データロガーとは?機器の仕組みや使い方・メリットなどを解説!
産業分野で使用される測定機器のデータロガーですが、複数の種類があるため、データロガーの選択に迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
データロガー自体は、データを収集したり自動で保存をしたりする機器ですが、実際には測定対象に合わせたデータロガーを選択しなければなりません。
そこで本記事ではデータロガーについて解説するとともに、データロガーの使い方や仕組み、メリットや選定基準を解説していきます。
今度、計測機器としてデータロガーを検討中の方は、ぜひスリーアール社お問い合わせください。
目次
データロガーとは
データロガーとは、温度・湿度・圧力・照度・加速度・振動など、様々な物理量を測定し、そのデータを記録する機器です。
環境測定や工場の品質管理、製品の試験などに広く使われています。
データロガーは、センサーや計測器、記録装置などから構成されており、測定したデータは、内部のメモリやSDカードなどに記録されます。
記録されたデータは、パソコンやスマートフォンなどの端末に取り込んで、グラフ化や分析などが可能です。
データロガーの使い方
データロガーの使い方は、データロガーの種類や機能によって異なりますが、一般的には下記のような手順で使用します。
- 1.データロガーを電源に接続する。
- 2.データロガーの設定を行う。
- 3.測定対象のセンサーを接続する。
- 4.測定を開始する。
- 5.測定が終了したら、データを取り出し、解析する。
データロガーは、設定の自動化も可能です。
例えば、データロガーに設定された特定の条件が満たされた場合、測定を自動的に開始させることもできます。
このようにデータロガーは、自動化によって時間と労力を節約が可能な計測機器です。
データロガーの仕組み
データロガーの仕組みは、測定対象のセンサーから送られる信号を収集し、それらのデータを内蔵されたメモリに記録していくものです。
測定値は一定の間隔で定期的に収集され、データロガー本体の内蔵メモリやSDカード、USBメモリなどに蓄積されます。
そのほかにデータロガーの仕組みとして、アナログ方式とデジタル方式があります。
アナログ方式は、測定対象の信号を電圧値として取得しているため、信号の波形を直接記録することができる一方で、デジタル方式は、測定対象の信号をデジタル信号として取得しています。
デジタル方式は、データの解析や処理が容易であるのが特長です。
また、デジタル方式の場合、センサーとデータロガーの接続において、電気的ノイズの影響を受けにくいため、より正確な測定結果をが得られます。
さらにデータロガーは、さまざまなセンサーを接続することができ、測定対象に合わせたセンサーを選択することで、より正確な測定が可能になります。
データロガーの種類
データロガーには複数の種類が存在しており、使用用途に応じたデータロガーの選択をしなければなりません。
主な種類は下記の通りです。
- 温度ロガー
- 温湿度ロガー
- 大気圧ロガー
- 絶対圧ロガー
- CO2ロガー
- 照度・紫外線データロガー
- 衝撃ロガー
以下にて解説いたします。
温度ロガー
温度ロガーは、温度を測定し記録するためのデータロガーです。
温度センサーを内蔵し、定期的に測定した温度を記録します。
温度の測定範囲や測定精度、測定間隔やデータの取り扱い方は温度ロガーの種類によって違いがあります。
温度ロガーだけでも食品や医薬品の品質管理、設備の保全管理、研究室の実験など、幅広い分野で利用されているのです。
温度センサーが内臓されているタイプの他に外付けのタイプもあります。
センサーが外付けタイプと内臓タイプで使用方法などに大きな違いはありません。
温湿度ロガー
温湿度ロガーとは、温度と湿度を同時に測定するデータロガーです。
室内や倉庫などの湿度管理が必要な環境で使用されます。
温湿度ロガーにもセンターが内臓しているタイプと外付けのタイプがあるため、使用環境に応じて使い分けをしなければなりません。
具体的には食品の保存管理や植物栽培の管理、建物内の空調管理など、幅広く利用されているのです。
大気圧データロガー
大気圧データロガーとは、大気圧を測定するデータロガーです。
気圧センサーを内臓しており、定期的に気圧の変化を記録します。
大気圧の測定範囲や測定精度はデータロガーの種類によって異なる点を覚えておきましょう。
高度の変化に応じて、大気圧が変化するため、山岳地帯や航空機などで使用されています。
その他にも試験室などの大気圧管理が必要な場所での使用も想定されているため、大気圧のほかに温度・湿度の測定にも対応している点が特徴です。
絶対圧データロガー
絶対圧データロガーとは、絶対圧を測定するデータロガーです。
一般的な圧力センサーと異なり、大気圧をゼロとした絶対圧の測定が可能です。
絶対圧ロガーは、高度の測定や真空状態での測定に適しているため、高圧のガスや液体の圧力を測定するために使用されたりしています。
その他に化学プラントや船舶、自動車などで使用されています。
CO2データロガー
CO2データロガーとは、二酸化炭素濃度を測定するデータロガーです。
CO2濃度の管理が必要な場所で使用されています。
例えば、オフィスの事務所などで多くの従業員が作業をしている場合、室内のCO2を測定し、換気や空調管理を実施すれば作業環境の整理にもつながります。
その他にも工場や農場などでも使用され、CO2ロガーを用いて生産効率の向上に貢献してたりするのです。
照度・紫外線データロガー
照度・紫外線データロガーとは、照度と紫外線を測定するデータロガーです。
室内や屋外での照明管理や、紫外線量の測定などに使用されます。
例えば、美術館や博物館など、照度や紫外線が展示物の見え方などに影響が出るような箇所で用いられているのです。
その他にも紫外線量の測定する際の日焼け止めやサングラスなどの開発にも役立てられています。
衝撃ロガー
衝撃ロガーとは、衝撃を測定するデータロガーです。
運送業や建設現場などで使用され、商品や機器の破損防止や、安全対策に役立ちます。
その他にも、少しの衝撃が製品の品質を落としてしまう繊細な精密機器や医薬品の輸送時などに用いることで、衝撃があったのかなかったのかを測定します。
常に衝撃がどのくらい発生しているのかを測定するのではなく、衝撃があったときに初めて計測がされるロガーである点を覚えておきましょう。
データロガーのメリット
自動でデータが収集でき、保存ができるデータロガーにはいくつかのメリットがあります。
- 長期的なデータの収集が可能
- データの保管・管理が楽
- 測定対象に柔軟性がある
それぞれ解説していきます。
長期的にデータの収集が可能
データロガーは、長期間にわたって測定データを自動的に保存できるため、データの収集に手間をかける必要がありません。
また、保存されたデータを解析することで、トレンドや変化を把握し、問題点を見つけ出すことができます。
データの保管・管理が楽
データロガーに記録されたデータは、通常はUSBケーブルなどを使用してパソコンへの転送ができます。
そのため、パソコン上でデータを管理・保存が可能になりました。
また、データロガーには通常、専用のソフトウェアが付属しており、そのソフトウェアを使用することでデータの解析・グラフ化などを行うことができます。
このように、データロガーを使用することで、手動で測定・記録・管理する場合に比べて、効率的かつ正確なデータの管理が実現されているのです。
測定対象に柔軟性がある
データロガーには、温度・湿度・気圧・照度・衝撃など、さまざまな種類があります。
また、製品によっては1つのデータロガーで複数の測定が可能です。
そのため、さまざまな測定対象に対応することができ、1つのデータロガーで複数の測定を行うことができるため、コストパフォーマンスが高いといえます。
データロガーの選定基準
データロガーを選定する際には、以下の基準を考慮しておくのが重要です。
測定対象と測定範囲
データロガーを選ぶ際には、まず測定したい対象物や環境に合わせて適切な測定範囲を選択する必要があります。
例えば、温度ロガーを使用する場合は、測定対象の温度範囲がロガーの測定範囲に含まれていることを確認しておく必要があるのです。
また、測定範囲が広すぎる場合は、必要以上に高価なロガーを選ぶことになる可能性があります。
測定間隔
データロガーの測定間隔は、データの収集に必要な頻度に合わせて選択する必要があります。
測定間隔が短すぎる場合は、大量のデータが生成され、データの管理が困難になる可能性がある一方で、測定間隔が長すぎる場合は、データが不足してしまい、分析に必要な情報が欠落する可能性があります。
精度
データロガーの精度は、測定に必要な正確さに合わせて選択する必要があります。
例えば、高精度のロガーを使用しなければ、極端な温度変化や高精度な湿度測定を行うことはできません。
精度によっては、測定対象によっては、精度を下げても問題がない場合があるので、その場合はコストパフォーマンスを考慮した選択が可能です。
容量
データロガーの容量は、保存できるデータの量を決定する重要な要素です。
測定頻度や保存期間によって必要な容量が異なるため、必要な容量に合わせて選択する必要があります。
機能
データロガーの機能は、測定する対象によって必要な機能が異なります。
例えば、温度と湿度を同時に測定したい場合には温湿度ロガーを選択しなければなりません。
まとめ:測定したい環境に応じて適切なデータロガーの選択をしましょう
データロガーは自動で温度や湿度、その他多くの項目の計測・データの保存が可能な計測機器です。
しかし、一概にデータロガーと言っても、計測可能な項目によって種類を変えなければなりません。
多くの種類があるため、自社で使用する測定環境に応じて、適切な項目の計測ができるデータロガーを選択しましょう。
スリーアール社では計測機器をはじめとした様々な製品を取り扱っており、経験豊富な担当者が貴社のデータロガー選びのサポートをしますので気軽にご相談ください。