保育園における熱中症対策のガイドラインとは?具体的な対策の方法も解説!
夏が近づいてくると暑さが気になりますが、暑くなると注意が必要なのが熱中症です。
特に、成人と比べると熱中症の危険性が増すのが乳幼児ですが、乳幼児を多く預かる保育園などでは、熱中症対策に頭を悩ませている担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
保育園における熱中症対策はガイドラインが制定されており、ガイドラインに則った対策のほかにグッズを用いた対策も重要です。
本記事では保育園における熱中症対策のガイドラインを解説するとともに、おすすめの熱中症対策のグッズを紹介しています。
ぜひ、参考にしてみてください。
目次
乳幼児の熱中症について
乳幼児は熱中症のリスクが高く、熱中症にかかると体調不良や健康被害が懸念されます。
夏場は日差しが強く、乳幼児が屋外で遊ぶ際には適切な対策が必要です。
また、屋内でもエアコンが不十分な場合や、室内で運動を行う場合も熱中症に注意が必要です。
乳幼児は体温調節機能が未熟なため、熱中症の症状が簡単に出てしまうことがあります。
保護者や保育士は熱中症に関する知識を身につけ、適切な対策を取ることが大切です。
乳幼児は熱中症のリスクが高い
熱中症は、暑い環境下で長時間過ごしたり過剰な運動をした場合に、体温調節機能が働かなくなり、熱中症になる可能性があります。
特に、乳幼児は体温調節機能が未発達であるため、高温多湿の環境に長時間いると熱中症を発症するリスクが高くなります。
また、乳幼児は汗をかきにくく体温調節がうまくできないことから、熱中症になりやすいです。
熱中症になると高熱やけいれん、めまい、吐き気、意識障害などの症状が現れ、重症化すると命にかかわることもあるので注意しましょう。
したがって、乳幼児を持つ保護者は、熱中症にならないためにしっかりと熱中症対策を行うことが必要です。
保育園でも乳幼児を対象とした熱中症対策が重要であり、保護者と保育士が協力して熱中症対策を徹底して実施することが求められます。
太陽光の反射などによる影響が大きい
太陽光の反射は、熱中症にかかりやすい乳幼児にとって重大な影響を与えます。
乳幼児の体は、成人と比べて熱を放出する能力が低く、汗も十分にかけないため熱中症にかかりやすくなっています。
さらに乳幼児の身体は成人よりも身長が低いため、アスファルトなどからの太陽光の反射の影響も大きくなりがちです。
そのため、太陽光の反射によって周囲の気温が上昇し、熱中症のリスクが高まることがあります。
特に保育園などで外での遊びや行事が多い場合、太陽光の反射による影響が大きくなります。
保育園では日陰の確保や日除けグッズの使用、適切な水分補給などの熱中症対策を施しましょう。
乳幼児は自分で水分補給ができないため、保育園や保護者が積極的に水分補給を行うことが大切です。
また、運動や遊びの時間を調整して暑い時間帯を避けるようにすることも大切です。
熱中症対策のガイドライン
熱中症対策のガイドラインは、厚生労働省が策定した「熱中症予防対策ガイドライン」に基づいて作成されています。
ガイドラインでは、熱中症のリスクが高い人々や環境、また症状が現れた場合の対処法について、具体的な指針を示しているので、参考にしてみてください。
具体的には、熱中症にならないための予防策として適切な水分補給や塩分補給、適度な休息、涼しい場所での過ごし方などが挙げられます。
また、熱中症が発生した場合の対処法についても症状に応じた対処法が示されています。
例えば軽度の熱中症では休息や水分補給が有効である一方、重度の熱中症ではすぐに医療機関への受診が必要とされています。
保育園に限らず、一般的な熱中症に対する指針が示されているので参考にしてみてください。
保育園における熱中症対策のガイドライン
保育園における熱中症対策のガイドラインは、地方自治体ごとに策定されていることが多いため、該当の地方自治体のホームページを確認してみてください。
一般的なガイドラインでは、熱中症の発生原因や症状、熱中症予防のための具体的な対策などが示されています。
具体的には、保育園での熱中症対策には以下のようなものが挙げられます。
- ・涼しい環境づくりを行う(エアコンや扇風機などの使用)
- ・適切な体調管理を行う(体温・水分量・塩分量の管理)
- ・水分・塩分の補給を行う
- ・適宜、休憩をとらせる
- ・体を動かし過ぎないよう注意する
- ・日陰を活用する
- ・保護者への周知徹底
また、保育園においては熱中症発生時の対応も重要です。
熱中症の症状が出た場合には、速やかに体温を下げる措置を取り、救急車を呼ぶ必要があります。
また、熱中症のリスクが高い乳幼児については、より細やかな体調管理や環境づくりが求められます。
保育園における熱中症対策は、保育園の職員や保護者が協力して行うことが重要です。
保育園側では、ガイドラインに基づいた熱中症対策の徹底や、定期的な研修・情報共有などが必要です。
また、保護者側でも、子どもの体調管理や服装・栄養などに十分な配慮を行うことが求められます。
保育園における熱中症対策のガイドライン実践例
保育園での熱中症対策は非常に重要な課題ですが、ここではガイドラインに則った実際の事例を紹介します。
これから保育園において具体的な熱中症対策を考えている方は参考にしてみてください。
熱中症対策の取り組み例
熱中症対策の具体的な方法は後述しますが、ガイドラインを遵守した実際の取り組み例としては、暑さ指数を活用し、非常に暑いことが予想される場合は外遊びを禁止しています。
実際には横浜市での「保育・教育施設等における「暑さ対策」ガイドライン 」を遵守している形です。
具体的には気温や湿度などを考慮して決められるWBGTと呼ばれる暑さ指数を基準に、外遊びが可能かどうかを決めています。
WBGTは国で統一された指数になるため、熱中症対策の一つとして重要な役割を果たしていると考えるべきです。
保育園における熱中症対策の課題と対策
保育園においては、乳幼児を対象とした熱中症対策を施すのは重要ですが、課題も残っているのが現実です。
例えば、保育園には年齢別で複数のクラスが存在し、それぞれのクラスにおいて対応が異なったり、園児の体調や環境によっても対応が異なったりするため、個別の対応も必要になってきます。
その際に職員知識や対応方法に差があってはいけないため、職員それぞれに十分な知識や対応力が必要とされます。
特に、新入職員やアルバイト職員などの場合は、研修や教育によって熱中症に対しての十分な知識をつけさせるのが課題の一つです。
さらに保育園においては、人数が多く園児の状態を常に把握しておくことが困難である場合があります。
そのため、熱中症対策においては園児や保護者の協力も必要というのも課題になってきます。
課題を克服するために、保育園側が熱中症対策に対する意識を高め、定期的な研修や教育を行うことが必要であるだけでなく、保護者にも熱中症対策の重要性を周知し、協力を呼びかけるようにしましょう。
保育園で熱中症が発生してしまった場合の対応
保育園で熱中症が発生してしまった場合、迅速かつ適切な対応が必要です。
まずは保育士や園長などの職員が状況を把握し、必要な手当てを施します。
具体的には、まず水分補給や体温の測定を行い、必要に応じて救急車を呼び出します。
また、保護者への連絡も重要です。
保育園側から保護者に状況を報告し、指示を仰ぎます。
熱中症の症状が軽度の場合でも、必要な手当てを施すことで症状の悪化を防ぐことができます。
そのため万が一、保育園で熱中症が発生してしまった場合は、該当園児への対応と同時に保護者への連絡、そして重症の場合は救急車の手配をしましょう。
ガイドラインを遵守した保育園での熱中症対策の方法
ガイドラインを遵守しながら行う保育園での熱中症対策の具体的な方法を解説します。
- ・涼しい環境づくりを行う
- ・適切ね体調管理を行う
- ・水分・塩分の補給
- ・エアコンの使用を考慮する
- ・必要に応じて熱中症対策グッズを用意する
それぞれを解説していくので、参考にしてください。
涼しい環境づくりを行う
涼しい環境づくりを行うことは、熱中症対策の中でも重要な要素の一つです。
保育園では、空調設備が整っていない場合が多いため、涼しい環境を作るための工夫が必要です。
具体的には、扇風機や空気循環機を設置し、窓やドアを開けて風を通すことで室内の空気を循環させます。
また、室内の温度や湿度を計測し、十分な換気や空調を行うことで快適な環境を維持するように心がけます。
熱中症は暑さが原因であることからも把握できるように、涼しい環境づくりは重要なポイントですので、涼しく環境づくりをしましょう。
適切な体調管理を行う
適切な体調管理とは、保育園において熱中症を予防するために、園児の体調管理を徹底することを意味します。
具体的には、園児の健康状態や体温のチェック、水分補給の促進、疲れやすい時間帯の把握、休憩時間の設定などが挙げられます。
保育士は園児の様子を常に観察し、体調に変化があった場合には迅速かつ適切に対応しなければなりません。
また、保護者との連携を密にし、園児の健康状態について情報共有を行うことも重要です。
適切な体調管理を行い、熱中症を予防し、園児たちが健康で安心して過ごせる保育園の環境を整えるようにしましょう。
水分・塩分の補給
熱中症対策に欠かせないのは、適切な水分・塩分の補給です。
保育園では、飲み物の用意や飲ませるタイミングに気を配り、適切な量を摂取できるように心掛けるようにしましょう。
乳幼児の場合、汗をかく機会が少ないため、水分や塩分の摂取が十分に行われていないことがあります。
また、熱中症になると体内の塩分が失われるため、塩分の補給も重要です。
保育士は、こまめに水分や塩分の補給を促し、乳幼児の健康管理に努めることが必要です。
ただし、飲み過ぎによっては、下痢や嘔吐の原因になることがあるため注意しましょう。
適切な量とタイミングを守りながら、水分・塩分の補給を行うようにしてください。
エアコンの使用を考慮する
エアコンは室内の温度を下げることができるため、熱中症対策には欠かせません。
しかし、乳幼児の体温調節機能は成人と比べて未発達であるため、使い方には注意が必要です。
例えば、温度が低すぎる場合は風邪を引いたり、ドライアイや喉の痛み、冷え性、クーラー病などの健康上の問題が起こることがあります。
一方で、大人は快適な温度設定だったとしても、乳幼児からすると暑い場合もあることを忘れてはなりません。
また、エアコンの使用量が多いと、電気代がかさんでしまうこともあるため、適切な使用方法を守る必要があります。
適切な室温や湿度を保ちながら、子どもたちが快適に過ごせるようなエアコンの使用方法を確認し、適宜調整するようにしましょう。
必要に応じて熱中症対策グッズを用意する
必要に応じて熱中症対策グッズを用意することも重要です。
乳幼児の場合、暑くても「外で遊びたい」など欲望が勝ってしまう場合や、暑くても「暑い」と自己主張ができない場合などがあります。
そのため、熱中症対策グッズにより乳幼児の熱中症対策をサポートするようにしましょう。
スリーアールソリューション社ではさまざまな熱中症対策グッズを展開しております。
例えば首にかけるだけで首元を冷却できる「ネッククーラー」や、扇風機の容量でミストを噴出させる「ミスト付きファン」です。
どちらも乳幼児でも手軽に使用でき、保育園でも手軽に導入できる製品ですので、導入の検討をしてみてください。
まとめ:保育園における熱中症対策はガイドラインを遵守した上で独自の対策も検討しましょう
保育園における熱中症対策は、地方自治体ごとに制定されたガイドラインを遵守することが重要です。
さらには、保育園独自で施す熱中症対策も保護者からは求められています。
基本的な対策として涼しい環境づくりや水分・塩分の補給などが挙げられますが、熱中症対策グッズを用いた対策も重要です。
スリーアールソリューション社ではさまざまな熱中症対策グッズを取り扱っているので、乳幼児に合わせた熱中症対策グッズについて相談したい方は、気軽に相談してください。
その他子どもの熱中症対策については以下の記事でも解説しています。
経費で落とせる熱中症対策や補助金・助成金については以下も参考にしてください。