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データロガーの価格はどのように決まる?選ぶ際に見るべきポイント3選

データロガーとは、精密な測定とデータ収集ができる測定機器。

取得したデータをPCなどに移行して分析もできるため、食品や製薬の製造といった厳密な作業管理が求められる現場をはじめ、さまざまなシーンで活躍しています。

しかし、データロガーにはいくつもの種類があり価格も異なるため「どのデータロガーを選べばよいかわからない」「データロガーの価格が決まる理由を知りたい」「自社に最適なデータロガーを選んで余計な出費を抑えたい」という方も多いのではないでしょうか。

本記事では、データロガーの価格が決まる3つの要因と最適なデータロガーを選ぶためのポイントを解説します。

はじめにデータロガーの概要を紹介しますので、「これからデータロガーの導入を考えている」という方もぜひ参考にしてください。

データロガーとは?

はじめにデータロガーの概要や使用用途を確認しましょう。

測定対象に合った測定器を選べるように、他の測定器との違いも紹介します。

データロガーの概要

データロガーとは、温度、湿度、電圧、電流といった物理データを、自動で収集して保存する測定器です。

データロガーを導入すると、測定対象のデータ収集・記録を自動で行えるようになります。設置後は側についている必要がなく、回収するまでの間データ収集が可能です。

収集したデータは、本体に差し込んだメモリーカードまたはメモリーカード以外の外部ストレージに保存できます。測定対象によって取得するデータ量が異なるため、保存方法や保存できる容量にもいくつかのタイプが用意されている点も特徴です。

保存したデータをPCやタブレット端末などに移行すれば、大きな画面で効率的に分析できるでしょう。データの移行方法ですが、USBケーブルを使用した方法や無線通信機能を使えるものがあり作業環境に合わせて選択できます。

主な使用用途

データロガーは、使用用途によって以下の種類に分かれます。

  • ・温湿度データロガー
  • ・電圧データロガー
  • ・電流データロガー
  • ・振動データロガー
  • ・GPSデータロガー
  • ・圧力データロガー

 

データロガーの主なサンプリングレートは、1秒間に10回(10Hz)以上となるため、温度や湿度といった遅い事象の信号観測から測定可能です。サンプリングレートはデータロガーの価格に影響をあたえる要因のため、後述する「データロガーの価格が決まる3つの要因」にて詳しく解説します。

データロガーと他の測定器の違い

データロガーは測定器の1種です。

測定器には、データロガーのほかにも「記録計」「メモリハイコーダ」「オシロスコープ」があり、サンプリング速度などの性能が異なります。

温度や湿度といった物理データの測定・データ収集では、観察対象に合わせた測定器を選ぶことで、最適な測定ができるようになります。

それぞれの違いを以下の表で確認しましょう。

測定器の種類 サンプリングレート 主な使用用途
データロガー 10Hzから1MHz 低速から高速の事象のデータ観測
記録計(汎用レコーダ) 100mz以上 低速の事象のデータ観測
メモリハイコーダ 数kHzから数Mhz 振動や制御信号といった中速の事象のデータ観測
オシロスコープ 10MHzから数Ghz 高速の事象のデータ観測


温度や湿度といった測定対象は、電気信号などの測定対象に比べて、変化の事象が遅い傾向にあります。

データロガーは、低速域の対象から測定・記録できる測定器です。

なお、データロガーよりサンプリングレートが高いメモリハイコーダで測定できる観察対象はあります。しかしメモリハイコーダは高額な測定器であるため、同じ観察対象に使用した場合、予算オーバーになってしまうでしょう。

また、データロガーはこれらの測定器の中でもPCと併用して活用しやすく作業効率を高めやすい点も特徴です。

データロガーの価格が決まる3つの要因

自社に最適なデータロガーを見つけるために、価格に影響をあたえる要因をチェックしましょう。

価格に影響のある要因とは以下の3つです。

  • ・チャンネル数
  • ・測定範囲
  • ・サンプリングレート

 

それぞれ解説します。

チャンネル数

チャンネル数とは、データロガーが同時に測定できるデータの数を意味します。

チャンネル数が多ければ、同時に測定できるデータの数が増えます。同時測定できるデータ数が増えれば、測定精度の向上や作業効率化につながるでしょう。

データロガーは他の測定器に比べてチャンネル数が多く、4チャンネルから576チャンネル以上使用可能です。

ただし、チャンネル数が多いデータロガーは本体価格が高くなる傾向にあります。反対にチャンネル数が少ないと、測定対象によっては精密な測定に必要な項目が足りないため、正確な測定ができないかもしれません。

チャンネル数が足りない場合、複数のデータロガーを使用する必要があります。しかしデータロガーの台数分のコストが発生するため、チャンネル数を拡張できるデータロガーを選ぶのがよいでしょう。

チャンネル数を拡張できるデータロガーを導入すると、必要なときに計測ユニットを増設できます。必要なチャンネル数を任意のタイミングで確保できるため、初期費用を抑えてデータロガーを導入できるのです。

チャンネル間絶縁機能

複数のチャンネルで同時にデータを測定する場合、データロガー内部にノイズが発生して、正確な測定を妨害してしまうおそれがあります

そこで使用されるのが「チャンネル間絶縁機能」です。

チャンネル間絶縁機能とは、入力信号と出力信号の間に電気を通さないようにする仕組みで、ノイズによるデータ観測への影響を可能な限り抑えられます。このチャンネル間絶縁機能の有無もデータロガーの本体価格を変動させる要因の1つです。

特に電圧を同時計測するケースでは、ノイズによる影響が大きくなる傾向にあります。

チャンネル間絶縁機能が備わったデータロガーがあれば、測定の精度が安定させて精密なデータを取得できるでしょう。

サンプリングレート

サンプリングレートとは、測定対象の信号をデジタル信号へ変換する際に、サンプル(標本)を取得する速度のことです。サンプルをいくつも取得することで、目には見えない観察対象の変化を数値に表しています。

サンプリングレートの単位はHz(ヘルツ)です。例えば1秒間に100回測定対象の信号をキャッチできる測定器の場合、サンプリング速度は100Hzとなります。

サンプリングレートが高ければ、高速で変化する測定対象も正確に記録できますが、本体価格は高額になる傾向があります

測定対象の速度は、温度や湿度といった低速域の測定対象から、電圧や電流といった電気信号の中速から高速域の測定対象まであります。

つまり測定対象によって適切なデータロガーのサンプリングレートは異なり、本体価格も変動するわけです。

最適なデータロガーを選ぶためのポイント3選

データロガーの価格を変動させる要因は、チャンネル数、チャンネル間絶縁機能、サンプリングレートの3つですが、これらに注目するだけでは自社に最適なデータロガーを選ぶためには不十分な可能性があります。

よりスムーズなデータロガー運用のために、以下のポイントも押さえましょう。

  • ・操作性や表示のわかりやすさ
  • ・データの保存容量や転送方法
  • ・電源と持ち運びのしやすさ

 

それぞれ解説します。

操作性や表示のわかりやすさ

操作性や表示のわかりやすいデータロガーを選ぶと、作業効率が高まりスタッフの負担軽減にもつながります。

データロガーの操作性や表示画面がわかりにくいと、操作ミスが増えたり操作できる人が限られたりして作業時間が長くなってしまい、生産効率が落ちてしまうかもしれません。

データロガーの本体には計器や表示器が備わっていますので、データロガーを選ぶ際は各機器の使い方や表示内容を確認して、自社の作業環境で無理なく運用できるデータロガーを選びましょう。

データの保存容量や転送方法

測定対象に合わせた保存容量や転送方法のあるデータロガーを選ぶと、スムーズにデータを収集できます。

サンプリングレートが高いと収集するデータ量が増えるため、保存するデータ量は増加します。保存容量が少ないタイプを選んでしまうと、データ収集のたびに容量を確保する手間が発生するかもしれません。

データロガーの保存方法には、外部のパソコンに保存する方法とデータロガーにメモリーカードをさして保存する方法がありますので、測定対象や記録時間を参考に適切な保存容量を選びましょう。

転送方法も重要です。

インターネットに接続できる環境を構築すれば、無線通信を利用してデータをPCに転送できるようになります。

データロガーを無線通信で転送できるタイプにすれば、PCにつなぐ手間を省けるほかデータロガーを移動させる必要もなくなり効率的に業務が進行するでしょう

電源と持ち運びのしやすさ

「AC電源で常に電源を確保できるか」「バッテリー駆動なら大きさや重さは最適か」といった項目をチェックすると、最適なデータロガー選びにつながります。

ほとんどのデータロガーはAC電源で稼働します。しかし設置場所の近くに電源がない場合、バッテリーを使用して計測しなくてはいけません。

バッテリーで駆動するデータロガーの中には、大型のものや重量のあるものが存在しますので、自社の作業環境に合わせて、持ち運びのしやすさにも注目してください。

はじめに作業環境をチェックして電源の有無を確認してから、データロガーの大きさや重さに注目するとよいでしょう。

適切な価格のデータロガーを用意して作業効率改善を

データロガーは備わっている機能によって大きく価格が変動します。

チャンネル数の多さやサンプリングレートの高さから高機能なデータロガーを選ぶと、幅広い測定対象に対応できますが、オーバースペックにならないよう注意が必要です。

機能以外の操作性や持ち運びのしやすさといった点に注目すると、データロガーの運用がスムーズにいくでしょう。

測定器は精密機械のため、1台あたりの単価が高額になりやすい商品。

機能と価格のバランスに気を付けて、自社に最適なデータロガーを導入して、作業効率を改善させてください。

スリーアールソリューション社では「T&Dおんどとりシリーズ」をはじめさまざまなデータロガーを取り扱っております。製品についてのお問い合わせやご相談、お見積もりなどお気軽にご相談ください。

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