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顕微鏡の種類や特徴を徹底解説!用途や顕微鏡選びのポイントも紹介

顕微鏡には、測定の仕組みや観察対象によって種類の異なる顕微鏡が存在します。

顕微鏡の種類や特徴は複数あるため、「光学顕微鏡と電子顕微鏡の違いがわからない」「自分たちに合った顕微鏡の見分け方を教えて欲しい」「顕微鏡選びで失敗しないポイントを知りたい」とお困りの方もいるのではないでしょうか?

そこで本記事では、顕微鏡の種類や特徴を徹底解説します。

それぞれの顕微鏡の特徴や用途をわかりやすく紹介した上で、顕微鏡選びのポイントを解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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顕微鏡の基礎知識や観察できる大きさについて

そもそも顕微鏡とは、光または電子の特性を活用して、観察対象を目で見える大きさの像にまで拡大する装置を指します。

光の特性を使った顕微鏡を光学顕微鏡と呼び、電子の特性を利用した顕微鏡は電子顕微鏡と呼ばれています。

光学顕微鏡は、1mmから0.2μm(マイクロメートル)まで観察できます。電子顕微鏡は、より小さい対象の0.2nm(ナノメートル)まで観察可能です。

※1μm(マイクロメートル)とは、1mmの/1/1000の大きさ。1nm(ナノメートル)は1μmの1/1000の大きさです。

人間の肉眼では、およそ0.1mmほどの物体しか観察できないと考えられていますが、光学顕微鏡や電子顕微鏡を使えば、それよりも小さい物体を観察できるようになるのです。

しかし、対象物を正確に観察するためには、観察対象によって適切な顕微鏡を使い分ける必要があります。

また、顕微鏡の種類や特徴を把握することも必要です。

光学顕微鏡にはいくつかの種類がありますので、用途と合わせて紹介していきます。

光の特性を利用した顕微鏡(光学顕微鏡)の種類と用途

光学顕微鏡とは、可視光線(目に見える光)を利用し、対象物を拡大して観察する顕微鏡です。

可視光線の波長はおよそ400nmから700nmで、この波長が人の目で捉えられる限界だとされています。

光学顕微鏡は以下の3種類あり、観察対象によって使い分けます。

  • ・実体顕微鏡
  • ・生物顕微鏡
  • ・金属顕微鏡

それぞれの用途や特徴を確認しましょう。

実体顕微鏡

実体顕微鏡とは、人の肉眼でも確認できる物体を、さらに拡大して観察する際に利用する顕微鏡です。

接眼レンズと観察対象の間にスペースができるため、サンプルをさまざまな角度から立体的に観察できるという特徴があります。

例えば、昆虫や鉱物などの立体的なサンプルを、より詳しく観察したい場合は実体顕微鏡がおすすめです。

ただし、実体顕微鏡は、生物顕微鏡や金属顕微鏡に比べて低倍率の観察しかできません。

そのため、より観察対象を高倍率で観察したい場合は、生物顕微鏡などの他の顕微鏡と併用する必要があるでしょう。

実体顕微鏡は、生物顕微鏡のように試料を使わず観察できたり光を透過させたりする必要がありません。準備から観察作業まで手間をかけずに調査できる点は、メリットといえるでしょう。

生物顕微鏡

生物顕微鏡は、実体顕微鏡よりも高倍率で観察できる顕微鏡です。

アメーバなどの微生物や植物・生物の細胞など、人の肉眼では捉えられない対象も詳しく観察できます。

観察方法は、植物や生物の生体組織の薄片などをプレパラート標本にして、光を透過させて観察する方式を採ります。

すぐにでも観察できる実体顕微鏡に比べると手間はかかりますが、高倍率で観察できる点は生物顕微鏡の大きなメリットといえるでしょう。

なお細胞や細菌は、培養溶液に入れた後に、光を透過させて観察します。

金属顕微鏡

金属顕微鏡は、光を透過させないサンプルを観察する際に用いる顕微鏡です。

金属顕微鏡では、対物レンズから光がサンプルに向かって照射されます。そして物体に反射された光を観察します。

金属顕微鏡の倍率は50倍から500倍。実体顕微鏡よりも高倍率で観察できるため、金属表面の微細な変化観察や半導体検査にまで活用できます。

そのため、金属や合金などの分析・調査のほか、電子部品の製造といった精密な作業を行う現場に導入されているのです。

電子の特性を利用した顕微鏡(電子顕微鏡)の種類と用途

電子顕微鏡は、光(可視光線)ではなく電子の束(電子線)を使って対象の拡大像を得ています。

先ほどの光学顕微鏡では、光よりも波長の短いものを観察しようとすると、像がぼやけてしまうという欠点がありました。

その点電子は光よりも波長が短いため、光よりも高倍率の観察が可能になるのです。

光学顕微鏡が約2,000倍まで拡大できるのに対して、電子顕微鏡は約100万倍まで拡大できるため、分子や原子といった目には見えない物質の観察が可能です。

電子顕微鏡は、電子線を対象にあてたときに、電子線が透過するのか跳ね返るのかによって「透過型電子顕微鏡」と「走査型電子顕微鏡」に分かれます。

透過型電子顕微鏡(TEM)

透過型電子顕微鏡とは、物体を通り抜けた電子を使ってサンプルを観察する顕微鏡です。

電子をサンプルにあてると、サンプルの構造や成分によって、透過した後の電子が変化します。

観察対象を透過した電子を、専用の蛍光版にあててサンプルを観測するのが透過型電子顕微鏡です。

サンプルを光る蛍光版にあてて透かして観察するため、観察対象を切片にする必要があります。その分観察対象の内部を確認できるため、微細な観察ができるというメリットがあります。

走査型電子顕微鏡(SEM)

走査型電子顕微鏡とは、サンプルの表面に電子を照射して跳ね返ってきた電子を検出する電子顕微鏡です。

先ほどの透過型と異なり、電子がサンプルを透過しないため、サンプルの内部は確認できません。しかし、表面の微細な凹までを確認できるのが特徴です。

例えば、走査型電子顕微鏡を使って細菌を観察した場合、細菌の形や大きさを立体的に確認できます。

形で見分ける顕微鏡の種類

顕微鏡は形によっても種類が異なります。

  • ・正立型顕微鏡
  • ・倒立型顕微鏡

それぞれみていきましょう。

正立型顕微鏡

正立型顕微鏡とは、観察対象を上から観察するタイプの顕微鏡です。拡大像を得るために必要なレンズ(接眼レンズ、結像レンズ、対物レンズ)が、観察対象を載せるステージよりも上部に設置されています。

小学校の理科の授業でも取り扱うため、誰もが知っているポピュラーな形かもしれません。

正立型顕微鏡は、コンパクトサイズが多く、使用や保管にスペースを必要としないメリットがあります。

一方、観察対象を載せるステージにサンプルが乗らないケースがある点はデメリットといえるでしょう。

倒立型顕微鏡

倒立型顕微鏡とは、観察対象を下から観察する顕微鏡です。先ほどの正立型顕微鏡とは、反対の方向からサンプルを観察します。

観察者が上からレンズを覗き込む点は一緒ですが、観察対象を載せるステージよりも下にレンズが収納されている点が異なります。

正立型顕微鏡よりも大きいサンプルをステージ上に設置できる点がメリットです。

しかし、顕微鏡の本体サイズが大きいため、作業場所や保管場所に一定のスペースを確保する必要があります。

顕微鏡の種類を選ぶ際のポイント

顕微鏡選びを失敗させないために、以下の3つのポイントを押さえましょう。

  • ・観察対象に適切な倍率を選ぶ
  • ・接眼レンズの種類に注意する
  • ・照明の有無に気をつける

それぞれ解説します。

観察対象に適切な倍率を選ぶ

顕微鏡を選ぶ際は、観察対象に適切な倍率の顕微鏡を選んでください。

例えば、金属の断面や生物体の生体組織といった微細な対象を観察したい場合は、高倍率の顕微鏡が必要です。

反対に、昆虫や鉱物といった目に見える対象を観察したい場合、倍率よりも観察対象を設置するスペースが重要になるでしょう。

前者であれば生物顕微鏡や金属顕微鏡。後者であれば生体顕微鏡が適切な顕微鏡といえます。

観察対象と観察内容にあわせて、適切な顕微鏡を選びましょう。

接眼レンズの種類に注意する

接眼レンズには、片目で見る「単眼レンズ」と両目で見る「複眼レンズ」の2種類があります。

単眼レンズでは、常に片目で観察することになるため「目が疲れやすい」「両目が使えないため、立体的に物体を捉えにくい場合がある」といった欠点があります。

また、観察が長時間に及ぶ場合、首や肩にも一定の負担がかかってしまうかもしれません。

しかし、複眼レンズに比べて単眼レンズはレンズの枚数が少ないため、コスト削減につながるというメリットもあります。

一方の複眼レンズは、両目で観察するタイプです。疲労が溜まりにくく、観察対象を立体的に捉えやすいといった点がメリットでしょう。

そのため、長時間作業を行う現場に顕微鏡を導入する場合、複眼レンズの顕微鏡がおすすめです。

照明の有無や照度に気をつける

「照明がない」または「照明が暗い」顕微鏡を選ぶと、正確に観察できない可能性があります。

光の透過によって拡大像を得る顕微鏡の場合、照明が暗いと対象の凹凸が見づらくなったり周囲との違いがわかりにくくなったりと、正確な観察がむずかしくなるのです。

特に中古品の顕微鏡の導入を考えている方は、照明に欠陥はないかはもちろん、照明の照度にも気をつけてください。

近年はLED電球を搭載した顕微鏡が流通しているため、LED電球を使った顕微鏡を中心に探すことをおすすめします。

顕微鏡の種類と特徴を把握して用途に合った顕微鏡を選択する

顕微鏡は、大きく分けると光学顕微鏡と電子顕微鏡の2種類があり、観察対象や測定の仕組みによってさらに種類が分かれていきます。

顕微鏡は精密機械のため、高倍率かつ高分解能の顕微鏡になると価格も非常に高価です。

余計な出費を抑えるためにも、必要な機能を備えた顕微鏡を用意しましょう。

観察対象に適切な特徴を備えた顕微鏡を選べば、顕微鏡の本来の性能も発揮されるはずです。

本記事を参考にしていただき、ぜひ自分たちに合った顕微鏡を選択してください。

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