

肥料濃度が多すぎても少なすぎても植物は、うまく成長しません。

そのため、水耕栽培では育てる植物によって、適正のEC値に合わせた肥料投与が大切です。

pHの値が水耕栽培に与える影響

水耕栽培において、pHとECの重要性について紹介してきました。

ではpHが高すぎる場合と低すぎる場合、水耕栽培にどのような影響を及ぼすのか。

ここからは、水耕栽培におけるpHが及ぼす影響について紹介していきます。

pH値が高すぎる場合

水耕栽培においてpHの値が7.0以上のアルカリ性に傾いてしまった場合です。

pHが高すぎると肥料の成分が吸収しにくい状況になります。特に植物の成長に欠かせない鉄分の吸収に悪影響を与えます。

そのため、葉っぱが黄色くなるといった鉄血症状が出やすい環境になります。

葉色の変化や成長の悪さが気になった場合には、pHが高すぎている可能性があります。

pH値が低すぎる場合

水耕栽培の途中でpHが低すぎた場合に起きる植物への影響についても高くなった時と同様に吸収面に影響を及ぼします。

ただ水耕栽培において、pHが下がることは、ほとんどありません

水耕栽培における養液のpHのほとんどは上昇することが多いためです。

pHが下がる原因は以下のような外的要因が考えられます。

  • ・切れた根や虫の死骸などの腐敗の影響
  • ・養液の中に微生物が増殖し、pHの値に影響
  • ・配管部やフィルターなどの腐敗による影響
  • ・測定機器の異常
  • ・水道水の原水に異常がある

このような外的要因がほとんどです。

pHが高すぎる、低すぎるといったいずれの場面でも、植物にとって吸収の妨げになるのは間違いありません。

ゆえに水耕栽培を成功させるためには、pHの管理が重要になります。

水耕栽培でpHを下げるための方法

水耕栽培でpHが上がってしまった場合、pHを下げる作業が必要です。

そこでここからは、水耕栽培においてpHを下げる方法について紹介していきます。

適正のpHより高くなりすぎてしまった場合の参考にしてみましょう。

pHダウン剤を使用する

もっとも簡単な方法として、市販で販売されているpH調整剤であるpHダウン剤を使用する方法があります。

硝酸や硫酸などが含まれるpHダウン剤を投与することで、水耕栽培で上がってしまったpH値を下げることが可能です。

しかし、ダウン剤を使用してpHを急に下げすぎるのは、やめましょう。

植物の環境変化を急激に変化させてしまうため、あまり好ましくありません。

上がり過ぎたpH値を一週間ほど時間をかけて理想の水質環境に整えていくように投与していくことが大切です。

正リン酸を使用する

農業の現場で多く使用されている正リン酸を使用する方法があります。

正リン酸を使用すると、1000リットルの養液に正リン酸を20cc入れると、pHが約0.5下がります。

しかし、注意したい点は投与する量です。

100リットルであれば2ccとなる比率になります。

そのため正リン酸を多量に入れてしまうと急激にpHを下げてしまう原因になります。

急激な変化は、植物にとっても栄養を吸収しなくなり、最悪枯れてしまうような悪影響を及ぼすので、取り扱う量には注意しましょう。

水耕栽培でpHを上げる方法

先述では、pHを下げる方法について紹介してきました。

ここでは反対に、pHが下がり過ぎてしまった場合として、pHを上げる方法について紹介していきます。

pHが下がり過ぎてしまった場合の参考にしてみましょう。

pH調整剤を使用する

pHを下げる方法でも紹介した pH調整剤のpHアップ剤を使用する方法です。

同様にpHを上げる方法としてもっとも簡単な方法になります。

pHアップ剤の中に含まれる水酸化カリウムや水酸化ナトリウムがpHを上がる成分として含まれています。

ダウン剤と同様に投与する量に気をつけながら、pH値を回復するために使用しましょう。

フィルターの清掃や異常確認をする

水耕栽培においてpHが下がることは、ほとんどありません。

原因には、外的要因があることを先述しました。

しかしpHが下がりすぎてしまっている状態は、植物の成長にとってよくない環境です。

植物の根や虫の死骸など腐敗や配管の腐敗、原水トラブルなどの原因があります。

汚れた配管やフィルター、虫の死骸は、pHを酸性へと高めます

そのため、配管やフィルターなど清掃するとpHが回復する可能性があります。

また、水道水の水質異常や使用している肥料が原因になっている可能性もあります。

状態異常をいち早く察知できるよう、水道水のpH値を計測や肥料投与後にpHを計測するなど、こまめにpH値を計測することも大切です。

水耕栽培におけるECの知識

水耕栽培におけるpHについて紹介してきました。

ここからは、水耕栽培において重要なECについて解説していきます。

水耕栽培では、pHとECの両方の数値を適正に合わせることが大切です。

以降よりECについての必要な知識を知っておきましょう。

肥料が多いと育つわけではない

水耕栽培では、肥料をたくさん与えるほど植物は育つと考える方も多いのではないでしょうか。

しかし実際には、肥料を多く与えたから成長するわけではありません。

水耕栽培は、土を使わずに水だけで植物を育てていきます。

そのため多すぎる肥料は、植物の根が水や栄養の吸収をストップしてしまいます。

反対に少なすぎても植物は、栄養不足になり成長しません。

ゆえに水耕栽培では、育てる植物がもつ適正なEC値を持続させることが大切になります。

育てる植物によって適正のEC値がある

育てる植物によって適正のEC値があることは知っておきましょう。

ある植物ではこれだけの肥料を与えて成功した経験から、他の植物においても同様の肥料を与えることはやめましょう。

水耕栽培において適正なECとは、一般的に果菜類ではo.6〜1.5mS/cm、葉・根菜類では1.2〜3.5mS/cmの範囲が目安です。

また植物の成長段階によっても適正EC値は変化していきます。

種から芽を出す時期や収穫の実を成長させる段階では多くの栄養が必要となるためです。

 大きな実に成長させたい場合や元気な植物に成長させたい場合には、EC値を測れる計測機器を使用して、こまめにEC値をチェックして肥料濃度を管理していきましょう。

EC値の値は気候の変化にも注意が必要

ECの値は気候によっても変動することを知っておきましょう。

特に夏場の時期です。夏場は、植物は肥料よりも多くの水を摂取します。

夏場の植物は、水を摂取することで温度調節を行っているためです。

そのため培養液中の水分が減少し、肥料濃度が上昇するという現象が起こります。

高すぎるEC値は、植物が肥料を吸収しない原因にも。

EC値を管理する場合には、気候にも左右されることを知っておきましょう。

まとめ:pHやECの値を測定しながら水耕栽培の管理を徹底する

水耕栽培で植物を育てるためには、pHとEC値の管理が大切です。

pH値を管理することで、植物が育ちやすい環境を整えます。

そしてEC値の値を適正に整えることで、植物の成長促進させていきます。

水耕栽培は、pHとEC値の両方の値を適正に保つことが大切です。

pHとEC値どちらかの数値が適正外になった場合には、植物は栄養を吸収しにくくなります。

では、どのようにしてpHとEC値を適正に管理していくのか?

それは、日頃からpHとEC両方の数値をこまめに計測し、監視していくことです。

そのためには、pHやEC値を計測できる計測器を用意してください。

スリーアールソリューションでは、pHを測る計測機器やその他さまざまな計測機器を取り扱っています。

計測機器を探している場合には、下記カタログページより資料をお求めください。

カタログダウンロードページ▶︎https://3rrr-btob.jp/dlform/

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