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濁度計とは?メーカーの特徴と価格を比較

上下水や飲料水、工業排水など、水質を理解することは非常に重要です。

その中で濁度(だくど)は水の濁り具合を示すものです。

本記事では、濁度計の測定方法や濁度の単位を解説します。

濁度計を取り扱っているメーカーの比較もしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

濁度計とは

濁度とは

そもそも濁度(だくど)とは、水など液体の濁りのことで、ホルマジン濁度と、カオリン濁度の2種類あります。単位はなく、度で表します。

濁度計とは

濁度計とは、濁度を計る機器のことです。

基準の液体と比較してどの程度濁っているかを測定します。

濁度計で測定するのは、工業排水・下水処理排水の濁度、河川の濁度など環境の水の濁度や、鉄鋼・石油精製・石油化学などプロセス工業の液体の濁度です。

 

基準の液体には鉱物の1種であるカオリンやポリマー混合液体であるホルマジンンが使用されます。

基準の液体・単位は以下の通りです。

基準の液体 単位 特徴
カオリン標準液 度・mg/l

・1904年上水試験法によってカオリン標準液が規定

・精製水1リットルにカオリンが1㎎を含む際の濁りが1度

混和ポリスチレン標準液 度・mg/l

・平成 15 年厚生労働省令第 101 号/平成 15 年厚生労働省公示第 261 号によって規定

・水道から供給される水の基準はポリスチレンラテックス(PSL)を使用した懸濁液を調製して使用する

・低い濁度のものに使用される

・安定した測定が可能

ホルマジン標準液 FTU(Formazin Turbidity Unit)

・ JIS K0101の工業用水試験方法/ JIS K0801の濁度自動計測器に規定

・上水試験法では散乱光測定法にのみ規定

・海外規格 EPA 180.1 ・ ISO7027 でも規定

・硫酸ヒドラジンとヘキサメチレンテトラミンを重合
して調製されたもの

濁度の基準

濁度の基準は以下の通りです。

種類 基準
水道水 2度以下
快適水質

給水栓:1度以下

送配水施設入り口:0.1度以下

環境水 なし

参考:厚生労働省「水道水質基準項目の代替指標として考えられる項目

   厚生労働省「濁度

濁度計の測定方法6つ

濁度計の測定方法は以下の6つです。

  • ・表面散乱光法
  • ・散乱光・透過光法
  • ・透過光法
  • ・散乱光法
  • ・積分球法
  • ・微粒子カウント法

順にみていきましょう。

1.表面散乱光法

表面散乱光法とは、測定する液体に光を当てて散乱光を測定する方法です。

散乱光を測定後は、散乱の強さと濁りの濃度を比例し、濁度を測定します。

表面散乱光法の単位は、ホルマジン(度・FTU)です。

 

表面散乱光法の特徴は、反響鏡など窓がないため、汚れや劣化などの影響を受けないことです。

また、散乱光という光を測定するため、測定する液体の色にも影響をほとんど与えません。

支障のない程度の液体の色の変化であるため、濁度が高い液体の測定に使用されます。

連続して使用できることも特徴のひとつだと言えます。

2.散乱光・透過光法

散乱光・透過光法とは、測定する液体に光を入れ、透過光・散乱光の2つを測定する方法です。

透過光・散乱光の比を計算することで、濁度を測定できます。

散乱光・透過光法の単位は、ホルマジン(度・FTU)です。

 

特徴的なのは、反響鏡など窓の汚れ・劣化によって濁度が変化しないことです。

そして、電源の変動や測定する液体の色によって濁度が変化しないことも特徴のひとつ。

濁度測定時に不都合となる要素がなく、測定に影響を与えづらいことから、連続して測定する際によく使用されています。

また、濁度の高低かかわらず測定できるため、非常に便利な測定方法だと言えます。

3.透過光法

透過光法とは、測定する液体の水槽の片側から光を当てて測定する方法です。

透過した光の向かい側で測定し、値の減少・衰退具合がわかります。

減衰具合が懸濁物質の濃度に関係するため、濁度を測定できるのです。

 

透過光法の特徴は上水用として使用できることです。

一方、濁った水や基準液体の色、反射鏡などの窓の汚れに影響を受けやすいデメリットがあります。

また、粒子のサイズが同じで白色以外の場合は正しく数値が出ないこともデメリットのひとつでしょう。

そのため、工業排水・下水処理排水の濁度、河川の濁度など環境の水の濁度測定時には使用が難しいです。

透過光法だけで測定する機器はほとんど販売されていません。

4.散乱光法

散乱光法とは、測定する液体に光を入れ、液体内の散乱のみを測定する方法です。

測定後は散乱光の強さを測り、懸濁物質の濃度の比例を利用して濁度を測定します。

光を入れると光の反射の強さが変化するため、散乱光法が使用されます。

濁度計の中で多く使用されている方法です。

5.積分球法

積分球法とは、光のもとから平行する光線を液体の入った水槽に入射させる方法です。

光線は散乱光線となって積分球に入ります。

積分球内にある光電池で、散乱光と全入射光をそれぞれ測定

散乱光と全入射光は、ライトトラップ・白板を入れ替えれば測定できます。

その後、散乱光と全入射光の比を測ることで、濁度を測定できます。

さまざまな用具や器具が必要であるため、試験室や実験室で行う測定に向いています。

6.微粒子カウント法

微粒子カウント法は、半導体レーザを使用し、微粒子を検出して測定する方法です。

測定する液体に光を当てることで、微粒子によって散乱光が生まれます。

散乱光を集めて電気信号に変換すれば、波高値を持つパルス信号を観測できるため、微粒子個数濃度が測定できます。

微粒子個数濃度を「n」、平均散乱断面積を「C」、濁度を「D」として計算すると、濁度を求めることが可能です。

計算式は、D =Σ niCi 

※i = 1 ~ N

となります。

 

2度以下の低い低い濁度を測定する時に使用されます。

濁度の規格と標準液と単位

濁度の規格と標準液と単位は以下の通りです。

規格 測定方法 標準液と単位
JIS K0101
工業用水試験方法
透過光法 カオリン(度)
ホルマジン(度)
散乱光法
積分球法
JIS K0801
濁度自動計測器
透過散乱光方式 ホルマジン
(度/ FTU)
表面散乱光方式
上水試験方法 微粒子カウント法 カオリン(度)
ホルマジン(NTU)

有名濁度計メーカー比較

濁度計の原理・測定方法が理解できれば、次にどの濁度計を購入するかを迷われるでしょう。

有名濁度計メーカー比較していきますので、参考にしてみてください。

  使用可能なもの 測定範囲 特徴 価格
企業A

・上水

・下水

【上水】

0~2度

【下水】

最低レンジ0~2度

最高レンジ0~200度

【上水】

・連続測定ができる

・精度を管理できる

・散乱法であれば、精度への影響がない

・メンテナンスが簡単

【下水】

・測定する液体に色がついていても、出力に変動はない

・外の光が強くても測定に影響がない

・温度変化がないため、経年変化もない

企業B

・飲料水

・工業用水

・淡水

・排水

0.001~1,000.0 NTU

・寿命が8年と長い

・壁掛けができる

・アナログ信号が出力できる

・上下限警報リレーが出力できる

企業C 科学

【前方散乱光法/透過光法/散乱光法】

4,000NTUまで

【後方散乱法】

10,000NTUまで

・高い濁度~低い濁度の幅広い測定ができる

・日本薬局方/ホルマジン標準液/カオリン標準液に対応し、校正を選択できる

・日本語表示

・簡単に操作できる

・データの出力が可能

企業D

・上水

・下水

0~2.0度

・光源はLEDと寿命が長い

・3つのレンジがある

・結露防止ヒーターの装備で、長期間精度の高い測定ができる

・アナログ出力信号もデジタル信号も装備されている

・壁掛け型や自立架台組付け型、キュービクル収納型など設置場所が複数ある

企業E

・河川や湖などの環境水

・工業排水や工事排水

・0.0~80.0NTUまたは㎎/L

・0~800NTUまたは㎎/L

・低い濃度の濁度が測れる

・24時間以内の濁度のモニタリングに活用可能

・単3電池で連続120時間の測定ができる

・メモリー機能は1,000データ

・パソコンやプリンタなどに接続できる

レンタル日数による

企業F ・排水 ・カオリン: 0 ~ 2,000 度
・ホルマジン:0 ~ 4,000 度(NTU)

・散乱光・透過光法と透過法を選択できる

・広いレンジで測定できる

・洗浄器つきで汚れに強い

・無線機と組み合わせれば遠隔で監視できる

企業G ・0~200 FTU
・0~200 ppm DE

・超高温環境/危険場所/サニタリプロセスなど、あらゆる環境に対応している

・高精度/高感度である

・メンテナンスは少なくても長期運転ができ、安定性がある

・防爆認定取得済み

企業H 0.00~1,100度

・高い濃度~低い濃度まで測定できる

・LED採用で長寿命

・小型のため、卓上でも携帯でも使用できる

120,000
企業I 0〜1,000NTU

・散乱光方式に準拠している

・大型ディスプレイのため、見やすい

・ワンタッチで自動校正ができる

・持ち運びが簡単

・単4電池4本で使用できる

企業J

・上水

・食品/飲料/製薬

・0~10,000NTU

・1~100㎎/L

・フルカラーかつタッチスクリーンで簡単に操作できる

・散乱光/透過光/前方散乱光/後方散乱光を演算して濁度測定する

・高い濃度から低い濃度まで測定できる

・USBメモリーで出力できる

163,000円
企業K

・0~1.00度

・100~1,000度

・透過光/散乱光演算で濁度測定

・色の影響を受けにくい

・耐久性が高い

企業L 河川 ・0~200㎎/L

・長期間安定した測定ができる

・上下の警報接点が内臓されている

企業M

・0.0000~2.0000度

・0.000~20.000度

・濁度センサを内臓している

・デジタルLEDで見やすい

・メンテナンス時も簡単に交換できる

・長時間使用できる

・アナログ出力が可能

適正価格かつ必要機能がついた濁度計を選ぶこと

濁度計には、さまざまな測定方法があります。

上下水や飲料水、工業排水などそれぞれに合った測定方法や濁度計があるため、商品を1つひとつの特徴を見極めて購入する必要があります。

また、購入の際には複数のメーカーに見積もり依頼を行い、適正価格で購入するようにしましょう。

スリーアールソリューションでもポータブル濁度計やデジタル濁度計を取り扱っています。お気軽にお問い合わせください。

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