アルコールチェッカーの導入後に補助金・助成金を受け取る方法を解説!
「アルコールチェッカー導入にかかる費用を、どうにか抑えたい」と考える経営者や担当者の方は少なくないのではないでしょうか。
2022年10月に施行される改正道路交通法施行規則によって、一定台数以上の社用車を持つ企業は、アルコールチェッカーによる酒気帯びチェックが義務化されました。
※10月以降の義務化の予定が当分延期となりました(2022年7月14日警察庁発表)。
残念ながら、アルコールチェッカー導入に対する国の金銭的補助は、現在のところ発表がありません(2022年7月時点)。
しかし、補助金・助成金を受け取る方法はあります。
本記事では、アルコールチェッカーの導入により受け取れる補助金・助成金について徹底解説していきます。
アルコールチェッカー導入における補助金・助成金の正しい申請方法を知り、事業のコスト削減に役立ててください。
目次
アルコールチェッカーの導入で補助金・助成金を受け取る方法
全日本トラック協会が紹介する助成制度を利用して、アルコールチェッカー導入後に助成金を受け取る方法があります。
また、所在地によっては、全日本トラック協会と都道府県のトラック協会の両方から助成金を受け取れるケースもあります。
助成金の対象となるアルコールチェッカーは「呼気吹込み式アルコールインターロック」と「IT機器を活用した遠隔地で行う点呼に使用する携帯型アルコール検知器」で、全日本トラック協会の安全装置等導入促進助成事業において助成対象です。
なお、全日本トラック協会の安全装置等促進助成事業は、2022年度(令和4年度)も実施されており、その事業予算は1,192万円です。
予算がなくなると受付を締め切る可能性もあるため、助成金を確実に受け取りたい方は早めの申請を検討しましょう。
全日本トラック協会からの助成金と、都道府県のトラック協会の両方から助成金を受け取るためには、所在地のトラック協会の条件を確認しなければなりません。
次項では、5つの都道府県を例に取り上げて具体的に確認していきます。
都道府県別アルコールチェッカー導入の補助金・助成金の条件
アルコールチェッカー導入に関する補助金・助成金の条件は、都道府県によって細かい点が異なります。
申請の際は、間違いのないように所在地のトラック協会の条件を確認しましょう。
ここでは、5つのトラック協会の具体例を紹介します。
- ・北海道トラック協会
- ・東京都トラック協会
- ・岩手県トラック協会
- ・兵庫県トラック協会
- ・福岡県トラック協会
詳しくみていきましょう。
北海道トラック協会
北海道トラック協会は、呼気吹込み式アルコールインターロックとIT点呼に使用する携帯型アルコール検知器の2種類に助成を行っています。
助成金には、全日本トラック協会からの助成金も含まれています。
アルコールチェッカーの種類 | 助成金額 | 上限 |
呼気吹込み式アルコールインターロック | 1台20,000円 | 1社10台まで |
IT点呼に使用する携帯型アルコール検知器 | 1台20,000円 | 1社10台まで |
申請期間は、2022年4月1日から2023年3月3日までとなっており、新たに装着し支払いが完了した装置が対象です。
IT点呼に使用する携帯型アルコール検知器の助成を受けるには、安全性優良事業所(Gマーク認定事業所)が条件になるので注意しましょう。
交付対象は、札幌地区トラック協会や旭川地区トラック協会などの、北海道内の地区トラック協会に所属する営業用貨物自動車が対象となります。
東京都トラック協会
東京都トラック協会は、アルコールチェッカーの助成に関わる安全装置等促進助成事業について、200万円の予算を組んでいます。
2022年4月15日から2023年3月21日が申請期間となっていますが、確実に助成金を受け取りたい場合は、予算がなくならないよう早めに申請しておきましょう。
助成金額は以下のとおりです。
アルコールチェッカーの種類 | 助成金額 | 上限 |
呼気吹込み式アルコールインターロック | 1台40,000円(東京都トラック協会) 1台20,000円(全日本トラック協会) |
1会員事業所につき5台まで |
IT点呼に使用する携帯型アルコール検知器 | 1台20,000円 | 1会員事業所につき30台まで |
アルコールインターロックは、全日本トラック協会と東京都トラック協会の両方から助成金を受けられますが、装置をつける車の本拠地が東京都内になければいけません。
つまり、他都道府県ナンバーの車は全日本トラック協会の助成のみとなる点に気をつけましょう。
一方、IT点呼に使用する携帯型アルコール検知器は、全日本トラック協会のみの助成です。助成金の上限は2万円となっている点にもご注意ください。
また、助成を受けるには安全性優良事業所(Gマーク認定事業所)も条件です。
岩手県トラック協会
岩手県トラック協会において、助成対象となるアルコールチェッカーは、ハンディ記録式タイプと措置記録式タイプの2種類です。
どちらもIT点呼に使用する携帯型アルコール検知器に該当します。
アルコールインターロックは助成対象ではありません。
そのため、アルコールインターロックの助成を受けたい場合は、全日本トラック協会から助成を受けることになります。
IT点呼に使用する携帯型アルコール検知器の種類 | 助成金額 | 上限 |
ハンディ記録式タイプ | 機器や管理ソフトの購入価額の1/2(100円未満は切り捨て) | 1事業者につき120,000円まで |
措置記録式タイプ | 機器や管理ソフトの購入価額の1/2(100円未満は切り捨て) 1台30,000円まで |
1事業者3台まで(1営業所1台まで) |
ハンディ記録式タイプについては、台数制限は特に設けられておらず、120,000円の上限に達するまで申請可能です。
ただし、レンタルや中古品は対象外となりますのでご注意ください。
措置記録式タイプの場合は、1台30,000円までと決まっており、1事業者および1営業所のそれぞれに上限が設けられています。
岩手県トラック協会の申請受付期間は、2022年4月1日から2023年2月20日までです。
兵庫県トラック協会
兵庫県トラック協会では、本体以外のオプション類、消耗品、接続設置費用、保守・配送設置費用などは助成対象外と明記されています。
また、「助成を受けた機器は導入日から起算して 1 年を経過するまでの期間は、譲渡・廃棄等は出来ない」と注意事項が記載されており、アルコールインターロックとIT点呼に使用する携帯型アルコール検知器も対象となります。
アルコールチェッカーの種類 | 助成金額 | 上限 |
呼気吹込み式アルコールインターロック |
1台10,000円(兵庫県トラック協会)
1台取得価格の1/2を助成。上限は20,000円(全日本トラック協会) |
1会員の申請車両台数は20台まで
|
IT点呼に使用する携帯型アルコール検知器 |
IT点呼に使用する携帯型アルコール検知器は、申請する営業所が安全性優良事業所(Gマーク認定事業所)であることが条件です。
兵庫県トラック協会の申請期間は、令和4年4月1日~令和5年3月10日までとなっています。
福岡県トラック協会
福岡県トラック協会では、助成可能な機器を3つ設定しています。
アルコールチェッカーの種類 | 助成金額 | 上限 |
ハンディタイプ | 3,000円(税別)以上で購入したものに対して、購入価格の半額(千円未満切り捨て)を助成する。1万円が上限 | 1台1万円まで 令和4年2月末の保有車両(エンジン付車両)の 50%(端数切り捨て)で、上限 30 台まで |
記録型検査機 | 購入価格(税別)の半額(千円未満切り捨て)を助成。1万円が上限。 | 1会員事業所当たり1台まで |
呼気吹込み式アルコールインターロック |
購入価格(税別)の半額(千円未満切り捨て)を助成。1万円が上限。
|
1会員事業所当たり2022年2月末の保有車両(エンジン
付車両)の 20%(端数切り捨て)で、上限 10 台まで |
IT点呼に使用する携帯型アルコール検知器 |
福岡県トラック協会では、アルコールインターロックとIT点呼に使用する携帯型アルコール検知器以外にも「飲酒運転防止に効果のある検知器等」を助成の対象としています。
アルコール検知器の助成について、IT点呼に使用する携帯型アルコール検知器と、それ以外のアルコール検知器の違いについて確認するには、こちらに記載されている「アルコールインターロック装置対象機器一覧」を確認しておきましょう。
申請時にGマーク認定書の写しを提出すれば、IT点呼に使用する携帯型アルコール検知器の助成を受けられます。
安全性優良事業所(Gマーク認定事業所)でない場合は、福岡県トラック協会のみの助成となります。
福岡県トラック協会の申請期間は、令和4年4月1日から令和5年2月末日までの期間です。
アルコールチェッカー導入後における補助金の申し込み方法
アルコールチェッカー導入後における助成金の申請先は、基本的に所在地の都道府県トラック協会です。
全日本トラック協会と都道府県トラック協会の両方から助成を受ける場合でも、所在地のトラック協会に申し込みます。
そのため、助成金を申請する場合、所在地のトラック協会に問い合わせの連絡を入れるか、全日本トラック協会のホームページから所在地のトラック協会のサイトにアクセスすることになります。
補助金の申し込み方法について主な流れは以下のとおりです。
- 1.全日本トラック協会の都道府県トラック協会一覧から所在地のトラック協会へアクセスします
- 2.安全装置等導入促進助成事業におけるアルコール検知器に対するの申し込みの条件を確認しましょう
- 3.指定の用紙に必要事項を記載します
- 4.添付書類を用意します(機器別請求内訳書 兼 装着証明書、誓約書、装着車両の車検証などが必要になる場合も)
- 5.所在地のトラック協会へ郵送または持ち込みにて申請を行います
以上となります。
注意事項も確認しておきましょう。
- ・補助金には申請期限があるため、申請期間内に申し込みをしましょう
- ・都道府県によって条件や金額は異なります。必ず申請前に所在地のトラック協会に確認しましょう
- ・助成期間中であっても、助成額が予算枠に達した時点で受付を終了することもあります。
トラック協会に条件を確認しアルコールチェッカーの補助金・助成金を申請しよう
アルコールチェッカーの補助金・助成金は、トラック協会によって申請条件や申請期間が異なります。
正しく助成を受けるためにも、所属しているトラック協会のホームページや電話連絡などで必ず条件を確認してください。
アルコールチェッカーを使った確認が義務化されるのは、2022年10月が初めてです。
※10月以降の義務化の予定が当分延期となりました(2022年7月14日警察庁発表)。
そのため、助成金の認可がおりるまで時間がかかるケースもあるかもしれません。
また、全日本トラック協会の予算を超えた場合は、全日本トラック協会の助成は受けられない可能性もあるので、申請は早めに済ませておくのがおすすめです。
補助金・助成金の受け取り方法を理解し、正しい申請方法でアルコールチェッカーの助成を受けましょう。